目が見えない子どもを育てる中で「おもちゃになかなか興味を持ってくれない」「どんな遊びがいいんだろう」と悩むことはありませんか?
この記事では、視力障害のある子どもを育てている筆者が、目が見えない子どもでも楽しめる遊びのアイデアを紹介します。「どうしたら目の見えない子どもと遊びを楽しめる?」と悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
筆者の息子について
年齢:3歳6カ月
疾患:新生児期の脳室内出血による脳性麻痺と視力障がい
視力:光に多少の反応はある。追視はできない
目が見えない子どもと遊ぶのはなぜ難しい?
人間が周囲の情報を得るとき、視覚は大きな役割を担っています。人の動きや表情、物の位置、周囲の様子などを視覚でとらえながら生活しています。
それは子どもが遊ぶときも同様です。たとえば、小さな赤ちゃんは、大人の表情や動き、おもちゃの動きなどを見ながら、興味を持ったものに手を伸ばして触ろうとします。
しかし、目の見えない赤ちゃんの場合は、大人がおもちゃを差し出しても存在に気づきにくく、興味を示しにくいです。
ライターもっちー筆者の息子も、1歳を過ぎてもおもちゃへの興味は薄く、自分から手を伸ばすことはほとんどありませんでした。肢体の不自由さもあって、掴んだりすること自体が難しいのもあったかと思います。正直この頃は「このままずっと周りのものに興味を持ってくれないのではないか…」といつも不安な気持ちでいっぱいでした。
しかし、見えないからといって遊べないわけではありません。音や触り心地、動きなど、視覚以外の感覚を活かすことで楽しめる遊びはたくさんあります。
目が見えない子どもと遊ぶときのポイント
目が見えない子どもと遊ぶときのポイントは、視覚以外の情報を得られるように、おもちゃや遊び方を工夫することです。
たとえば、音のなるおもちゃやさまざまな感触を楽しめるおもちゃなど、聴覚や触覚を活かした遊びを取り入れることで、子どもも興味を持ちやすくなります。
また、子どもと遊び始める前におもちゃ全体を一緒に触ったり、おもちゃの形や動きなどを言葉で伝えたりするのも効果的です。視覚以外で情報を補うことで、子どもが遊びの状況をイメージしやすくなります。



たとえば、タンバリンで遊ぶときは、最初に全体を触ってみてから叩いてみます。タンバリンを触りながら「丸い形だね〜」「表面はザラザラしてるね」など、様子がわかるような声かけをするとイメージしやすいです。
身体を使った遊びを取り入れることもポイントです。たとえば抱っこでゆらゆら揺れる、高い高いをするなど、身体の動きを感じられる遊びは視覚以外の感覚を使って楽しむことができます。
目の見えないことお家で楽しめる遊びのアイデア
ここからは、遊び方のポイントをふまえて「目の見えない子どもとお家で楽しめる遊びのアイデア」を紹介していきます。



実際に筆者が息子と楽しんでいる遊びです。取り入れられそうなものからぜひ試してみてください。
ふれあい遊び
ふれあい遊びは、身体の動きや触れられる感覚を通して楽しめる遊びです。目が見えない子どもでも、大人の声や身体の動きを一緒に楽しむことができます。
▼おすすめのふれあい遊び
- ぞうきんのうた
- おふねをこいで
- 大きなたいこのうた
- トントンひげじいさん。
YouTubにも色んなふれあい遊びの曲があるから、探してみてね!
お気に入りの曲があれば、毎日繰り返し遊ぶのがおすすめです。同じ曲でふれあい遊びをすることで、子どもも曲を覚えて「これから遊びが始まる」という見通しを持ちやすくなります。



その曲が流れただけで足をパタパタして喜んだり、子どもの好きなポイントで笑ってくれたりするのが嬉しかったです。
音を楽しむ遊び


音の出るおもちゃや楽器を使った遊びは、目が見えない子どもでも楽しみやすいです。さらに、遊びを通して音の方向を探る練習にもなります。
目の見えない子どもにとって、音は人の位置や周囲の状況を把握する手がかりになる大切な情報です。好きなおもちゃを子どもの近くで鳴らして、音がするほうへ首を向けたり、手を伸ばす練習をするのもよいでしょう。



