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【体験レポート】分身ロボットカフェDAWNは障がいやロボットを感じない最高に楽しい場所だった

分身ロボットカフェDAWNは障がいやロボットを感じない最高に楽しい場所だった
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分身ロボットカフェDAWN ver.β」は、障がいや疾患があるなどの外出困難者が、ロボットを遠隔操作して働くカフェです。息子が障がい児である筆者はこのカフェを知り、「障がい者がカフェで働く」という仕組みに興味を持ちました。

そして今回、「どんなところか見てみたい!」と友人と一緒にロボットを通じた“接客”を体験しにDAWNへ行くことにしたのです。実際に体験したロボット「OriHime」の接客やお店の仕組みをレポートしていきたいと思います

ライター小澤

ロボットが接客するという仕組みや体験したことがない世界観に少し緊張して行ったのですが、結果的にとても素敵な時間を過ごすことができました。

目次

分身ロボットカフェDAWN体験レポート

1.分身ロボットカフェDAWNにいざ入店!

ロボットカフェDAWNは、東京駅からJR総武線で一駅、新日本橋駅の5番出口を出ると、高架を挟んだすぐ先にあります。お店の外観はガラス張りのおしゃれカフェのような雰囲気です。

ライター小澤

初めての入店でちょっと緊張していたので、入り口のガラス越しに中の様子がわかるのは嬉しかったです。

「DAWN」の看板を掲げたカフェの外観。全面ガラス張りの扉で中が見えるようになっている。
ロボットカフェDAWNの外観。ガラス張りで中の様子が見えるのは初来店者には嬉しい。

2.受付でロボットが出迎えてくれる

店内に入ると、早速ロボットが登場。「いらっしゃいませ!」と元気な声でお出迎えしてくれました。

ロボット「OriHime」から聞こえるのは「機械」の声ではなく、パイロットと呼ばれる、ロボットを遠隔操作する「人」の声です。なんとなく安心感を感じ、緊張が一気にほぐれました。

大小二体のロボットが並んでいる様子
接客をしてくれたのは右側の大きいロボット

入店すると受付ロボットがカフェのシステムや席の違いについて説明をしてくれます。もちろん、受付と同じく接客してくれるロボットも遠隔操作です。

今回は予約をせずに「ロボットを通じた接客を体験しながらカフェを利用しに来る」のが目的だったので、ロボット接客を楽しめるOriHimeエリアを利用しました。

ライター小澤

席の種類を知らずに行っても、この受付ロボットがしっかり説明してくれるので安心です!

ロボットカフェDAWNの座席表。
credit by DAWN CAFE

席の説明をしてくれた上で、受付ロボットが「どちらの席を利用しますか?」と聞いてくれたので、「OriHimeエリア」の希望をロボットに伝えました。

ライター小澤

相手はロボットだけどAIではないので、双方向で自然な会話ができることが少し不思議な感覚でした。

3.注文とお会計は人間対応

受付ロボットの案内に従い、受付の横並びのテーブルに移動して、注文とお会計をする場所へ移動します。

お会計は人間の店員が担当。メニューを渡され、飲み物や軽食を注文します。筆者はOriHimeエリアの利用だったため、利用に必要な入場チケット「OriHimeパス」の1,500円(1ドリンク代込み)を支払い、1ドリンクをオーダーしました。

ちなみにお会計はキャッシュレス制です。レシートも電子化されていて、必要な場合はメールアドレスをタブレットに入力すると送られてくる仕組みです。

支払い後は、番号札と入場用リストバンドを渡され、席に案内されます。

4.席で待っているとロボットがサーブしてくれる

席に座ってしばらくすると、ロボットが注文の商品を運んできてくれました。入り口で席を案内してくれた受付ロボットとはまた別のロボットです。

コーヒーを運んでくれたロボット

運んできてくれた商品をトレイから取るのは、来店客の役目です。

ちなみにこのロボット、床に引いてある黒いラインとライン上のQRコードを道標に、パイロットがロボットを上手に操作しているそうです。遠隔でもロボットを使ってサーブできるなんて、感動ですよね。

床に貼られた黒いラインとQRコード
床に貼られた黒いラインとQRコードがロボットの道標

サーブしてくれるOriHimeもただ運ぶだけではなく、しっかり会話することができます。「お待たせしました」などの接客をしてくれる姿も、人間の店員と変わりません。

5.接客担当のロボットとお話しもできる!

飲み物を運んできたロボットは、サーブが終わるといなくなります。OriHimeの接客はこれで終わりなのかなー?と思いつつ、友人と談笑していると、テーブルの近くにいた小型のロボットが突然話しかけてきました

驚きつつも挨拶をすると、タブレットに簡単な自己紹介が表示され、少しお話をした後、「乾杯しましょう!」と提案してくれました。パイロットの方も画面越しに飲み物を準備して、一緒に乾杯してくれるとのこと。

小型のロボットと会話の補助に使うタブレット
乾杯の音頭をとってくれるロボット

コーヒーカップで乾杯して、少しの間OriHimeとの会話を楽しみました。

「どちらから来たんですか?」などパイロットに質問をされることもあれば、「どんな風に働いてるんですか?」「大変なことはありますか?」などこちらからパイロットに質問もできます。

ロボットは頷く、手を振るなど、多少のボディランゲージもしてくれるので、単に機械と話しているよりも「会話してる感覚」があり楽しくお話しできました。

ライター小澤

他のテーブルでもロボットとお話をされているグループがありましたが、そちらは外国人のお客様だったため、会話はなんと英語。英語が堪能なパイロットもいらっしゃるようです。

