ディズニーランドやディズニーシーでは、障がいのある人や子どもでもパークを楽しめるようにパークでの負担を軽減するためのサービスがたくさん用意されています。
その中の1つ、ディスアビリティアクセスサービス(DAS)はパーク内のアトラクションやグリーティング施設の待ち時間に配慮したサービスです。今回の記事では、肢体不自由の息子を育てるディズニー好きの筆者が
ディズニーのアトラクションや施設の待ち時間は大変……!
という方のために、障がいのある子どもが使えるディスアビリティアクセスサービスを解説します。
ディスアビリティアクセスサービス(DAS)とは?
ディスアビリティアクセスサービスは、ディズニーのアトラクションやグリーティング施設の列にならぶ時間を他の場所で過ごすことができるサービスです。
待ち時間の列にならぶのが難しい人向けのサービスで、身体障害や知的障害、発達障害のある子どもと一緒に安心してアトラクションを楽しめるようになっています。
公式サイトでは「列にならぶことができない人のため」となっていますが、対象条件を満たしていれば利用できます。
実際の利用の流れとしては、アトラクションの場所まで行ってキャストさんへサービスを使いたい事を伝えると、利用時間を教えてもらえるので、その間は別の場所で過ごし、時間になったら再度アトラクションの場所へ戻ってくることで乗り場まで案内してもらえます。なお、初回のみ利用登録の手続きが必要です。
待ち時間は通常通り並んだ時と同じだけ待つする必要があるため、施設やアトラクションを利用する待ち時間自体は短くなりません。
バギーユーザーの息子くんとアトラクションを楽しむのに本当に重宝しています!列に並ぶとみなさんの邪魔になってしまうのも気になるし、癇癪や途中のプチトラブルの心配もなくなるので大助かりです!
ディスアビリティアクセスサービスは単語の頭文字をとって、通称DAS(ダス)と呼ばれており、パーク内のキャストさんには「DASを使いたいです」と言っても伝わります。
類似のサービスとしてゲストアシスタントカードという障がいのある方向けのサポートサービスがありましたが、2019年7月に終了し、以降はディスアビリティアクセスサービスと合流利用サービスが新たに利用できるようになっています。
ディスアビリティアクセスサービス以外にも待ち時間の負担を軽減してくれるサポートサービスがあります。状況に合わせて利用すると効率よくパークを楽しむことができます。
ディスアビリティアクセスサービスが利用できる人
ディスアビリティアクセスサービスが利用できるのは、以下の障害者手帳や証明書を持っている人です。
- 身体障害者手帳
- 精神障害者保健福祉手帳
- 療育手帳(愛の手帳、緑の手帳)
- 被爆者健康手帳
- 戦傷病者手帳
- 障害福祉サービス利用のための各種受給者証
母子手帳は利用できません。また、手帳取得をしていない方も受給者証が対象になっていますので利用が可能です。また、対象者とそのグループがディスアビリティアクセスサービスの対象として、待ち時間を列とは別の場所で待つことができます。
障がいの種類に決まりはある?
ディスアビリティアクセスはサービスは、障がいの種類によって利用ができるかどうか判断されません。列に並べないと聞くと身体的な理由をイメージする方もいるかもしれませんが、列に並ぶのが難しい理由は様々なので障害者手帳か受給者証を持っていれば、安心して使ってくださいね。
使っていいのかな…と心配になる方もいるかもしれませんが、「列に並べない理由」や「待てない理由」を聞かれた事は1度もないので、悪質な利用やルール違反の利用でなければ「列に並べない理由がありますか?」と聞かれる事はないと思います。
利用に年齢制限はある?
利用に年齢制限はありません。3歳以下のチケットを持っていない子どもがサービス対象の場合も利用ができます。
実は、小さい頃は気持ち的になんとなく利用せずに過ごしていましたが、はじめて使った時に「はやく使えば良かった…!」と思うほど楽になりました。力の入りにくい息子くんを抱えて何十分も列で待っているしんどさがなくなって、楽しむことに集中できたので、これから行く方はぜひ遠慮せずに利用して欲しいです。
大人数のグループで行った場合は?
ディスアビリティアクセスサービスは、対象者を含むグループが対象のサービスとなっています。ただし、利用できるグループの人数制限があります。人数制限は以下です。
アトラクション | グループ全員で6名まで(DAS対象者1名が必須) |
キャラクターグリーティング施設 | グループ全員で9名まで(DAS対象者1名が必須) |
利用できるアトラクション・施設
ディスアビリティアクセスサービスが利用できるディズニーランド、ディズニーシーの施設は以下となっています。両パークでほぼすべてのアトラクションやグリーティング施設で利用できます。
東京ディズニーランド
・すべてのアトラクション
・ウッドチャック・グリーティングトレイル
・ミッキーの家とミート・ミッキー
・ミニーのスタイルスタジオ
※すべてのアトラクション以外の項目はグリーティング施設
東京ディズニーシー
・すべてのアトラクション
・ヴィレッジ・グリーティングプレイス
・“サルードス・アミーゴス !” グリーティングドック
・ミッキー&フレンズ・グリーティングトレイル
※すべてのアトラクション以外の項目はグリーティング施設
ミッキーのマジカルミュージックアワードやビックバンドビートなど、屋内外ともに並んで入るタイプのショーや入店制限のショップ列に関しては、ディスアビリティアクセスサービスが使えないので注意してください。
息子と2人ディズニーをした際にミッキーのマジカルミュージックアワードで利用ができないと言われたのですが、事情を説明して相談したところ合流利用のような形で配慮対応してくれました。体温調節が必要、など並べない理由があれば、対象外施設でも無理せずキャストさんに話してみましょう!
