障がいのある子と旅行に行く時に困りがちなのが移動手段。特に飛行機で移動する遠出の旅行は、
大変そうだし乗れるか心配
と不安になってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は肢体不自由児の息子を育てる筆者が、家族みんなで飛行機に乗って沖縄旅行にいった体験をもとに、障がい児と飛行機に乗る際の事前手続きやサポート、当日の流れについてご紹介します。「家族で旅行に行きたいな」と思っている方が旅行を楽しむための参考になれば、嬉しいです。
▼障がい児と旅行・お出かけする際のお役立ち情報はこちら!


今回飛行機で旅行した子ども
けんちゃん
- 5歳の男の子
- 身長90センチ・体重12.5キロ程度
- 反り返りが強く、座位保持装置がないと座位を保つのが難しい
- 低圧持続吸引を24時間使用(コンセントが使用できない場所での外出時は低圧持続吸引機をモバイルバッテリーに接続して電源を確保)
- 外出時はバギー(きさく工房 RV)を使用
けんちゃんファミリー
- 父、母、小学2年生の兄、双子の兄、けんちゃんの5人家族
- 今回は家族5人で一緒に旅行
障がい児も飛行機に乗れる?
障がい児も飛行機に乗って旅行にいくことができます。航空会社では、障がい児や障がい者、その他の飛行機を利用する際にサポートが必要な人向けのサービスを提供しています。また、バリアフリー法に基づいた取組計画書を作成し、実践している航空会社もあります。



筆者自身も、最初は「けんちゃんって飛行機乗れる?」と不安に思っていました。しかし、実際に飛行機を利用してみると、事前に準備は必要なものの、空港や航空会社にはさまざまなサポートがあり、安心して飛行機に乗ることができました。
サービス内容は、航空会社によって様々ですが、サポートを利用しながら飛行機に搭乗することができます。ただし、医師の判断で飛行機の利用が難しい場合や体調が悪い時には利用することができません。
取組計画書の例:令和4年度 移動等円滑化取組計画書(JAL)
障がい児と一緒に飛行機に乗る前の事前準備
飛行機に乗って移動するには、事前の手続きや医師の診断書の取得などの準備が必要です。「旅行したい日程に病院の診断書が間に合わない!」という事になってしまわないように、前々から余裕を持った手続きをしましょう。
1. 航空会社のホームページで情報を調べる
まずは、航空会社のホームページを見て必要な情報やサービスをリサーチ。
この時に大切なのは機内で子どもがどうやって座席に座るのか考えて航空会社を選ぶことです。航空会社によって機内での乗り方や受けられるサービスに違いがあります。チケットを予約する前に、子どもの障がいや医療的ケアに応じてどのような対応が可能かを確認し、安心して利用できる航空会社を選びましょう。



我が家の場合、今回は抱っこで飛行機に搭乗しましたが、もう少し大きくなると成長しているため長時間膝抱っこで飛行機に乗るのは難しいかな、と思っています。
今回利用したJALでは、状態固定用補助ベルトの貸し出しはありますが、カーシートのようなシートを貸し出しているのは見つけられませんでした。(問い合わせ等はしていません)ANAにはアシストシートの貸し出しがあるようなので、次回は別の航空会社の利用も検討しています。
今回利用したJALでは障がい児をはじめ、その他のサポートが必要な人向けに以下のようなサービスを提供しています。
障がい児と旅行にいく時に使えるJALのサービス
スペシャルアシスタンスサービス
スペシャルアシスタンスサービスは機内での必要なサポートを事前に登録できるサービスです。
名前や電話番号をはじめ、車いすの情報や機内食の要望などを登録しておくことで、必要なサポートが受けられるほか、飛行機を利用する際に毎回情報を共有する必要がありません。また、専用のカウンターでのチェックインなども利用できます。
登録には3週間程度かかるため、早めに登録を済ませておきましょう。インターネットから登録が可能です。
旅行会社経由の予約の際も、JALマイレージバンクのお得意様番号と必要なお手伝いや要望を旅行会社に伝えることで連携できるようになります。
▼スペシャルアシスタンスの登録窓口
https://www.jal.co.jp/jalpri/deals/card.html
プライオリティ・ゲストセンター
プライオリティ・ゲストセンターは体の不自由な人や病気やけがをしている人も安心・安全に飛行機を利用できるように設置されている相談窓口です。障がいや特性に対する相談はもちろん、医療的ケアに関する質問や移植手術等の医療的な必要性を目的とした渡航のコーディネートまで行ってくれます。