6.パイロットが別のロボットに乗り換えて再登場

しばらく会話をしていると、パイロットの方が「別のロボットに乗り換えてまた伺います!」と言ってOriHimeの光が消えました。「乗り換える…?」とドキドキしながら待っていると、別のロボットがこちらのテーブルに向かってきました。ついている名札を見ると、さっきまでお話ししていたパイロットだと分かります。

「よかったら一緒に写真を撮りませんか?」と提案され、スマートフォンの自撮りモードで一緒に写真撮影。

乾杯の音頭といい、写真撮影の提案といい、接客に慣れてるというか、リードしてくれる感じがあり、初めてでも戸惑うことも会話が止まって気まずい思いをしたりすることもなく、楽しむことができました

写真撮影の後は、持ってきてくれていたカゴに入ってたアメをプレゼントしてくれました。

アメが入ったカゴを差し出すロボット

「では楽しんでいってください」とここでロボットとはお別れ。

ライター小澤

筆者の接客をしてくれたパイロットは、ベテランの方のようでした。これはおまけエピソードですが、初心者マークをつけたOriHimeがうまく操作できず戸惑っていると、操作について丁寧に教える一幕も。

ロボットがロボットに教える、という光景がとても斬新で、微笑ましく見届けました。

大小二体のロボットが対面で会話している様子
手前側の小さめのロボットが、向こう側の大きいロボットに操作指導中。ロボット同士で双方向で話す光景が斬新

分身ロボットカフェDAWNを体験して面白いと思ったポイント

実際に分身ロボットカフェDAWNを体験してみて、面白い!と思ったポイントがいくつかあります。

ロボットの接客でもAIではない新感覚

SiriやAlexaなどの音声認識サービスやAIと会話したことはありますが、「わかりやすい依頼をするように」「はっきりと聞き取れるように」などまだまだ気を使うことが多く、自然な会話までは難しいかなと個人的には思います。また、話しかける内容によっては「わかりません」と言われてしまうこともあります。

OriHimeの場合は、ロボット相手ではあるものの「中身」は人間なので、多少言葉が崩れても通常の会話レベルであれば認識してくれますし、会話の微妙なタイムラグも発生しません

ロボット相手なのに、会話は人間としている、というのが今までに味わったことがない感覚で、とても新鮮でした。

お客さんは外国人が8割!

パイロットに伺った話では、お客様の8割が外国人とのこと。日本に来た外国人旅行者がSNSで分身ロボットカフェDAWNについて投稿し、話題になっているそうです。

日本でもだいぶ珍しい取り組みのカフェだと思いますが、海外の方がもっと多様化が進んでいるイメージだったので、こんなに注目されてるとは思わず驚きました。

ライター小澤

筆者が行った時も、他のテーブルはほぼ外国人のお客さんでした!面白いカフェだから日本人のお客さんももっと増えるといいな…

一人でも楽しめる

OriHimeが接客をしてくれるので、一人で行っても楽しめると思います。むしろ、OriHimeに興味があったら一人で行ったほうがいいかも?と思うほど。

ライター小澤

筆者は友人と行きましたが、用事があり先に店を出ました。一人残った友人がスマートフォンの充電がてらPCで作業していたところ、時々OriHimeが話し相手になってくれたりしてすごく居心地がよかった、と言っていました。

ロボットが可愛い

ロボットの動きがなんだか可愛くて、ずっと見ていられます。初心者パイロットが操作方法を人間の店員や先輩パイロットに聞きながら頑張って動かしている姿を見て、応援したくなる気持ちも。

ロボットなのに中身が人間、ということで親近感が湧き、きっとAIの接客だったら芽生えないだろう「頑張れ!」とか「やった、できた!」といった、「感情移入」をしていることに気づき、とても興味深かったです。

ライター小澤

この感情、ロボットカフェでぜひ味わってほしい!

分身ロボットカフェは、初めてでも一人でも楽しめるカフェだった

筆者が最初にロボットカフェに行ってみたいと思った時は、ホームページで調べても行くことに不安を感じていました。「もし行った時にわからないことがあったらどうしよう?相手がロボットだしちゃんと会話できないかもしれない」「接客されるっていうのもイメージがつかない…何か話すネタを用意していかないとだめ?」など考えていたんです。

でも実際行ってみると、ロボットとはいえ中身が人間なので、気になることはなんでも質問することができますし、パイロットは接客にもとても慣れているので不安は杞憂に終わりました。こんなことならもっと早く行ってみればよかった、と思ったので、分身ロボットカフェが気になっている方や、面白いカフェに行ってみたい!という方がいたらぜひ気軽に行ってみてほしいです。

ライター小澤

筆者もまた行ってみたいカフェの一つになりました!

「分身ロボットカフェDAWN ver.β」の店舗情報

  • 住所:東京都中央区日本橋本町3-8­-3 日本橋ライフサイエンスビルディング3 1F
  • アクセス
    • 東京メトロ日比谷線 : 小伝馬町駅 徒歩4分
    • JR総武線 : 新日本橋駅 5番出口すぐ
    • 東京メトロ銀座線 : 三越前駅 徒歩7分
    • JR山手線 : 神田駅 徒歩10分
  • 営業時間:全日11:00-19:00
  • 定休日:木曜日(祝日の場合は営業)


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分身ロボットカフェDAWNは障がいやロボットを感じない最高に楽しい場所だった

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この記事を書いた人

書くこと大好きなライター。7歳の息子が遺伝子疾患を持つ医療的ケア児です。子どもを育てる過程で知った社会の生きづらさや情報格差に衝撃を受け、障がい児を育てるための情報がもっと手に入りやすくなるよう発信しています。

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