また、アトラクションや施設がスタンバイパスやエントリー受付の対象になっている場合、対象施設のパスを持っていないとディスアビリティアクセスサービスは利用できませんのでご注意ください。
利用登録と登録に必要なもの
ディスアビリティアクセスサービスを利用するには、初回のみ利用手続きが必要です。利用登録はパークで遊ぶ1日間有効です。手続きといっても難しいことはなく、当日キャストの方が行なってくれますので特別に何かしなければいけない事はありません。
利用登録ができる場所
利用手続きができる場所は、対象アトラクションの入り口です。つまり、利用したいアトラクションにそのまま向かえば大丈夫です。
他にも、総合受付施設の「メインストリート・ハウス(ディズニーランド)」、「ゲストリレーション(ディズニーシー)」でも登録ができるので、落ち着いて登録しておきたい人や用事がある人はこちらで登録しても良いかもしれません。
利用登録に必要なもの
利用登録に必要なものは、証明書とチケットです。登録時に持っていないと登録ができないので、忘れないようにしましょう。また、証明書は持ってくるのを忘れる、期限切れ、申請中は全て対応してもらえないので注意してください。
- 障害者手帳や受給者証など利用を証明できるもの
- グループ全員分のチケット
利用登録の流れ
利用登録は証明書の確認や写真の撮影などで、5〜10分程度でできます。キャストさんの案内に従っていけば大丈夫です。
利用登録の流れ
- 障害者手帳や受給者証など証明書の確認
- 1で確認した証明書をキャストさんの端末で撮影して登録
- 対象者本人の顔写真を撮影
- グループ全員分のチケットの読み取り
施設での使い方
利用登録が完了したら、あとはアトラクションやグリーティング施設へ行って利用するだけです。利用の流れもご紹介します。
1. アトラクションでサービスを利用したいことを伝える
ディスアビリティアクセスサービスを利用したい施設へ行って、入り口のキャストさんに「ディスアビリティアクセスを使いたいです」と伝えます。
アトラクションの待ち時間の長い、短いに限らず利用可能です!
利用登録が完了していれば、チケットを読み込んで手続きしてくれます。(利用登録をしていなかったら、その場で一緒にしてくれます)
アトラクションの手続き場所は「アトラクションエントランス」な点に注意が必要です!アトラクションの最後尾ではないので、注意しましょう。一度、私も開園前の長蛇の列で最後尾に行ってしまい、アトラクション入り口に戻ることになりました…!
東京ディズニーリゾート公式アプリを使っている場合は、アプリ上にディスアビリティアクセスサービスのパスが表示されます。パスに戻り時間も記載されるので、その時間になったら入り口に戻ってアトラクションへ案内してもらえます。
東京ディズニーリゾート公式アプリ
https://www.tokyodisneyresort.jp/tdr/app.html
アプリを利用していない場合は待ち時間を書いた紙を渡されます。
乗り方を聞かれた時はどうしたら良い?
車椅子からアトラクションへの移乗が必要な場合などは、利用のエントリーの際にアトラクションに乗る際の乗り方について聞かれる場合があります。「通常の乗り場から乗る方法」と「ゆっくり乗れる入口から乗る方法」の2つがあるため、希望の案内方法を伝えましょう。
通常の乗り場から乗る方法は、アトラクション近くの場所から通常のルートを使って乗り物に乗ります。車椅子やバギーも順番待ちラインが狭くなければ、そのまま進めます。メリットは、途中のルートの装飾やコンテンツを楽しめることでデメリットとしては、人がいる中でルートを進んでいったり、順番待ちの狭い通路を通らなければいけない点です。
ゆっくり乗れる入口から乗る方法は、アトラクション出口などの入口とは別のルートで乗り物に乗ることができます。乗り物を一時停止してもらい、乗ることができるので乗り換えがゆっくりできて安心です。ただし、並んでいる際の通路の演出などは楽しむことができません。
2. 待ち時間を別の場所で過ごす
手続きが終わったら、待ち時間を別の場所で過ごします。時間に間に合わなくならないように、アトラクションの近くの場所で過ごすのがおすすめです。
待ち時間の過ごし方に特にルールはありません。ただし、ディスアビリティアクセスサービスの利用時間まで待っている間、他のアトラクションでディスアビリティアクセスサービスを使うことはできないので注意しましょう。
我が家の場合はアトラクション中はトイレに行けなくなるのでおむつ替えをしたり、人が少ない場所で休んでアトラクションに備えています!