台風直撃のため急遽3日前に、行き先を沖縄に変更しました。
Webで予約できる席には、家族がまとまって座れる席がなかったのですが、プライオリティ・ゲストセンターに相談したところ、まとまった席を確保していただけました。
▼詳しくはJAL公式サイトの「ご利用可能なサポート」「事前申告が必要なサポート」を確認してみてください。
ご利用可能なサポート-JAPAN AIRLINE
https://www.jal.co.jp/jalpri/support/
事前申告が必要なサポート-JAPAN AIRLINE
https://www.jal.co.jp/jalpri/pre-application/
2.電話で気になることを問い合わせする
公開されている情報を確認した後、わからなかった部分や確認したい部分を、JALのプライオリティ・ゲストセンターへ電話質問しました。我が家の場合は以下のような内容を確認したので、質問や回答内容を参考にしてみてください。
飛行機搭乗の日までの流れは?
飛行機搭乗の日までにしなければいけない手続きや流れについて確認をしました。飛行機を予約後は
- 医師が発行する診断書
- 予約番号や車いすの情報を記載した「必要な手配について」
の2種類の書類をFAXもしくは郵送で送る事前申告が必要でした。「診断書」と「必要な手配について」はフォーマットがあるため、ダウンロードして記入。当日はスペシャルアシスタンスカウンターで搭乗手続きができます。
診断書等の事前申告書フォーマット-JAPAN AIRLINE
https://www.jal.co.jp/jalpri/common/pdf/pdf-medif_jal.pdf
医療的ケアに必要な機器(低圧持続吸引機)の使用に制限等あるか
今回申請したのは低圧持続吸引機ですが、使用に制限はありませんでした。ほかの機種や医療機器で申請して拒否される可能性があるのかは不明なため、搭乗前の準備として電話確認しましょう。
また、持ち込みには前に記載したように診断書と共に情報の事前申告が必要です。医療的ケアに必要な機器が持ち込み可能なことを確認後、書類の用意も忘れないようにしましょう。



持ち込みの制限ですが、電話問い合わせの際に、吸引機の詳細より、バッテリーの種類や容量を聞かれたため、吸引機というより、モバイルバッテリーの機内持ち込みについて規定があるように感じました。
持ち込んだ低圧持続吸引機
コンセント式(設置型)低圧持続吸引器
- 最大吸入量空気:最大毎分3,000cc
- 水:650cc(最大吸引圧力:-11kPa)
- 電源AC100V
- 消費電力4.5W (60Hz)/3.6W (50Hz)
座位がとれないがどうしたらいいか
けんちゃんの場合は身長・体重が抱っこで搭乗が可能な規定範囲であったため、確認した際に膝に抱っこで搭乗ができることがわかりました。ちなみに膝抱っこで座席を使わない場合でも、航空券は必要です。



事前電話で確認していたものの、飛行機に乗る際も行き帰り両方で膝抱っこについて確認されました。推奨でないケースもありそうなので、こちらは事前確認をしておいた方が良さそうでした。
空港で普段使っているバギーはどこまで乗れるか
空港で貸し出ししている車椅子では座位が保てないため、当日は普段使っているバギーでの移動を考えていました。搭乗前にどこまで乗っていけるのかを確認したところ、飛行機に乗る直前までは利用が可能でした。
また、飛行機を降りる時には手荷物受取所か飛行機を降りたところで受け取りが可能でした。
3.病院で診断書を書いてもらい、航空会社へFAX
主治医に記入いただいた「診断書」、親が記入した「必要な手配について」をFAXしたところ、担当者から提出した書類の認識合わせの電話があったので対応しました。
認識合わせは、医師記載の内容について読み合わせをしました。そのほかにも子ども用の車椅子バギーを降りる場所や乗る場所、飛行機の乗り方について聞かれました。


