
子どもに障がいが見つかったけど、使える制度って何がある?



成長すると使える制度も変わるの?
障がいや疾患のある子どもが利用できる手当や助成、福祉制度はさまざまです。対象となる年齢や条件もそれぞれ異なるため「結局、いつ何を利用できるの?」と分かりにくく感じることもあるのではないでしょうか。
この特集では、障がいや疾患のある子どもが利用できる主なお金と制度を、ライフステージごとにタイムラインにして分かりやすく紹介します。
▼このページでわかる「年齢別の主な制度」
- 乳幼児期:医療費助成や手当、児童発達支援など、まず確認したい制度
- 就学期:学校生活や教育にかかる支援制度
- 18歳〜20歳以降:障害年金など、成人期への助成・サービスの移行
今利用できる制度の確認はもちろん「この先どんな制度がある?」と見通しを立てたいときにも、ぜひ活用してください。
成長の節目ごとに見返せる「我が家のロードマップ(案内図)」として、ブックマークしてね!
【ライフステージ別】使える制度・サービス一覧
| ライフステージ | 主な手当・助成 | 利用できる福祉サービス |
| 乳幼児期(0~5歳) | 未熟児養育医療児童手当 こども医療費助成 小児慢性特定疾病医療費助成 特別児童扶養手当 障害児福祉手当 高額障害福祉サービス等給付費 | 児童発達支援 居宅訪問型児童発達支援 保育所等訪問支援 |
| 学齢期(6歳〜18歳) | 特別支援教育就学奨励費 児童手当 こども医療費助成 小児慢性特定疾病医療費助成 特別児童扶養手当 障害児福祉手当 高額障害福祉サービス等給付費 | 放課後等デイサービス 居宅訪問型児童発達支援 保育所等訪問支援 |
| 学校卒業後~成人前(18~20歳) | 特別児童扶養手当 障害児福祉手当 小児慢性特定疾病医療費助成(※継続の場合) | 生活介護 就労継続支援A型事業所 就労継続支援B型事業所 療養介護 重度訪問介護 施設入所支援 自立訓練(機能・生活) 共同生活援助 自立生活援助 就労選択支援 就労定着支援 |
| 20歳〜(成人期) | 障害年金 福祉医療費助成制度 指定難病医療費助成制度 |
年齢を問わず確認したい主な制度・サービス
| 主な手当・助成 | 利用できる福祉サービス | |
| 全年齢 | 指定難病医療費助成制度 自立支援医療制度(育成医療・更生医療) 補装具費支給制度 日常生活支援用具給付等事業 各種税金の優遇 公共交通機関の割引 レジャー施設の割引 ETC割引 NHK受信料の割引 携帯電話料金の割引 水道料金の割引(一部自治体) | 相談支援 短期入所 日中一時支援 居宅介護 移動支援 同行援護 行動援護 重度障害者等包括支援 |
※自治体によって対象年齢や利用条件が異なります。
一覧表はPDFでダウンロードして印刷できるよ!
※PDFデータが開きます
【乳幼児期~学齢期】まずは基盤作り!使える制度の確認と申請
出生時・乳幼児期に使える制度
手当・助成
・未熟児養育医療
身体の機能が未熟なまま生まれ、医師により「入院治療が必要」と判断された場合に、医療費の自己負担を助成してくれる制度です。


福祉サービス
・児童発達支援
障がいや発達に特性のある未就学の子どもが、日常生活に必要な動作やコミュニケーションなどの支援を受けられる福祉サービスです。
利用するには「通所受給者証」が必要です。利用を検討している場合は、まずはお住まいの自治体の窓口や相談支援事業所などに相談してみましょう。