3. 時間になったらアトラクションの入り口まで戻る
時間になったらアトラクションの入り口まで戻ります。時間に遅れないように無理せず、余裕を持っていきましょう。もし、トラブルなどで遅れそうになった場合も無理せずに、落ち着いて向かい、キャストの方に事情を伝えます。
入り口で「ディスアビリティアクセスサービスの利用時間になったので戻りました」と伝えると、キャストの方がアトラクションへ案内してくれます。
車椅子やバギーを利用している場合も、そのまま利用できたり、乗り場まで乗っていけたりするので助かります!乗り物に乗る時に車椅子やバギーを預かってくれて、降りる場所に用意してくれます。
また、ディスアビリティアクセスサービスを利用するとアトラクションによっては別のルートでの案内になるため、途中のコンテンツなどが楽しめない場合があります。
メリットや実際に使ってみた感想
ここからは、実際に我が家で使ってみた感想を紹介します。
安心して待ち時間を過ごせる
何より、安心して待ち時間を過ごせるのがありがたいポイントです。
我が家の場合では、息子くんが自立で立って進むことができないので並べないのはもちろん、途中でテンションが上がって大きな声が止まらなくなってしまい、他のお客さんが心配になったり、迷惑がかかったりする心配もなくなりました。
1日全体を通して、息子くんの体力や精神面も安定したような気がします。
乗り場まで配慮してもらえる
これはディスアビリティアクセスサービスを利用しなくてもしてもらえる事ですが、バギーをアトラクションのライドに横付けして乗せ替えさせてもらえるのは大変助かりました。
降りた時にも降りた場所にバギーを移動して用意しておいてくれるので、移動介助する親の体力としても大変助かります。(笑)その他、エレベーターなどでのルートの案内も助かりました。
キャストの方の気遣いが素晴らしい
ディスアビリティアクセスサービスを使いたいことを伝えると、キャストさんによっては人が少ない場所やすみっこの方に寄って案内してくれることがありました。入り口付近はアトラクションを利用する人も多いので「あまり話の内容を聞かれたくない」という人への配慮を感じて、素敵な対応でした。
記事を読んだ方からのQ&A
記事を読んだ方からいただいたご質問や実体験を聞きたい!にもお答えします。
実際、指定される時間帯がどんな感じか、実体験があれば知りたいです!
実際に指定される時間は、現在時刻に待ち時間を追加した時間です。ただし、DASの手続きの時間やプレショーの時間等を考慮して5〜10分程度、早めに設定される場合があります。また、アトラクションによっては受付から設定の時間が5分刻み、10分刻みと運営ルールで決まっている場合もあるので1分単位で厳密にその時間にはなりません。
例えば、ホーンテッドマンションを12:00(60分待ち)で受付した場合、60分後は13:00ですが12:50の利用になる、というような形です。
時間に遅れるとどうなちますか?癇癪や多動で親の思う通りの時間で動けないので、予定した時間に行こうとしても遅れてしまったりしそうで心配です;;
ぴったり時間に到着できなくても大丈夫です。様々な理由でスムーズな移動が難しい人もいるため、配慮してもらえます。ただし、1時間など大幅に遅れてしまう場合には、対応してもらうのが難しいこともあるので、DASを取り直ししましょう。
また使っていないDASを持っている状態で、次のDASを取得しようとすると前のDASは消えてしまいます。こちらにも注意が必要です。
実際に受付時に時間に遅れそうなのですが…と相談した際「時間は決まっていますが、無理のない程度でお戻りいただければ大丈夫ですよ」と言っていただけました。
あわせて利用したい待ち時間の負担軽減サービス
合流利用サービス
グループの別の人は列へ並び、対象の方が後から列に合流できるサービスです。ディスアビリティアクセスサービスよりも対象範囲が広く、障害者手帳や受給者証を持っている人以外も列に並ぶことがむずかしい理由があれば使えます。
交代利用サービス
身長や座位が保てないなどのアトラクションの利用規定に満たない人がグループの中にいる場合、グループ内で交代でアトラクションを利用できるサービスです。最初にアトラクションを利用する人は並びますが、残りの人は少ない待ち時間でアトラクションを利用できます。
「新アトラクションの美女と野獣魔法のものがたりに乗りたい!」と交代利用サービスを使ってパパと順番にアトラクションを楽しんだりしていました。成長して息子も乗れるようになったので、いまはDASを使っています!
ディスアビリティアクセスサービスを使ってディズニーを楽しもう!
ディスアビリティアクセスは、ディズニーランドやディズニーシーをどんな人でも楽しむための待ち時間のサポートサービスです。
障害者手帳や受給者証があれば、どんな人でも利用ができます。ディズニーの待ち時間が心配でなかなか行きづらい、人の多いところは苦手な子どもでもディスアビリティアクセスサービスを使えば安心です。
ぜひ、ディスアビリティアクセスを使ってディズニーのアトラクションやキャラクターグリーティングを楽しんでみてくださいね。
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