
介助をしていると腰が痛くなる…



子どもが成長したら、この先も介助を続けられるか不安
障がい児を育てる中で、このような悩みを抱えていませんか?子どもの成長に嬉しさを感じる反面、これからの介助のことを思うと不安になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、障がい児育児で腰痛が起こりやすい理由や腰痛を予防するための介助のコツ、腰痛になってしまった時の対処法について紹介します。
障がい児育児で腰痛が起こりやすい理由
障がい児育児では、日常生活のさまざまな場面で腰に負担がかかりやすいです。
前かがみ姿勢が多い
前かがみの姿勢は腰への負担が大きく、長時間続くことで筋肉が疲労し、腰痛につながります。
たとえばオムツ交換や着替え、吸引など、日常のケアで何度も前かがみになる場面があり、腰に負担がかかりやすいのです。
子どもを抱え上げる機会が多い
障がい児の育児では、子どもを抱きかかえる機会が多くあります。ベッドから車椅子への移動やトイレ・入浴介助など、日常生活のさまざまな場面で子どもを抱え上げる必要があります。
また、障がいの特性によって身体に力が入りやすい子もいれば、反対に力が入りづらい子もいます。身体が突っ張って持ち上げにくかったり、全身の力が抜けて支えにくかったりすると、介助者の腰への負担もより大きくなるのです。
子どもの成長による負担の増大
小さいうちは軽々と抱きかかえられていた子どもも、成長とともに体重が増え、介助による身体への負担は大きくなっていきます。
一方で、介助をする保護者は年齢を重ねるにつれて筋力や体力が低下していきます。そのため、以前と同じ介助方法では腰への負担が大きくなり、腰痛につながることも少なくありません。
腰痛を予防する方法
腰痛を予防するためには、介助方法や介助環境を見直し、身体への負担を減らすことが大切です。ここでは、今日から実践できる腰痛予防のポイントを紹介します。
身体の使い方を工夫する
腰痛予防で最も大切なのが、介助時の身体の使い方です。身体の使い方を少し工夫するだけでも、腰への負担を減らし、少ない力で安全に介助しやすくなります。
1.足を肩幅程度に開いて身体を安定させる
足を肩幅程度に開いて立つと身体が安定し、腰だけに負担が集中しにくくなります。
逆に、足をそろえたまま介助すると身体が不安定になり、腰だけで支えようとしてしまいます。足を肩幅程度に開き、重心を安定させることで、少ない力で介助しやすくなるのです。
2.子どもをできるだけ身体に近づけて介助する


介護者と子どもとの重心が離れるほど、てこの原理で腰への負担は大きくなります。
布団やベッドから抱き上げる時やバギーへの乗り降りの際には、できるだけ子どもを自分の身体に引き寄せ、お互いの重心を近づけてから介助すると、少ない力で支えられます。



ベッドから抱きかかえるときにはいきなり持ち上げようとするのではなく、子どもを自分の方に一度引き寄せると良いですよ。
3.大きな筋肉を使うことを意識する


腕や腰だけで介助しようとするのではなく、太ももやお尻などの大きな筋肉を使うことで、腰への負担を分散できます。



車椅子・バギーから抱きかかえる時は、膝を曲げて腰を落とし、足を伸ばす力を使ってグッと持ち上げるようにすると介助しやすいです。
4.身体をひねらずに足ごと向きを変える
腰をひねりながら抱き上げたり移動したりすると、腰への負担が大きくなります。方向を変える時は、足ごと向きを変えるようにしましょう。



吸引やオムツ交換などのケアでも、身体をひねる姿勢が続くと腰への負担が大きくなります。「横の棚から物を取る」「手を伸ばす」など、知らずしらずのうちに身体をひねっていることは多いです。必要な物品はあらかじめ手の届く位置に準備しておくことも、負担少なくケアをするコツです。
介助しやすい環境を整える
介助の方法だけでなく、介助する環境を整えることも腰痛予防につながります。
福祉用具を取り入れる
電動ベッドやシャワーチェアなどの福祉用具を活用することで、介助者の身体への負担を軽減できます。子どもの成長に伴って介助が難しくなってきた場合は、リフトなどの導入を検討することも選択肢の一つです。
「まだ大丈夫」と無理を続けるのではなく、早めに福祉用具を取り入れることで、長く介助を続けやすくなります。
また、ベッド上で体の向き変えをする機会が多い場合は、介助グローブを活用するのもおすすめです。介助グローブとは手にはめて使用し、身体とシーツの間の摩擦を減らす道具です。少ない力で身体を動かせるため、介助者の腰への負担軽減につながります。



介助を楽にするだけでなく、子どもの皮膚への負担を減らすこともできます。
▼福祉用具については以下の記事で詳しく解説しています


福祉サービスを利用する
介助を一人で抱え込まないことも大切です。居宅介護や訪問入浴、短期入所(ショートステイ)などの福祉サービスを利用することで、介助の負担を軽減できます。
介助者自身が健康でいることも、子どもの生活を支えるために欠かせません。
筋力や体力を維持する
子どもの成長に備えるためにも、日頃から筋力や体力を維持することは大切です。
自宅でできる筋力トレーニングやウォーキングなどを無理のない範囲で続けることで、将来の介助もしやすくなります。健康維持にもつながるため、生活の中に少しずつ取り入れてみるといいでしょう。
腰痛になった時の対処法
日々の介助を続けていると、どれだけ気をつけていても腰痛になってしまうことはあります。ここからは腰痛になってしまった時の対処法を解説します。
ストレッチをする
腰やお尻、太ももの筋肉をゆっくり伸ばすことで、筋肉の緊張が和らぎ、痛みの軽減につながることがあります。痛みが強い場合は無理をせず、気持ちよく伸ばせる範囲で行いましょう。
コルセットを活用する
コルセットを着用すると、腰への負担を軽減して動きやすくなることがあります。
ただし、長期間つけ続けると体幹の筋力が低下する原因にもなります。介助時の補助や症状が強い時期の対処として使用し、痛みが落ち着いたら外していくようにしましょう。
日常生活の動作を工夫する
腰痛がある時は、日常生活でも腰に負担がかかる動作をできるだけ避けましょう。具体的には「腰を曲げない・ひねらない・膝を使う」の3つを守ることが重要です。
たとえば、ズボンや靴下は椅子に座って履く、床のものはしゃがんで拾うなど小さな工夫でも腰への負担を軽減できます。



マジックハンドを使うのも良いですね!
医療機関を受診する
腰痛が続く場合、強い痛みで介助だけでなく日常生活に支障が出ている場合は、無理をせず整形外科などの医療機関を受診しましょう。
「自分が我慢すればいい」と無理を続けると、腰痛が悪化して介助が続けられなくなることもあります。自分の身体を守ることも、子どもの生活を支えるために大切なことです。
自分の身体と上手に付き合いながら介助を続けよう
障がい児育児では、介助時の身体の使い方を工夫したり、福祉用具やサービスを活用したりすることで身体の負担を軽減できます。また、腰痛を我慢せず、必要に応じて医療機関を受診することも大切です。
子どものケアを続けるためには、介助者自身の身体のケアもかかせません。無理を重ねず、自分の身体とも上手に付き合いながら、長く続けられる介助の方法を取り入れていきましょう。

















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