始めはおもちゃを鳴らしてもキョトンとしていた息子ですが、今ではおもちゃの方向に手を伸ばしてくれるようになりました。
▼おすすめのおもちゃ
- 音の鳴るジムメリー
- まわしてくるくるサウンド
- 楽器(チャイムツリー、タンバリン)
- あんぱんまんキーボード



おもちゃがなくても、工夫次第で音を活用した遊びはできます。たとえば、歩行器で歩くときに鈴のついたゴムを足につけることで、足を動かす度に音が鳴り、前に進んでいることを感じることができます。
動きを楽しむ遊び
目の見えない子どもは視覚情報がない分、体の揺れや重心の変化などを手がかりにして自分の体の動きを感じ取っています。
たとえば以下のような遊びは、ダイナミックな感覚の変化を全身で味わうことで体の向きやバランスの取り方といった「平衡感覚」を学ぶ経験にもなります。自分の体がどのように動くのかを繰り返し感じることで、姿勢を保つ力や体の使い方を育てやすくなるでしょう。
▼おすすめの遊び
- ブランコ
- ハンモック
- トランポリン



体を動かす遊びのときは、安心できる声かけが大切です。目が見えない分、周囲の状況がつかみにくいため、急に動くと怖がってしまいます。「今から揺れるよ」「止まるよ」などと声かけすることで、子どもも安心して楽しめます。
仕掛け絵本
絵本は「絵を見て楽しむもの」と思いがちですが、以下のような「触って楽しめる仕掛け絵本」であれば、目が見えなくても楽しめます。


「猫ちゃんの頭だよ」「ふわふわしてるね」と声かけしながら、感触も楽しむことができます。




さまざまな形に切り抜かれたページを触って形を楽しめるほか、ボタンに触れると音が流れます。
目の見えない子どもにとって、手や指先の感覚は情報を得るための大切な手がかりです。仕掛け絵本を通して、形の違いや素材の感触、押す・つまむ・めくるなどの動作を経験することで、手先の感覚を育てることにも繋がります。



マジックテープで貼り付けられたものを取る仕掛け絵本も楽しみやすくておすすめです。
さらに楽しく遊べる一工夫
「目が見えないと楽しくないかも?」と思うような遊びでも、ちょっとした工夫をすることで楽しむことができます。ここでは、日々の遊びをより楽しめるアイデアを紹介します。
▼お絵描きや工作時の工夫
- 工作で糊付けする際に、台紙の下にタンバリンを敷くことで、紙を貼りながら音を一緒に楽しむ。
- お絵描きの際に、洗濯板のようなギザギザの板を紙の下に敷くことで、手の振動を楽しみながら描ける。
▼シール遊びの工夫
- 立体感のあるシールを選ぶことで、指で触って形をなぞったり、感触を楽しむことができる。





視覚的な要素が強い工夫次第でお絵描きやシール遊びも、ちょっとした工夫で楽しむことができます。遊びの幅を狭めてしまうのではなく、こういった工夫が大切なのだと感じています。
目の見ない子どもとの関わり方で悩んだら
目の見えない子どもとの関わり方で悩んだら、一人で抱え込まず、周囲の支援者に相談してみるとよいでしょう。
児童発達支援・療育園・保育所の先生やセラピスト、訪問看護師など、身近な支援者に相談すると、アドバイスがもらえます。



この記事で紹介した遊び方の工夫も、療育園の保育士の先生やリハビリの先生が一緒に考えてくれたものです。やはり支援者の方はいろんな障がいをもった子どもと関わる機会が多いので、なるほど!と思えるアイデアがもらえますよ。
また、盲学校の教育相談を活用するのも一つの方法です。盲学校の先生に子どもとの関わり方のアドバイスや就学の相談ができる支援です。盲学校に通っていなくても、未就学児でも利用できます。



筆者は、盲学校に通うお子さんのいる知人から教育相談を教えてもらいました。盲学校のホームページに情報が記載っていることもあるので、一度確認してみてください。
目が見えなくても視覚以外の感覚を使ってたくさん楽しめる
子どもの興味は私たちが思っているよりずっと大きいです。目が見えない子どももちょっとした工夫をするだけで遊びの幅はぐっと広がります。
今はあまり反応がないように思っても、いつか興味が広がるタイミングがくるかもしれません。
一人で抱え込みすぎず、周りを頼りながら子どもとの遊び方を見つけていけるといいですね。ぜひ、この記事も参考にしてみてください。















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