乳幼児期から就学期を通して使える制度
手当・助成
・児童手当
児童手当は、子どもを養育している家庭に支給される手当です。障がいの有無にかかわらず、0歳から高校生年代までの子どもが対象となります。
・こども医療費助成
子どもが医療機関を受診した際の医療費の自己負担分を助成する制度です。対象年齢や所得制限、自己負担額などは自治体によって異なります。
・小児慢性特定疾病医療費助成
小児慢性特定疾病(国が指定した子どもの慢性疾病群)の治療にかかる医療費の自己負担を軽減する制度です。定められた状態の基準などを満たす必要があるため、申請の際は主治医に確認しましょう。


・自立支援医療(育成医療)
身体に障がいのある18歳未満の子どもが、手術などによって障がいの改善が見込まれる場合に、治療にかかる医療費の自己負担を軽減する制度です。
・特別児童扶養手当
精神または身体の障がいがある子どもを、家で育てている保護者に支給される手当です。医師の診断書が必要で、障がいの程度に応じて1級、2級に分かれます。


・障害児福祉手当
重度の障がいがあり、日常生活で常に介護を必要とする20歳未満の子どもに支給される手当です。障害者手帳を持っていなくても対象となる場合があります。
・高額障害福祉サービス等給付費
複数の障害福祉サービスを利用した際に、同一世帯で負担する利用者負担の合計が1か月あたりの上限額(基準額)を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。
たとえば障害福祉サービス(居宅介護、ヘルパーなど)と障害児通所サービス(放課後等デイサービスなど)を利用している場合に、基準額を超えたお金を払い戻してもらえる可能性があるよ!詳しくは相談支援専門員さんや自治体窓口で確認してみよう!


福祉サービス
・居宅訪問型児童発達支援
重度の障がいなどにより、児童発達支援や放課後等デイサービスなどに通うことが難しい子どもの自宅を支援員が訪問し、日常生活に必要な動作やコミュニケーションなどの支援を行うサービスです。
・保育所等訪問支援
障がいや発達に特性のある子どもが通う保育所や幼稚園、学校などを支援員が訪問し、集団生活に適応するための専門的な支援を行うサービスです。子ども本人への支援だけでなく、施設の職員に対する助言なども行います。


就学期に使える制度
手当・助成
・特別支援教育就学奨励費
特別支援学校や小・中学校の特別支援学級などに通う子どもの就学にかかる費用の一部を支給する制度です。学用品費や給食費、通学費、修学旅行費などが支給の対象となります。


