子どもに吸引が必要になったとき、どの吸引器を選べばいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。
既に吸引器を使っているご家庭でも、「病院からおすすめされたものを購入した」「何を基準に選べばいいかわからず、最初に見つけたものを選んだ」というケースが多いかもしれません。
ライター上野筆者も息子のケアに吸引器を使用しています。看護師さんから勧められた製品をそのまま選びましたが、後からさまざまな製品があると知り「それぞれの特徴を知ったうえで選びたかった」と感じています。
実は、吸引器にはさまざまな種類があり、製品によって重さや大きさ、お手入れのしやすさ、性能も異なります。
痰の量や粘り気、吸引の頻度など、子どもの状態によって重視したいポイントも変わるもの。だからこそ、わが子の医療的ケアや暮らし方に合った一台を選ぶことが大切です。
この記事では、吸引器の主な種類とそれぞれの特徴、子どもに合った一台を選ぶためのポイントを紹介します。
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こんなにある!吸引器の種類
家庭で使われている主な吸引器には、さまざまな種類があります。まずは主な製品とそれぞれの大きさや重さ、吸引ボトルの容量などを見てみましょう。
主な吸引器一覧
- パワースマイルハート
- 「ミニック」シリーズ
- スマイルケア
- 「セパ」シリーズ
- エレノア
- ブルークロス吸引器
- ヨックスポルタ
- キュータム
- べべキュア(鼻水吸引)
- メルシーポッド(鼻水吸引)
今回は一部の製品をピックアップしましたが、吸引器はこの他にもまだまだあります。
主な吸引器の性能早見表
では、それぞれの大きさや重さ、性能にはどんな違いがあるのでしょう。今回は主な吸引器を比較できる早見表をつくってみました!(※2026年10月時点の情報です)




※PDFデータが開きます(2026年10月時点の情報です)
吸引器の選び方
こんなにたくさんの種類がある中からどう選べばいいの?
吸引器を選ぶときは、以下のポイントを目安に、何を優先したいかを考えながら選んでみましょう。
| 子どもの状態・使用状況 | 適している吸引器のタイプ(性能) |
| 痰の量が多い、吸引回数が多い | 吸引力重視の高流量タイプ |
| 痰の粘り気が強い、引きにくい | |
| 持ち運びの機会が多い | 持ち運びしやすい軽量タイプ |
| 停電時でも電源を確保したい | バッテリーや車載電源対応のタイプ |
| 鼻水の吸引ができればよい | 鼻水吸引のみのタイプ |



用途に合わせて、家庭用と外出用で2台の吸引器を使い分けているご家庭もあります



わが家では、外出時の準備の手間を省くために、持ち運びのしやすさを重視して2台目の吸引器を買いました。
ここからは、タイプ別に吸引器の種類を紹介していきます。
しっかり痰を吸引したい!高流量タイプ


安定した吸引力を重視したい方は「排気流量」の高いタイプがおすすめです。排気流量とは、1分間にどれくらい空気を吸い込めるかを示す値です。流量が大きいほど、痰をよりスムーズに吸引しやすくなります。
高流量タイプはこんな家庭におすすめ
- 痰の吸引を日常的に行う
- 痰の粘り気が強い、量が多い
- より安定した吸引力を重視したい
【高流量タイプ】ピックアップ製品
一般的に使用されるスタンダードタイプの「Sシリーズ」と、高流量を備えたハイパワータイプの「Wシリーズ」があり、用途に合わせて選べます。静音モードも搭載しており、夜間の使用にも配慮されています。
また、バッテリー仕様のモデルもあり、使用する環境やシーンに合わせて選択できます。
製品カタログ:https://sanko-med.com/digitalcatalog/index.html#page=7
高流量を備えながら、比較的軽量なのが特徴です。内蔵バッテリー・車載電源にも対応した「吸引器3WAY」と、AC電源で使う「吸引器BM」があります。
また、「吸引器3WAY」は電源コードが本体内蔵になっているコードリール方式です。
吸引器3WAY 商品ページ:https://www.bluecross-e.co.jp/suc.html?tab=0
吸引器BM 商品ページ:https://www.bluecross-e.co.jp/suc.html?tab=1
こちらも高流量ながらも軽量の吸引器です。低い吸引圧でも吸引しやすい設計で、吸引圧を細かく調整したい場合にも向いています。
高流量タイプの主な製品を比較
| 最大吸引圧 | 排気流量(/分) | 重さ | ボトル容量 | |
| ミニック Ⅲ-WB(ハイパワー) | -85kPa | ノーマルモード30Lサイレントモード20L | 約4.6kg | 1,400ml |
| ミニック Ⅲ-SB(スタンダード) | -85kPa | ノーマルモード20Lサイレントモード13L | 約3.4kg | 1,000ml |
| ブルークロス 吸引器3WAY | -80kPa | 25L | 約2.8kg | 750ml |
| ブルークロス 吸引器BM | -80kPa | 25L | 約2.4kg | 1,000ml |
| ヨックスポルタ S901 | -60kPa | 24.5L | 約2.6kg | 800ml |
持ち運びしやすい!ポータブルタイプ




