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医療的ケア児が利用できるサービスとは?家族の負担を軽減できる支援や活用するメリットをご紹介

医療的ケア児が利用できるサービスとは?家族の負担を軽減できる支援や活用するメリットをご紹介
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医療的ケア児が使えるサービスが知りたい

医療従事者の力を借りながら子育てがしたい

そう悩みながら、この記事を読まれている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、医療的ケアが恒常的に必要な子ども「医療的ケア児」と暮らすご家族の負担軽減につながるサービスや活用するメリットなどをお伝えします。少しでも多くの方に、医療的ケア児などに対する支援を知っていただけると幸いです。

目次

医療技術の発展で増加する医療的ケア児

医療的ケア児とは、毎日の生活で医療的ケアが必要な子どもです。具体的には、人工呼吸器をつけている子や、胃の穴から管を通して栄養を取る経管栄養の必要な子どもなどが当てはまります。

厚生労働省から発表されている資料によると、このような医療的ケアが日常的に欠かせない18歳未満の子どもは、全国で約2万人いると推計されています。2021年9月には、医療的ケア児とその家族を支援するための法律「医療的ケア児支援法」が施行され、医療だけでなく生活面での支援が規定されるようになりました。

医療の進歩によって重症の子どもが長期入院後も在宅生活できるようになった一方で、常に専門的な医療的ケアが必要となるため、きめ細かい支援が重要視されています。

【参照】

医療的ケア児について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000981371.pdf

統計トピックスNo.128 我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで|総務省統計局https://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi1281.html


医療的ケアの負担軽減に繋がるサービス

子どもの様子が気になるけど、24時間365日ケアするのはとても大変…

そんな方に知っていただきたいのが、医療的ケア児を育てるうえで負担の軽減につながる次のようなサービスです。

日中一時支援

医療的ケアが必要な子どもを一時的に預けられるサービスです。利用できる時間は施設によって異なりますが、朝から夕方までのところが多く、事業所によっては18時以降も預けられるところもあります。

専門のスタッフが医学的管理下でケアを提供するため、ご家族が安心して外出や家事ができたり、ゆっくりと休息を取れたりするのが魅力です。活動の多い施設では、子どもが自宅以外の環境で活動して新しい経験を積めるのもメリットといえます。

また、ご家族のケガや病気、出産などの入院、あるいは入院の付き添いや看護など、突発的な用事の際に頼りになるのが「緊急一時預かり支援」です。自分自身の健康管理や同居する他のご家族のお世話と、子どものケアとが両立しやすくなるため、プレッシャーやストレスを軽減できます。

訪問看護

医療的ケアに精通した看護師が自宅を訪問し、医療的ケア児へ専門的なケアを提供するサービスです。バイタルチェックや排泄管理をはじめ、吸引、経管栄養、呼吸管理、リハビリなど、高度な技術を要する処置を安全に行います。

ご家族の不安や疑問にも丁寧に答えてくれるため、的確なアドバイスを得やすいのもメリット。緊急時の対応や褥瘡の予防方法を学べるほか、子どもの健康管理や見守りも任せられるので、突発的な体調変化への不安が軽減されて心にゆとりが生まれます。

▼訪問看護についての詳細はこちらの記事で紹介しています

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居宅介護

障害支援区分1以上に相当する子どもの自宅へホームヘルパーなどが訪問し、食事や排泄、通院などを支援するサービスです。

特に入浴介助は、医療用の機器やスキンケア、吸引、ガーゼ交換などが必要なため、居宅介護の手厚い支援が欠かせません。医療的ケアと並行して日常的な介護も提供するため、ご家族の身体的負担が軽減されます。

医療型児童発達支援

肢体不自由があり医学的管理下での支援が必要な子どもを対象に、医療と療育を一体的に提供するサービスです。適切な治療と、日常生活を送るうえでの基本的動作の指導など発達支援が同時に受けられます。発達段階に合わせて専門家が支援するため、子どもの可能性を最大限に引き出しやすいのが魅力です。

ご家族への相談支援や助言も充実しており、育児の悩みや将来への不安を軽減できます。また、同じ立場の家族との交流の機会もあり、孤独感の解消にもつながります。

ライターMizuki

肢体に障がいのある子どもでも、福祉型の児童発達支援が受けられます。しかし、その場合は治療が受けられる施設へも通う必要があるため、医療と療育を同じ施設で受けられる医療型児童発達支援は便利です。

▼児童発達支援の利用の流れはこちら

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放課後等デイサービス

6〜18歳の就学中の子どもが、放課後や長期休暇中に利用できるサービスです。生活能力向上の訓練などを支援していますが、医療的ケアに対応した施設もあり、安全な環境で過ごせます。

学校以外での交流は子どもにとって刺激になり、新しい一面を発見できるかもしれません。ご家族にとっては、仕事との両立や兄弟の世話など、生活リズムを整える助けになります。

