
診断名がついてしまったら、この子はずっとそのレッテルを貼られて生きていくの?



将来の就職や保険に影響が出たりしないだろうか…
子どもに発達障害の特性があると感じていても「診断を受けるべきか」の判断はとても難しいものです。支援につながる一方、将来への影響が気になって踏み出せない保護者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、発達障害の診断を受けるメリットとデメリットを、将来の年金制度にかかわる情報も含めてわかりやすく解説します。「どうすればわが子にとって一番いい選択ができるのか」と悩んでいる方は、ぜひお読みください。
発達障害の診断は受けるべき?
前提として、診断を受けるのがすべての子どもにとってベストとは限りません。日常生活の工夫や家庭・学校でのサポートで対応する選択をしている家庭も多くあります。
また、特性はあるけれど診断基準を満たさない「グレーゾーン」の子どもは、そもそも診断がつかない場合もあります。
もし診断を受けない選択をしたとしても、保護者が子どもの特性を理解し、環境を整えていくことは十分に可能です。
発達障害の診断を受けるかどうか、自分たちにとって最善の選択をするためには、しっかり情報を持ったうえで決めることが大切です。診断を受けることのメリットとデメリットを知ることで、判断材料を見つけられます。
発達障害の診断を受けるメリット
発達障害の診断を受けると、以下のように、子どもと保護者どちらにとっても毎日が過ごしやすくなる場合があります。
育児の安心材料になる
「この子はどうしてこんなに苦手なことが多いんだろう」「私の育て方が悪いのかな」と自分を責めてきた保護者の方にとって、診断は子どもの特性を正確に理解するための大きなきっかけになります。
「育て方のせいではなかった」と気持ちが楽になったり、子どもへのかかわり方に自信が持てるようになったりする方も多くいます。
さらに、診断名があると、配偶者や祖父母など家族への説明がしやすくなるという側面もあります。「気のせい」「育て方の問題」と周囲から言われてきた保護者が、診断を機に家族の理解を得られ、孤独から抜け出せたと感じるケースも少なくありません。



自閉スペクトラム症の娘と暮らす筆者の場合「なぜこの子はこれが難しいのか」の理由がわかることで、叱ったり急かしたりする場面が減り、親子関係がおだやかになりました
支援やサービスを利用しやすくなる
診断を受けると、以下のような支援やサービスを活用しやすいのも利点です。
| サポートの種類 | 内容 |
| 通級指導・特別支援学級の利用 | 学習面やコミュニケーション面の専門的なサポート |
| 放課後等デイサービスなどの療育 | 療育を受けながら放課後を過ごせる場の利用 |
| 障害者手帳の取得(希望する場合) | 就労支援や各種給付制度の活用 |
上記のサービスは、子どもの「できない」を補うだけではなく「できる」を少しずつ増やしていくための土台になります。使えるサポートを早めに知っておくと、いざというときの選択肢が広がります。
合理的配慮を受けやすくなる
診断がなくても、特性に気づいている保護者が学校に配慮をお願いするのは可能です。ただし、診断書があると学校側もより動きやすくなります。
子どもが「なんでうまくいかないんだろう」と自信を失い続けるより、特性に合ったサポートを早めに受けると、できることが少しずつ増えていきます。



そのための第一歩が、診断というひとつの選択肢です
発達障害の診断を受けることのデメリットはある?
発達障害の診断を受けるとサポートを得やすくなる一方、デメリットとなりうる注意点もあります。
必要以上の配慮を受けてしまう場合がある
発達障害の診断名がつくと、学校の先生や親戚など周囲のかかわり方に変化が生じるケースがあります。たとえ善意からでも、必要以上に心配されたり先回りしてサポートされすぎるなど、子どもにとって必ずしもプラスに働くとは限らない場面もあるかもしれません。
その場合は必要なサポートの範囲を保護者から具体的に伝えるのがおすすめです。
保険加入が難しくなる場合がある
生命保険や医療保険への加入時に、発達障害の診断歴が審査に影響する場合があります。加入を断られたり、条件が制限されたりするケースもゼロではありません。
ただし、すべての保険に入れないわけではありません。気になる場合は、診断を受ける前に加入を検討しておくか、発達障害のある方の加入実績がある保険会社を検討するとよいでしょう。
就職・進学に影響することがある
成長した後、就職活動の際に診断歴をどう扱うかを本人が判断する場面が出てきます。障がいや特性を企業に伝えて働くか(オープン就労)、伝えずに働くか(クローズド就労)、本人の意思と状況に合わせた選択が必要です。
一方で、診断があることで障害者雇用という選択肢が加わり、自分に合った働き方を探しやすくなる面もあります。就労移行支援などのサービスを活用しながら、成長とともに本人が自分のペースで考えていける環境を少しずつ整えておくのが大切です。
将来の障害厚生年金に影響する可能性がある
障害年金は「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類です。どちらが対象になるかは「初診日」に何の年金に加入していたかによって決まります。初診日が20歳前(就労前の時期)にある場合は、その障害について対象となるのは原則として障害基礎年金です。
ここで知っておきたいのが、障害基礎年金と障害厚生年金では対象となる障害の等級に違いがある点です。
| 障害基礎年金 | 障害厚生年金 | |
| 等級 | 1級・2級 | 1級・2級・3級 |
| 所得制限 | 本人所得による制限あり | 原則無し |
障害厚生年金には3級がありますが、障害基礎年金にはありません。
3級とは、日常生活は自力で送れるものの、仕事や労働に一定の制限があったり職場での配慮が必要だったりする状態です。発達障害の場合、この3級相当に該当するケースも少なくありません。
そのため、将来仕事に一定の制限や配慮が必要な状態であっても、障害基礎年金では対象にならない場合があります。 障害厚生年金であれば受給できたはずの方が、初診日のタイミングによって対象外になってしまうケースがある、これがこの制度の大きなポイントです。



この情報は「知らずに損した」とならないように把握しておくための知識として受け取っていただければと思います。実際に、障害年金を受給しながら働いている方も多くいらっしゃいます
「発達障害の診断を受けるべき?」と迷ったときの相談先
診断のメリット・デメリットを知り、かえって不安や迷いが強くなった方もいるかもしれません。
もしも診断を受けるかどうかの判断に迷った場合、一人で抱え込まず、以下の場所で専門家と一緒に子どもの状態を整理してみるのもおすすめです。
- かかりつけの小児科医
- 児童発達支援センター
- 市区町村の子育て相談窓口
- 学校のスクールカウンセラー
大切なのは「いまこの子に何が必要か」を起点に考えることです。わからないことは、受診を検討する段階で相談窓口に率直に聞いてみましょう。
子どもの人生を長い目で見て、受診を考えてみよう
発達障害の診断を受けるかどうかは、子どもの状況や家族の事情に合わせて判断していくのが大切です。
迷ったときには、まずは専門家への相談から始めることで、判断の軸が少しずつ見えてくるはずです。
「診断を受けると決めたけど、病院にはどう伝えればいいんだろう」「受けないと決めたけど、学校にはどう説明すればいいの?」と感じたら、ファミケアの公式SNSやアプリでそっと吐き出してね。
【参照】
障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html
障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-02.html

















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