外出時にも使用する場合には、バッテリーでも稼働するポータブルタイプが便利です。本体の重さや大きさも、持ち運びやすさに関わります。
また、外出先での吸引回数が多い場合は、最大吸引圧や排気流量、ボトル容量、バッテリーの稼働時間もあわせて確認しましょう。
ここでは、重さが2.0kg以下で、痰の吸引にも使える主な吸引器を紹介します。
ポータブルタイプはこんな家庭におすすめ
- 鼻水だけでなく痰も吸引したい
- 外出時にも使いたい
- 持ち運びを楽にしたい
【ポータブルタイプ】ピックアップ製品
なんと重さが1kg以下の、軽量で持ち運びやすい吸引器です。専用の電池ボックスを用意すれば、外出先でも使用できます。
乾電池でも使用できる軽量な吸引器で、稼働時間は充電式電池では約70分、アルカリ乾電池では約15分が目安です。ほかの製品と比べると吸引性能は控えめなため、痰が比較的さらさらしている場合や吸引回数が少ない場合、外出時の予備として持ち歩きたい場合に向いています。
商品ページ:https://www.nitto-kohki.co.jp/apps/prd/search/syousai?seihincd=LB09590&lang=ja&groupcd=M&vf=
従来のパワースマイルから約22%軽量化され、持ち運びやすくなったモデルです。持ち運び用のハンドルを備え、車内や外出先での使用にも対応しています。吸引瓶も700mLから800mLに容量アップしています。
製品カタログ:https://sanko-med.com/digitalcatalog/index.html#page=13
ポータブルタイプの主な製品を比較
| 重さ(本体のみ) | 大きさ(幅×奥行×高さ) | 最大稼働時間 | ボトル容量 | 最大吸引圧 | 排気流量 | |
| エレノア | 約960g | 216mm×93mm×171mm | 約40分 | 300ml | -80kPa | 15L/分 |
| キュータムQT-500B | 約1.2kg | 300mm×125mm×175mm | 約15分(アルカリ乾電池)約70分(充電式電池) | 300ml | -66.6kPa | 7.5L/分 |
| パワースマイルハートKS-800 | 約1.8kg | 195mm×185mm×239mm | 約100分 | 800ml | -75kPa | 17L/分(ポンプ単体) |
吸引と吸入どっちも必要!吸引器+ネブライザータイプ
吸引に加えて、吸入も日常的に行う場合は、吸引器とネブライザーが一体になったタイプが便利です。機器を1台にまとめられるため、保管場所を減らしたい家庭や持ち運ぶ医療機器をできるだけ少なくしたい家庭に向いています。
【吸引器+ネブライザータイプ】ピックアップ製品


吸引と吸入を1台で行える、吸引・吸入両用器です。AC電源のみ対応の据え置きタイプと、バッテリー内臓タイプがあります。
製品カタログ:https://sanko-med.com/digitalcatalog/index.html#page=7
鼻水が吸引できればOK!鼻水吸引器
痰の吸引は必要なく、鼻水の吸引ができればよい場合は、家庭用の鼻水吸引器も選択肢になります。医療用の吸引器よりもコンパクトで扱いやすく、価格も比較的安価です。
【据え置きタイプの鼻水吸引器】ピックアップ製品
据え置きタイプの鼻水吸引器は、ACアダプターを使用するため吸引力に優れています。


粘り気のある鼻水を自宅でしっかり吸引したい家庭に向いています。
こちらも粘り気のある鼻水の吸引にも適しています。先端のパーツで鼻水をキャッチする構造なので、手入れのしやすさも魅力。
吸引圧を調整できる鼻水吸引器です。吸引した鼻水と空気分ける構造で、お手入れしやすいのが特徴です。本体重量は約0.85kgと軽量です。
製品カタログ:https://sanko-med.com/digitalcatalog/index.html#page=15
【ハンディタイプの鼻水吸引器】ピックアップ製品
ハンディタイプは小型で持ち歩きしやすく、乾電池で使用できる製品がほとんどです。
キャップがついており、カバンに入れて持ち運びしやすいです。
2種類のノズルが付属しており、ハンディタイプの中では特にしっかり吸引できます。



鼻水の吸引には、ポータブルタイプ吸引器の章で紹介した「エレノア」もおすすめ。ダイヤル式で圧の調整ができるので、吸引圧に敏感なお子さんにも安心です。鼻水吸引だけの場合でも、鼻水の状態や子どもの様子に合わせて、医療用の吸引器も検討してみるといいかもしれません。
災害・停電時を見据えて吸引器を選ぶなら
災害や停電時に備えるなら、コンセント以外の電源で使えるかも確認しておきましょう。以下の製品は、バッテリーや乾電池、車載電源に対応しています。
バッテリーで稼働するタイプ
- ミニック シリーズ
- ブルークロス 吸引器3WAY
- ヨックスポルタ S901
- スマイルケアシリーズ
- パワースマイルハート
- セパ シリーズ
乾電池で稼働するタイプ
- エレノア
- キュータム QT-500B
車載電源(シガーソケット専用コード)で稼働するタイプ
- ミニック シリーズ
- ブルークロス 吸引器3WAY
- ヨックスポルタ S901
- スマイルケア シリーズ
- パワースマイルハート
- セパ シリーズ