医療型障害児入所施設

医学的管理下での支援が必要な子どもが入所できる施設です。医師や看護師などの専門スタッフが、24時間体制で治療や看護、介護にあたります。また、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などリハビリ専門スタッフの訓練が受けられるのも特徴です。

子どもそれぞれの障がいや発達段階、医療的症状に考慮した治療を受けながら、自立に必要な知識やスキルを身に付けられるのがメリットといえます。

ライターMizuki

ご家族の生活の安定を目指しつつ、医療的ケア児の病状の安定や発達を支援するのが役割です。

短期入所

障害支援区分1以上に相当または医療的ケアが必要な子どもが、1泊2日から1週間まで入所できるサービス。障害支援施設や病院などに短期間入所し、日常生活の支援を受けられるのが特徴です。

ご家族としては休息をはじめ、冠婚葬祭、きょうだい児の行事などに参加しやすくなります。休養を取ることで、家族関係の再構築や今後の介護体制の見直しなど、前向きな話し合いの時間を持ちやすいのも魅力です。

ライターMizuki

定期的に利用すれば、子どもの成長と向き合う余裕が生まれ、より良い関係づくりにつながります。

▼短期入所の詳細はこちらの特集で紹介しています

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計画相談支援

障害児福祉サービスの申請に関わる子どもとご家族のニーズに合わせて、専門の相談員がサービス等利用計画案を作成する支援です。医療的ケアの状況や家庭環境を丁寧に聞き取り、利用可能なサービスを提案してくれます。

サービス利用の調整や申請の手続きも支援するため、複雑な制度に戸惑うことなく、必要な支援を受けられるのが魅力です。定期的な見直しで、変化する状況にも柔軟に対応できます。

▼相談支援の利用方法はこちらの記事で紹介しています

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保育園

現在では、医療的ケアが受けられる保育園も増えつつあります。看護師や医療的ケア実施可能な資格を持つ保育士から吸引や経管栄養などのケアを受けながら、同年代の子どもたちと交流できるのが特徴です。

障がいの有無に限らず、家族以外の人との集団生活は、社会性や自主性を育むきっかけになります。さらに保育園の利用は、特にひとり親家庭や共働き家庭の経済的自立を支え、生活の安定につながるのも大きなメリットです。

▼医療的ケア児の保育園入園方法や体験談はこちら

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在宅レスパイト

訪問看護師が医療的ケア児の自宅に訪問し、ケアなどを担当するサービスです。ご家族は同じ屋根の下で休養できるため、子どもの様子が気になる方にも適しています。

熟睡したり趣味の時間を持ったりと、自分のペースでリフレッシュできるのが魅力です。また、ケア方法をスタッフから学べるため、技術の向上で日々の負担軽減も期待できます。

ライターMizuki

在宅レスパイトは地域包括事業(地域が主体となって運営する事業)として運営されていることが多く、自治体によって実施しているか異なるため、利用したい場合は居住地の障害福祉窓口などで確認しましょう。

負担軽減に向けて変わりつつある医療的ケア児への支援

医療的ケア児への支援状況はまだまだ課題も多く、地域ごとに差があるのも現状です。しかし、医療的ケア児支援法を皮切りに、ご家族の負担を軽減できるさまざまな支援の検討がされています。

「頑張らなくては」と抱え込まず、子ども本人の成長やご家族の心のゆとりのためにも、医療的ケア児へのサービスを活用してみてください。お住まいの地域で受けられるサービスがわからない場合は、専門の相談窓口も利用してみてくださいね。

ファミケアちゃん

「我が家ではこんなサービスを活用しています」「ここで相談して医療的ケア児の支援を受けました」そんな声は、ファミケア公式SNSやアプリへお寄せください

【参考サイト】

医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/000801675.pdf

医療的ケア児等の支援に係る施策の動向|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000584473.pdf

医療的ケアが必要な子どもと家族が、安心して心地よく暮らすために|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-20181219/dl/after-service-20181219_houkoku.pdf

保育所等での医療的ケア児の支援に関するガイドラインについて|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/12204500/000995731.pdf

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ファミケアの掲載記事およびコラムに関しては、当事者および専門家によって作成しておりますが、全ての方に当てはまる情報ではございません。投稿された情報の利用により生じた損害について、ファミケア運営元では責任を負いかねますので、あくまでもご家庭での判断のもと参考情報としてご利用ください。また、特定の施設や商品、サービスの利用を推奨するものではありません。

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この記事を書いた人

日本心理学会認定心理士、サービス介助士。「自分らしさを忘れない」をコンセプトに、自閉スペクトラム症の娘との暮らしをゆるりと楽しむママです。フリーライターとして臨床心理・介護・児童福祉・療育関連のコンテンツ制作および書籍編集などに携わりながら、児童福祉施設へも訪問しています。

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