新しい担任の先生に、どこまで・どのように伝えればわかってもらえるのだろう



伝え方を間違えて関係がこじれたらどうしよう
新学期のたびに担任が替わり、子どもの特性をゼロから伝え直す消耗感は、多くの保護者が感じていることです。前の担任とようやく築けた関係が、また一からやり直しになるつらさもありますよね。
この記事では、発達障害の子どもと担任が合わないときに保護者ができる具体的な対処法について、自閉スペクトラム症の娘と暮らす筆者の経験談とともに解説します。
「担任との関係をうまく築くための方法が知りたい」と悩んでいる方は、ぜひお読みください。
そもそも「担任と合わない」と感じるのはなぜ?
発達障害(ASD・ADHD・グレーゾーンを含む)のある子どもは、特性が見えにくいぶん、担任が「この子はこういう子だ」と正しく理解するまでに時間がかかります。その間に、子どもが傷つく場面が増えたり、登校しぶりが出てきたりすることも少なくありません。
新しい担任の対応に悪気がないことは理解していても、子どもと合わない場面を見るたびに不安が募るのは、自然なことです。
また、担任も人それぞれで、発達障害への理解や支援の経験には差があります。支援級の担任であっても、必ずしも特別支援のプロというわけではないのが現実です。
しかし「合わない」と感じる背景には、担任個人の問題というよりも、情報不足によるすれ違いが根本にあるのがほとんどです。だからこそ、保護者からの働きかけは関係改善の大きなカギになります。
担任との関係を築く4つの対処法
担任との関係がかみ合わないと感じた際「何か言ったらモンスターペアレントだと思われるのでは」と、動けなくなってしまう保護者の方は多いものです。しかし、子どものために声を上げるのは、決して過剰な要求ではありません。
ここでは、担任と誠実に関係を築いていくための具体的な方法を4つご紹介します
1. 担任と直接コミュニケーションを取る
担任との関係づくりで最も大切なのは、子どもの特性を「具体的な場面」と「対応方法」をセットで伝えることです。
たとえば「集団行動が苦手です」「こだわりが強いです」という伝え方では、担任がどう対応すればいいのかイメージしにくいことがあります。代わりに、学校生活の具体的な場面に落とし込んで伝えるのがポイントです。
✕「音に敏感です」
○「体育館の全校集会のような大きな音が苦手で、耳をふさぐことがあります。イヤーマフの使用を許可いただけると助かります」
困りごとと一緒に「こうしてもらうと落ち着く」という対応方法もセットで伝えると、担任も動きやすくなります。前の担任との間で積み上げてきた工夫は、新しい先生にとっても貴重な情報です。



子どもの困りごとのみを伝えると、担任のなかで「大変な子」という印象だけが先行してしまう場合があります。そのため筆者は、苦手なことと同時に、好きなことや得意なことも必ず添えるようにしました。
たとえば「電車の名前なら何でも知っています」「絵を描いている時間はとても落ち着いています」といった情報は、担任がその子に親しみや関心を持つきっかけになります
なお、毎年同じことをゼロから話し直す消耗感を軽減するために、子どもの特性や療育状況、パニック時の対処法などをまとめた「サポートブック」を作成するのもおすすめです。
面談の限られた時間で口頭のみで全てを伝えるのは難しいため、あらかじめサポートブックを準備しておくと、伝え漏れを防いで担任の理解も深まりやすくなります。
▼サポートブックの作り方についてはこちらの記事で解説しています


2. 担任以外の先生やスクールカウンセラーにも相談する
担任との関係がなかなかうまくいかないと感じた場合は、担任ひとりに伝えることにこだわらず、学校内の以下の窓口も活用してみましょう。
- 養護教諭(保健室の先生)
- 特別支援コーディネーター
- スクールカウンセラー:
- 学年主任・管理職(教頭・校長)
担任一人との関係だけではなく、学校全体のチームで子どもを支える体制をつくることで解決の糸口が見えてくることもあります。



子ども自身に「担任の先生以外にも話せる大人が学校にいるんだよ」と伝えておくと、子どもが一人で抱え込まずに済む安心感につながります
3.医療機関に相談する
担任との関係がうまくいかない影響で子どもの様子に変化が出てきたと感じたら、主治医や発達外来に相談するのも大切な選択肢のひとつです。子どもは学校での緊張やストレスを言葉でうまく表現できないことも多く、以下のようなかたちで出てくる場合があります。
- 腹痛や頭痛などの身体症状
- 癇癪や問題行動の増加
- 夜眠れない など
このサインを見逃さないためにも、定期的に医療機関で子どもの状態を確認しておくのが重要です。
また、医師から学校に向けた診断書や意見書を発行してもらうと、担任や学校側が子どもの特性や取るべき対処をより客観的に理解しやすくなります。
「保護者が言っている」ではなく「専門家が必要だと判断している」という形になるため、合理的配慮の申請においても説得力が増します。
4.保育所等訪問支援を使う
「保育所等訪問支援」は、支援員が実際に学校を訪問し、子どもの様子を観察しながら担任や学校スタッフに直接アドバイスをする福祉サービスのひとつです。
保護者が間に入って言葉で伝えるよりも、専門家が現場で直接関わることで、担任が子どもの特性をより具体的に理解しやすくなるメリットがあります。「どう伝えても担任にわかってもらえない」と感じているときに、特に有効な手段です。
利用には受給者証が必要ですので、まずはお住まいの自治体や療育機関に相談してみてください。
▼保育所等訪問支援について詳しくはこちらで解説しています
https://famicare.jp/2026/03/16/nursery-school-visit-support/
担任と合わないと感じる子どもに保護者が心がけたいこと
担任との関係に悩むなかで、最もつらいのは子ども自身です。
「なんで自分はうまくできないんだろう」と感じている子どもの話をよく聞いて寄り添うのが、まずは保護者にできる一番の支えになります。そのうえで「合わない=かかわらない」ではなく「合わないと感じる人とどのようにコミュニケーションを取っていくか」を教えていけるとよいでしょう。
また、担任へは「要求する」より「一緒に考える」スタンスが大切です。「〇〇してください」より「〇〇に困っているのですが、どうしたらいいでしょう?」という相談の形で話すと、担任も受け取りやすくなります。
連絡帳や面談のたびに小さな感謝を添えるだけでも、担任との関係は少しずつ温かくなっていくものです。
担任も、初めて受け持つ子のことは手探りです。保護者と担任がお互いを知ることができれば、子どもにとっての安心な環境が少しずつ整っていきます。



筆者の娘が担任との関係がうまくいかなかった時期、療育や放課後等デイサービス、好きな習い事の場で娘が「自分はできる」と感じられそうな経験を意識的に積み重ねるようにしていました。学校がすべてではないと思えると、娘も私自身も少し楽になれました
「担任と合わない」と感じたら一人で抱え込まないで
担任と合わないと感じても、伝え方を少し変えるだけで関係が動き出す場合があります。サポートブックや合理的配慮の仕組みを少しずつ整えていくと、担任が替わっても引き継がれる土台ができていきます。
また、担任ひとりに伝えることにこだわらず学校の内外を含めた「チーム」との関係性も作っていくと、保護者自身の心の余裕にもつながります。
この記事を参考に、今日できることから一歩ずつ始めてみてください。



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