福祉サービス
・放課後等デイサービス
障がいのある子どもが放課後や長期休暇中に通うことのできる通所施設。利用するには「通所受給者証」が必要です。


【学校卒業後~成人】医療費や福祉サービスの切り替え
学校卒業後から20歳にかけては、子ども向けの手当や福祉サービスが終了し、成人向けの制度へと移行していく時期です。
18歳・学校卒業前後|子ども向けサービスから成人向けへ
18歳・学校卒業を境に、主に医療費助成と福祉サービスの枠組みが変わります。
手当・助成
こども医療費助成や小児慢性特定疾病医療費助成の対象から外れ、成人向けの医療費助成や福祉サービスに切り替わります。ただし、小児慢性特定疾病医療費助成は、一定の条件を満たす場合、20歳未満まで継続可能です。
・福祉医療費助成制度
重度の障がいがある方などを対象に、医療費の自己負担を軽減する制度です。対象者や負担額などは自治体によって異なります。
福祉サービス
学校卒業後は、放課後等デイサービスなどの子ども向けサービスから、本人の状態や希望に合わせた成人向けの障害福祉サービスへ移行します。
・生活介護
常に介護を必要とする方に、日中の入浴や排せつ、食事などの介護や、創作・生産活動などの機会を提供するサービスです。
・就労継続支援A型
一般企業などで働くことが難しい場合に、事業所と雇用契約を結び、支援を受けながら働くサービスです。雇用契約に基づいて賃金が支払われます。
・就労継続支援B型
一般企業などで雇用契約を結んで働くことが難しい方に、働く機会や生産活動の機会を提供するサービスです。雇用契約は結ばず、作業に応じて工賃が支払われます。
・療養介護
常時の介護と医療を必要とする方に、医療機関で機能訓練や療養上の管理、看護、介護、日常生活上の支援などを行うサービスです。
・重度訪問介護
重い障がいがあり常に介護を必要とする人が、自宅などで生活を続けられるよう、ヘルパーが長時間の訪問をするサービスです。
・施設入所支援
施設に入所する方に、主に夜間や休日、入浴・排せつ・食事などの介護や日常生活上の支援を行うサービスです。
・自立訓練(機能訓練・生活訓練)
地域で自立した生活を送れるよう、一定期間、身体機能や生活能力の維持・向上に必要な訓練や支援を受けられるサービスです。身体機能の維持・向上を目指す「機能訓練」と、食事や家事などの生活能力の維持・向上を目指す「生活訓練」があります。
・共同生活援助(グループホーム)
障がいのある方が共同生活を送る住居で、相談や日常生活上の援助を受けられるサービスです。必要に応じて、入浴・排せつ・食事などの介護も受けられます。
・自立生活援助
一人暮らしをする障がいのある方に、定期的な訪問や相談対応などを行い、地域での生活を支援するサービスです。
・就労選択支援
障がいのある方が就労を希望する際に、自分に合った働き方や就労先を選べるよう、作業体験などを通して本人の希望や能力、適性などを整理し、就労先の選択を支援するサービスです。
・就労定着支援
障がいのある方が一般企業などに就職した際に、仕事や生活上の困りごとの相談に応じ、勤務先や関係機関との連絡・調整などを行うサービスです。
20歳|手当から障害年金の受給へ
20歳になると特別児童扶養手当や障害児福祉手当が終了します。一方で、障がいの状態などに応じて成人を対象とした制度を利用できる場合があります。
・障害年金
障がいの状態など一定の要件を満たす場合に障害年金を受給できる可能性があります。20歳になる前日から申請が可能なため、あらかじめ必要な書類や手続きについて確認しておくとよいでしょう。


年齢を問わず確認しておきたい制度・支援
ここまで年齢ごとに利用できる制度を紹介してきましたが、年齢にかかわらず利用できる制度や福祉サービスもあります。
ただし、対象年齢や利用条件などは制度や自治体によって異なるよ。詳しくは自治体窓口で確認してね!
手当・助成
・指定難病医療費助成制度
国が定める指定難病の治療にかかる医療費の自己負担を軽減する制度です。
小児期は小児慢性特定疾病医療費助成を利用していた場合でも、疾患が指定難病の対象であれば18歳以降に利用できる可能性があります。小児慢性特定疾病から自動的に切り替わるわけではないため、対象となる場合は申請が必要です。
・自立支援医療(育成医療・更生医療)
自立支援医療制度は、障がいの治療にかかる医療費の自己負担を軽減する制度です。
18歳未満の障がい児で、手術などの治療によって身体の状態がよくなる可能性がある場合は「育成医療」の対象となります。
18歳以降は「更生医療」へ移行となります。更生医療は身体障害者手帳を持っている方で、手術などによって障がいの軽減・改善が見込まれる場合に利用できる可能性があります。
・補装具費支給制度
車椅子や座位保持椅子など、身体の機能を補うために必要な補装具の購入や修理などにかかる費用を支給する制度です。制度の利用には原則身体障害者手帳が必要です。


・日常生活用具給付等事業
障がい児・者の日常生活をサポートするために必要な用具の購入費などを助成する制度です。用具ごとに対象年齢や障がいの程度などの条件が定められています。対象条件は自治体によっても異なるため、購入前にお住まいの自治体へ確認しましょう。


