今ベビーカーを使用している障がい児のママ・パパの中には、大きくなっていく子どもを見て
いつまでベビーカーを使えるかな?
まわりにはバギーにする子もいるけど、うちの子はいつからバギーにするのがいいかな?
とバギーの購入を考え始めた方もいるかもしれません。
そこで今回はベビーカーから障がい児バギーへの移行を考えている方向けに、バギーとは何かやベビーカーとバギーの違い、購入のタイミングやバギーを買う時の費用などについて解説します。
障がい児用バギーとは
障がい児用バギーは、肢体不自由児や体幹が弱い子どもが移動する時に使う福祉機器です。
成長して身体が大きくなっても対応できるサイズ展開があり、座ることが難しい子どもでも姿勢を保てるような工夫がされています。
障がい児用バギーの工夫
- 姿勢保持ができるようクッションやヘッドレストが配置されている
- ベルトが複数ついていて子どもの姿勢を固定でき安全に移動可能
- リクライニングやティルトなどの姿勢変換機能がある
障がい児用バギーといっても様々な種類の商品があり、それぞれに特徴が違います。またバギーはひとつひとつオーダーで作るため、子どもの身体の状態や家族の生活環境に合ったものを作ることが可能です。
また、日除けやレインカバーなど、日常使いのための利便性にすぐれた機能も搭載可能です。障がいや疾患によっては医療的ケアが必要なこどももいるため、医療的ケアにも対応した注入棒や人工呼吸器搭載台といったオプションが用意されているバギーもあります。
外出時にさまざまな配慮が必要な障がい児や医療的ケア児にとっては嬉しい工夫ですね。
障がい児用バギーとベビーカーの違い
障がい児用バギーは見た目はベビーカーに似ているものが多いですが、違う点も多くあります。一番の違いは前述のように、しっかり座れない子どもでも姿勢保持できる機能があることです。
さらに子どもの成長に合わせて座面の奥行や足台の高さ、背もたれなどが調節できる上、体重が重くなっても使えるよう頑丈なつくりになっているため、ベビーカーよりも長く使用できます。
筆者の娘は2歳半頃にバギーを作りましたが、今は足台は一番高く、ヘッドレストの位置は一番低く、といった具合に調整しています。今後、成長に合わせて数年先まで使える想定です。
ただし、作りがしっかりしている分、ベビーカーに比べると重量感があり持ち運びは大変、というデメリットもあります。商品によっては折り畳みの方法が複雑なものや折り畳んでもあまり小さくならないものもあります。
子どもの状態や生活スタイルによっては持ち運び・折り畳みがしやすいベビーカーのほうが便利、という場合もあるので、どのような場面で使用するのかも考えながら購入を検討しましょう。
障がい児用バギーを使い始めるタイミングは?
障がい児用バギーを使い始めるタイミングは、個々の状況や必要性によって異なりますが、よくあるのは今使っているベビーカーでは生活が不便になってきた時です。
- 今使っているベビーカーの耐荷重に子どもの体重が近づいてきた
- 体幹が弱くベビーカーでは子どもが安定して座れない、パパ・ママが安全に連れて歩けない
- 医療的ケアがあり市販のベビーカーでは医療機器が収納しきれない
上記のような場合に、最終的に医師が必要性を判断して使用し始めることになります。
筆者の娘は2歳前に障がいを負ったので、身体の大きさとしてはベビーカーでも問題ありませんでした。しかし、体幹が弱いためベビーカーでは真っすぐ座っていることが出来ず、外出が困難に…。バギーに変えてから姿勢保持がしっかりできるようになり、首座りがままならなくても座ることが出来て本当に助かりました。
障がい児用バギーはどこで買える?
障がい児用バギーは基本的に市販されていないため、福祉用具取扱店などに作成を依頼して購入します。
その際に医師の診断書や処方箋が必要になるため、検討を始めたらまずは医師や理学療法士に相談しましょう。
また、作成には数ヶ月かかることもあります。バギーを考え始めたらなるべく早めに動き出せると安心です。ベビーカーのサイズアウトが近い場合には特に注意してくださいね。
障がい児用バギーの費用
障がい児用バギーを検討する時に気になる費用についても簡単にご説明します。
障がい児用バギーはオーダーメイドのため、多くの場合数十万円する非常に高額なものです。ただ、自治体から補助金が出るため、自己負担額は大きく下がります。「補装具費支給制度」という補助金を使うことによって、原則として自己負担額1割、ひと月の負担上限月額が37,200円になります。
37,200円はひと月の上限なので、同じ月に座位保持椅子やカーシートなど複数の福祉機器を購入する方も多いです。
障がい児用バギー作成を考え始めたら医師や理学療法士に相談を
障がい児用バギーは安定して座ることができない子どもが移動する時に使う福祉機器です。その子に合わせて作成するため、安定して座ることができます。ベビーカーや市販のバギーでは姿勢の保持や移動そのものに困難が生じてきたら、障がい児用バギーを検討しましょう。
バギーは数十万円する高額なものですが、補装具費支給制度を使えば自己負担額は大きく抑えることができます。購入のタイミングを迷った時には、今の子どもの状態や移動する際の様子などを主治医や理学療法士に相談すると適切なアドバイスがもらえます。
障がい児用バギーは必要か?いつから使い始めるのがいいか?など、まずはかかりつけの医師や理学療法士などに相談してみてくださいね。
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