障がい児と一緒に飛行機に乗る方法【当日の流れ】
準備が終わったらあとは当日の搭乗です。当日は、飛行機に乗る際に手続きの時間やバギーを飛行機から降ろしてもらって受け取る時間などがあります。空港に到着後も予定を詰めすぎず、時間に余裕を持っておくのがおすすめです。
実際の当日の空港での手続きから、飛行機を降りるまでの手順も紹介します。
1. 空港に到着したら搭乗手続き
今回利用した空港は羽田空港です。到着したら、スペシャルアシスタンスカウンターにて手続きします。



時期的に夏休みに入っていることもあってか、待ち時間は15分ほどでした。
カウンターではチェックイン、荷物を預ける以外に、吸引機・バッテリーが事前申告したものとあっているかなどの確認を行います。この時、バギーを飛行機から降りたところで受け渡ししてほしいとリクエストしました。
搭乗手続きは合計で1時間程度かかったため、余裕をもっていくことをおすすめします。



ちなみに、羽田空港にはエレベータがあちこちにあったので、エレベーターを探して遠回りといったこともありませんでした。
2. 保安検査を受ける
搭乗前に保安検査を受けます。保安検査の際は優先レーンがあるので、待ちなしで通過できました。
保安検査は、子どもはバギーに乗ったままで通過でき、低圧持続吸引機も接続したままで大丈夫だったのでバタバタしなくてすみました。



バギーは金属製のためチェックでひっかかりますが、かるくボディーチェックをされて通過することができました
3. 飛行機に搭乗
飛行機の搭乗時間になったら、ターミナルから搭乗します。搭乗の際は優先案内をしてくれます。飛行機に乗るところまではバギーで行くことができました。



座席につくまでは抱っこしていましたが、吸引機のチューブが座席に引っかからないようにCAさんがチューブを持ってくれたり「荷物を持ちましょうか?」と声をかけてくれて親切でした
搭乗した時に他にも車いすの方がいましたが、その方は航空会社の車いすを使用しているようで、車いすのまま機内の席まで案内されていました。
4. 機内で過ごす
今回はエコノミークラスで旅行しました。離陸タイミングくらいから、座席についているAC電源も使用できるようになりました。



どの医療機器に使えるかどうかはわかりませんが、持ち込んだ低圧持続吸引機は稼働しました
機内では「大きい声ださないでねー」と念じながら抱っこしていました。そして身体の重みや反り返りで腕が痛くなるので、クッションが大活躍。向きをかえつつ、ひたすら抱っこして離陸まで過ごしていました。



今回は抱っこで搭乗したので、クッションは機内で過ごす際の抱っこの重みをやわらげてくれたり、反り返りの際にも支えになってくれて便利でした
飛行機から降りる
飛行機を降りるところでバギーを受け取りたいとオーダーしていたため、降りるのは一番最後でした。飛行機を出てすぐのところでバギーを渡していただけました。
飛行機旅行を楽しもう!
空港のスタッフの方や機内のCAさんもみなさん優しく接してくれました。手伝いを申し出ていただいたり、リクエストにも快く答えて頂けます。
飛行機での移動に関しても、実際に乗ってみて3時間の抱っこは少々疲れましたが、それ以外にストレスを感じるシーンはなかったと思います。
兄弟揃って沖縄に行って、海やプールにも入れたので満足な旅行になりました。飛行機での旅行は大変だな、と感じるかもしれませんが、ぜひ一度トライしてみてくださいね。













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