
発達がゆっくりなので療育を受けたい。でも、通所受給者証を取得すると将来に影響が出たり、なにかデメリットがあるの?
受給者証があることで、子どもの発達を支える療育を受けられるようになるのは大きなメリットです。
とはいえ



将来に影響があるのでは…
と、不安になる方もいるかもしれません。
この記事では、通所受給者証の取得に関するメリットやデメリット、よくある疑問について解説し、不安を少しでも軽くできるようお伝えします。
▼通所受給者証についての詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。


通所受給者証を取得するとデメリットはある?
通所受給者証を取得するにあたって、気になるデメリットや疑問点をまとめました。
手続きに手間がかかる
通所受給者証を取得するには、申請書の記入に加え、障害者手帳や医師の診断書・意見書などの必要書類を揃える必要があります。
グレーゾーンの場合は、医師や専門家が子どもの状況を時間をかけて慎重に見極めるため、すぐに診断書や意見書を書いてもらえないこともあるようです。
また、申請から受給者証の発行までには1か月程度かかることが多く、手続きには時間と手間がかかります。
さらに、取得後も毎年の更新手続きが必要です。とくにセルフプランの場合は、保護者自身が「利用計画案」を作成する必要があり、負担に感じることもあるでしょう。



書類の記入は少し面倒でしたが、年に一度のことですし、療育を受けられるメリットの方が大きいので、それほど負担には感じませんでした。
▼通所受給者証の申請、更新についてはこちらの記事で解説しています




心理的に負担を感じる場合がある
通所受給者証を取得しても、「障がいがある」と正式に認定されたことにはなりません。
受給者証には「障害児通所受給者証」と記載されているため、「障害」という言葉を目にして不安を感じることもあるかもしれませんが、公的に障がい児・者と認められるのは、障害者手帳を取得した場合です。
また、受給者証は療育の利用をする時以外には、特に提示を求められることはありませんので、周囲に受給者証を持っていることを知られたり、話したりする必要もありません。
▼通所受給者証と療育手帳の違いについて解説する記事はこちら





受給者証の「障害」の文字を見たときは心が痛みましたが、療育を受けながら我が子を理解していくうちに、あまり気にならなくなりました。
進学や就職に影響はある?
療育に通っていたことについては、将来の進学先や就職先に申告する義務はありません。そのため、大人になってから影響が出ることはほとんどないといえます。
ただし、場合によっては、保育園や幼稚園への入園時に、通所開始時期、通所先での様子などの情報を求められるケースがあります。
そのため、入園手続きの際に情報共有することが増え、負担に感じることもあるかもしれません。
保険に加入できなくなる?
通所受給者証を取得しているだけで保険に加入できなくなることは、基本的にありません。
ただし、多くの保険には告知義務があり、過去の通院歴や診断名、服薬の有無などについて申告が必要です。通所受給者証は病気の有無にかかわらず、療育の必要性があれば取得できるため、必ずしも診断名がついているとは限りません。
最終的な加入の可否は保険会社の判断によりますので、心配な場合は、保険代理店やファイナンシャルプランナーに相談してみると安心です。
通所受給者証を取得するメリットは?
次に、通所受給者証の主なメリットをご紹介します。
療育を受けることができる
発達を支えるプログラムに通えるようになり、子どもに合った支援を受けることができます。



療育を受けることで、私も子どもとの関わり方を学べました。また、自宅で子どもと二人きりの時間がつらかった私にとって、療育は外出の機会になり、良い気分転換になったので通ってよかったです。
▼療育の目的や指導内容について知りたい方はこちらの記事をご覧ください


専門職によるサポートが受けられる
児童指導員や保育士などの専門職からのサポートを受けることができます。
また、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などのリハビリスタッフが配置されている施設では、より専門的なアドバイスを受けることができます。
発達の相談ができ、親の心の負担が軽くなる
気になる行動や発達について話せる場があることで、「ひとりで抱え込まなくていいんだ」と感じられるようになります。
また、療育では、同じような悩みを持つ保護者と出会うことができ、情報交換がしやすくなります。その結果、孤独感がやわらぎ、心が軽くなることもあります。
療育の自己負担が軽減される
通所受給者証を取得すると、「障害児通所給付費」の対象となり、療育にかかる費用の自己負担が軽減されます。
※自己負担額は、世帯の所得に応じて異なります。
▼療育にかかる費用についてはこちらの記事で解説しています


交通費の助成を受けられる場合がある
療育に通うための交通費について、助成制度がある自治体もあります。詳細はお住まいの自治体に確認してみましょう。
一部のレジャー施設で割引が受けられる場合がある
通所受給者証を持っていると、ディズニーランドやキッザニアなどの施設で割引を受けられることがあります。障害者手帳に比べると対象は少ないですが、使える場面ではぜひ活用しましょう。
▼通所受給者証で利用できる割引についてはこちらの記事をチェック!


通所受給者証を取得するかどうか迷ったら?



やっぱり通所受給者証の取得に迷っている…
通所受給者証は療育に通うために取得が必要な証明書です。通所受給者証の取得に迷う場合は、まず療育の必要性があるか、療育に通わせたいかどうかの検討が必要です。
療育に通わせるか迷う際には、以下の方法を参考にしてみてください。
自治体や専門家に相談する
通所受給者証を取得するかどうか迷ったときは、自治体の相談窓口や児童精神科の医師など、専門家の意見を聞いてみるのがおすすめです。
我が子の発達について一般的な成長の範囲なのか、それとも特性なのかは、保護者だけでは判断が難しいこともあります。専門家のアドバイスがあれば、自分も家族も納得して療育に踏み出しやすくなるでしょう。
児童発達支援事業所を見学してみる
通所受給者証を持っていなくても、児童発達支援事業所の見学は可能です。
中には、お試し体験ができる事業所もあります。子どもと一緒に見学に行き、子どもの反応を見てみるのもよい判断材料になります。
また、見学時には空き状況や開始時期、必要な手続きについて事業所のスタッフに確認しておくと、今後の流れがスムーズになります。



お試し体験で楽しそうに取り組む我が子の様子を見て、児童発達支援事業所に通うことを決めました。
通所受給者証の取得はデメリットよりメリットの方が大きい
通所受給者証は、取得した後も毎年の更新の手続きに手間がかかります。また、保育園や幼稚園への入園時には、療育での様子の情報共有が必要になることもあります。
確かに時間や労力はかかりますが、就学後や将来に不利益となるような大きなデメリットはほとんどありません。
むしろ、療育を受けることで苦手なことへのサポートが早くから始められ、将来的な困りごとを減らすことにもつながります。
迷ったときは、専門家に相談して、客観的な視点で子どもの成長を見てもらうのがおすすめです。
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