ただし、バッテリーや専用コードはオプションの場合が多く、本体とは別料金になることがあるので注意が必要です。
電源不要の吸引器
停電時や電池切れの際に備えて、電源を使わずに吸引できる手動式・足踏み式の吸引器を用意しておく方法もあります。


手でバルブを握って使うコンパクトな手動式吸引器。最大吸引圧は-28kPaと高くはないものの、比較的安価なため、緊急時用の備えとして購入しやすいです。
足でペダルを踏んで使う足踏み式の吸引器です。両手が使えるのでケアしやすいです。
足で踏んで吸引するタイプの吸引器です。本体重量は約800gで、収納ケースが付属しています。
製品カタログ:https://sanko-med.com/digitalcatalog/index.html#page=17



緊急時には、シリンジに吸引カテーテルを接続し、手でシリンジを引いて分泌物を吸引する方法もあります。吸引器の代わりになる方法の一つですが、吸引圧の調整が難しいため、この方法を実践したい場合には事前に医師や看護師に手順を確認しておきましょう。
吸引器の購入時に知っておきたい事
日常生活用具給付制度を利用できる場合がある
吸引器は、自治体の「日常生活用具給付制度」の対象となる場合があります。対象となる条件や自己負担額、申請方法は自治体によって異なるため、購入前にお住まいの自治体の窓口へ確認しましょう。



助成を受けるには、吸引器購入前に申請が必要です。また、手続き後に申請が下りるまでに2~3カ月かかり、その後購入となるため、早めに手続きをするのをおすすめします。
▼日常生活用具給付制度についてはこちらの記事で詳しく解説しています


吸引カテーテルは在宅療養で支給されることがある
在宅で医療的ケアを行う場合、痰の吸引に使うカテーテルは、医療機関から在宅ケア物品として支給されることがあります。必要な本数や受け取り方法は、主治医や訪問看護師、医療機関に確認してみてください。



筆者はこのことを知らず、吸引器と一緒にカテーテルをたくさん購入してしまいました…。
バギーの搭載台も助成の対象になることがある


吸引器を使う場合、バギーの荷台(呼吸器・吸引器を載せるための搭載台)が、助成の対象になるケースがあります。すでに使っているバギーへ後付けする場合でも、修理費として申請できる可能性があるので、福祉用具の取り扱い業者やお住まいの自治体窓口に確認してみてください。



筆者は、吸引器購入時にたまたま福祉用具の担当者の方に教えてもらい、修理申請をして搭載台を付けました。
子どもにぴったりの一台を選ぼう
吸引器には、吸引性能を重視したもの、持ち運びやすいもの、吸入器を兼ねたもの、災害時に備えやすいものなど、さまざまな種類があります。そして、痰の量や吸引回数、外出の頻度、停電への備えなど、日々のケアや暮らし方によって、使いやすい一台はご家庭ごとに異なります。
子どものために選ぶものは、本来いくつかの選択肢を知り、わが家に合うものを考えて納得して選びたいもの。
この記事が、「あなたのご家庭にあった一台」を考えるきっかけになれば幸いです。
※早見表のPDFデータが開きます
ファミケアでは、吸引器に関するアンケートを実施中
今回の特集では、吸引器を使っているご家族を対象に吸引器についてのアンケートを実施します。
吸引器を使っている家庭の数だけ、使い方や選び方もあるはず。
- 今使っている吸引器は?
- その製品を選んだ理由は?
- 実際に使ってみて、満足しているところは?
- 「もっとこうだったらいいのに」と感じていることは?
そんなリアルな声を教えてください!
【子どもの吸引器に関する実態調査2026】
みんなはどう選んで、どう使ってる?吸引器ユーザーのリアルを大調査!
・回答所要時間:10分程度
・記述形式:選択式を中心とした一部記述式
・回答対象:電動吸引器を日常的にご使用中の障がい児、医療的ケア児の保護者(痰吸引だけではなく、鼻水吸引のみのご家族も対象)
・募集期間:2026年10月13日(火)より2026年11月13日(金)23:59まで
※アンケート内容には一部 製品・サービス改良のためのご意見の項目があります
寄せられた声は、これから吸引器を選ぶご家族に向けた情報発信に活用するほか、吸引器メーカーの皆さんにもお届けし、製品改良などにも役立てていただきます。
吸引器ユーザーの皆さんの回答、お待ちしています!
\ 回答はこちらから!/
この特集が、それぞれのご家庭に合った吸引器について考えるきっかけになれば幸いです。

















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