・各種税金の優遇
障がいのある方やその家族は、さまざまな税負担を軽減できる制度があります。
- 所得税・住民税の障害者控除:所得から一定額が控除されます。
- 相続税の障害者控除:相続税額から一定額が控除されます。
- 贈与税の非課税:信託を利用して財産を贈与する場合、一定額まで贈与税が非課税になります。
- 自動車税・軽自動車税の減免:自動車税・軽自動車税の減免や車の取得時にかかる環境性能割の減免を受けられます。
- 障害者等の少額貯蓄非課税制度(マル優):元本350万円までの預貯金などの利子が非課税になります。
それぞれの制度で対象条件は異なるよ!制度を利用する際は窓口に確認しよう。
・公共交通機関の割引
障害者手帳を提示することで、鉄道やバス、タクシー、飛行機などの運賃の割引を受けられる場合があります。
・レジャー施設の割引
障害者手帳を提示することで、動物園や水族館、映画館、テーマパークなどでは、入場料の割引や免除を受けられる場合があります。
なかには通所受給者証で割引を受けられる施設もあるよ!


・ETC有料道路料金の割引
一定の要件を満たす場合、有料道路の通行料金について障害者割引を利用できます。


・NHK受信料の割引
障がいの種類や程度、世帯の状況など一定の要件を満たす場合、NHK受信料の全額または半額免除を受けられます。
・携帯電話料金の割引
携帯電話会社によっては、障害者手帳などを持つ方を対象とした料金割引や各種優遇サービスがあります。
・水道料金の割引(一部自治体)
自治体によっては、障がいのある方がいる世帯などを対象に、水道料金や下水道使用料の減免制度を設けています。
福祉サービスについて
・相談支援
相談支援専門員が本人や家族の希望、生活状況に合わせて支援を検討し、利用計画を作成します。サービス利用の申請手続きの支援や利用開始後の計画の見直し、関係機関との調整も行います。


・短期入所
障がい児・者が施設などに短期間宿泊し、食事や入浴、排せつなどの支援を受けられるサービスです。ショートステイとも呼ばれます。
家族の休息のほか、家族の病気や冠婚葬祭などで一時的に自宅での介護が難しいときにも利用できます。


・居宅介護
訪問介護員(ホームヘルパー)に自宅に来てもらって日常生活の介護を受けたり、調理や掃除といった家事の援助を受けることのできるサービスです。


・移動支援
障がいがあって一人での移動が難しい場合に、ガイドヘルパーが外出をサポートする福祉サービスです。


・同行援護
視覚障害によって移動が難しい方が外出する際に、移動に必要な情報の提供や移動の援護、排せつ・食事などの支援を受けられるサービスです。
・行動援護
知的障害や精神障害によって行動上の著しい困難があり、常に介護を必要とする方を対象に、危険を避けるための支援や外出時のサポートなどを行うサービスです。
・重度障害者等包括支援
常に介護を必要とする方を対象に居宅介護や短期入所など複数のサービスを組み合わせ、包括的に支援するサービスです。
よくある質問(FAQ)
Q:手帳を持っていなくても手当やサービスは受けられますか?
障害者手帳を持っていなくても利用できる手当や福祉サービスはあります。
たとえば、特別児童扶養手当や障害児福祉手当は、手帳の有無だけで支給の可否が決まるものではありません。また、福祉サービスについても、子どもの状態などによって手帳がなくても利用できる場合があります。
「手帳がないから対象外」と自己判断せず、利用したい制度がある場合は自治体の窓口などで確認してみましょう。
Q:所得制限になる年収の目安はどのくらいですか?
所得制限の基準は制度によって異なり、扶養している家族の人数などによっても変わります。また、「年収」ではなく、所得額をもとに判定される制度もあるため、一律に「年収〇万円まで」とは言い切れません。
各制度の所得制限や年収の目安については、こちらの記事で詳しく紹介しています。






Q:年齢の節目以外でも、急に制度が変わることはありますか?
制度そのものが改正され、対象者や支給額などが変更されることがあります。
また、制度の対象や支給額は年齢だけでなく、障がいの状態や世帯所得、お住いの自治体により大きく異なります。そのため、制度そのものは変わらなくても、引っ越しや家族構成の変化、所得の変化などによって、利用できる制度や支給額が変わることもあります。
自治体から届く案内や更新のお知らせなどを確認し、生活状況に変化があったときは、利用している制度への影響がないか確認しておくと安心です。

