
また新学期が来る。今年の先生はちゃんとわかってくれるだろうか



何をどう話せばいいのか、毎年うまく伝えられているか自信が持てない
毎年担任が変わるたびに、積み上げてきた信頼関係がリセットされてしまう。その消耗感を抱えながらも「自分がちゃんと伝えられなければ子どもが苦労する」と、プレッシャーを一人で背負っていませんか。
この記事では、担任の先生への発達障害の伝え方について、進学・進級時に意識したい7つのポイントを具体的に解説します。「先生に子どものことを正しく理解してもらいたいけど、どこから話せばいいかわからない」と悩んでいる方は、ぜひお読みください。
進学・進級時はなぜ大変?
発達障害や知的障害のある子どもへの支援は「その子のことをよく知っているかどうか」で大きく変わります。保護者にとって、担任の先生に子どものことを正しく理解してもらうことは、よりよい支援につなげるためにとても重要な一方で「うまく伝えられなかったら子どもが困る」という大きなプレッシャーにもなっています。
特性や困りごと、得意なこと、パニックになりやすい場面など、1年かけてようやく伝わったことをまた最初からやり直さなければならない。その繰り返しが、保護者にとって大きな心身の負担になっているのです。
「担任が変わるたびに信頼関係がリセットされる…」という消耗感や「伝えなければ子どもが困る」「でも伝えすぎると身構えられてしまうかも」という葛藤も、多くの方が経験しています。
担任の先生へ発達障害を伝えるときに押さえたい7つのポイント
担任の先生へ発達障害を伝えるときには「何を伝えるか」と同じくらい「どう伝えるか」が大切です。ここでは、先生との信頼関係を築きながら子どもへの理解を深めてもらうための、7つの伝え方のポイントをご紹介します。
1.まず「お願いしに来た」姿勢で臨む
面談の場面では、つい「わかってもらわなければ」と力が入ってしまいますよね。しかし、最初から情報を一方的に伝えようとすると、先生側が身構えてしまうことも少なくありません。
まずは「子どものことをよろしくお願いします。気になることをいくつかお伝えしてもいいですか」という姿勢で話し始めると、先生も話を受け取りやすくなります。コミュニケーションのスタートは、1年間の信頼関係づくりの第一歩です。
2.「困りごと」は具体的な場面で伝える
「集団行動が苦手です」「こだわりが強いです」などの抽象的な表現より「体育の整列の時間に並ぶのが難しく、列を離れてしまうことがあります」のように、学校生活の具体的な場面に落とし込んで伝えるのも効果的です。
先生がイメージしやすくなるだけではなく「その場面でどう動けばいいか」という支援の話にもつなげやすくなります。「困りごとは『いつ・どこで・どんなふうに困るか』をセットで伝える」と意識してみてください。
3.効果的だった支援や声かけをセットで伝える
困りごとを伝える際は、支援の方法をセットで伝えるのも大切です。
「大きな声での注意は逆効果で、静かに肩に手を置いてもらうと落ち着きます」「選択肢を2つ示してもらうと動きやすいです」など、前の担任との間で積み上げてきた工夫は、新しい先生にとって非常に貴重な情報といえます。
困りごとと支援方法をセットで伝えると、先生は「どう対応すればいいか」を具体的にイメージできるようになるのです。
4.子どもの「得意」と「好き」も必ず伝える
困りごとばかりを伝えてしまうと、先生のなかで「大変な子」という印象だけが先行してしまう場合があります。そのため「電車の名前なら何でも知っている」「絵を描いている時間はとても落ち着いている」など、その子の得意なことや好きなことも積極的に伝えましょう。
先生がその子に親しみや関心を持つきっかけになり、よりよい関係づくりにつながります。子どもの強みを知ることで、先生も子どもの自信を引き出す関わり方がしやすいのもメリットです。
5.療育・服薬の状況を必ず共有する
放課後等デイサービスや言語療法、作業療法など、現在利用している支援がある場合は、必ず担任に伝えておきましょう。「週2回、放課後デイを利用しているため早退することがある」など、学校生活のスケジュールに関わる情報は特に重要です。
また、服薬をしている場合も、担任への共有は欠かせません。薬の効果が出る時間帯や眠気・食欲低下といった副作用の可能性がある場合は、合わせて伝えておきましょう。先生が、授業中の様子を適切に理解できるようになります。



学校に薬を預ける場合は、保管方法や服用タイミングについても事前に確認しておくとよいでしょう
6.「書面」を活用して伝え漏れをなくす
限られた面談の時間で全てを話そうとすると、どうしても焦って大切なことを伝え忘れてしまいがちです。そこで、子どもの特性などをまとめた「サポートブック」を作成するのがおすすめです。書面にして手渡すと、伝え漏れを防げるだけではなく、先生にとっても後から見返せる資料になります。
サポートブックには、以下についてまとめておきましょう。
- 子どもの診断名・特性
- 具体的な困りごと
- 効果的な支援や声かけの方法
- 療育や服薬の状況
- 保護者からのお願い



サポートブックは、一度作成しておけば毎年少し修正するだけで使い回せるため、長い目で見て保護者の負担も大きく減らせます
▼サポートブックを作成する際のポイントはこちらの記事からご覧ください


7.「一緒に支えていきたい」という姿勢でいる
面談の最後は「何かあればすぐに教えてください。一緒に子どもを支えていけたらと思っています」という言葉で締めくくると、先生との関係が協力関係としてスタートしやすくなります。
新しい担任の先生も、最初は「どんな保護者だろう」と緊張しているものです。「一緒に考えたい」という姿勢を示すと、先生も安心して関わりやすくなり、子どもにとってよりよい環境が生まれやすくなります。
面談のタイミングや場の設け方
伝える内容と同じくらい大切なのが「いつ・どこで伝えるか」というタイミングと場の設定です。なるべく、焦らず落ち着いて話せる環境を整えることがポイントです。
新学期が始まってすぐの慌ただしい時期に、廊下での立ち話はできるだけ避けたいところ。できれば新学期が始まって1〜2週間以内に、個別に面談の時間を設けてもらえるようお願いするのが理想といえます。
なお、学校によっては保護者面談が設定されていないこともあります。その場合は、連絡帳や電話で「子どもの特性についてお話しするお時間をいただけますか」と一言伝えるだけで、先生も時間を調整しやすくなるためおすすめです。
「こんなことでお願いしていいのかな」と遠慮する必要はありません。早めに動けば、子どもへの最善のサポートにつながります。
先生への伝え方を整理して子どもが安心できる学校生活につなげよう
新しい担任へ子どものことを伝えることは、発達障害のある子どもを育てる保護者にとって、毎年繰り返される大切な作業です。「何を伝えるか」と同じくらい「どう伝えるか」を意識すると、先生との関係はぐっと変わります。
今回ご紹介した7つのポイントを参考に、書面も上手に活用しながら伝え漏れのない引き継ぎを目指してみてください。「先生と一緒に子どもを支えるためのコミュニケーションを始めること」が、何より大切な一歩です。
「今年の先生にうまく伝えられるか不安…」「毎年この時期になると気持ちが重くなる」と感じたら、ファミケアの公式SNSやアプリでそっと吐き出してね


















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