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【発達障害児向け】母子分離不安とは?原因や対処法、相談先を解説

【発達障害児向け】母子分離不安とは?原因や対処法、相談先を解説
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子どもが、自分から離れると激しく暴れてしまう

保護者から離れると強い不安や恐怖を感じてしまう子どもの「母子分離不安」に悩んでいる方は少なくありません。離れた後が気になるあまり「育て方のせい?」と自分を責めてしまうこともあるのではないでしょうか。

この記事では、発達障害のある子どもに見られる母子分離不安の原因や、保護者自身も楽になれる対処法、相談先について解説します。「限界だけど、何から始めればいいのかわからない」と悩んでいる方は、ぜひお読みください。

目次

母子分離不安とは?

「母子分離不安」とは、子どもが保護者(主に母親)から離れることに強い不安や恐怖を感じてしまう状態です。子どもが「行かないで」と激しく嫌がって身体的に暴れたり、体調不良になったりする場合があります。

ただし、母子分離不安は「病気」や「障がい」そのものではありません。子どもの心や発達の段階、環境、特性など、さまざまな要因が重なることで起きるものです。

「母子分離不安はすべて母親のせい」ではない

自分の対応が悪かったから子どもが離れられなくなったのかもしれない

そのように感じている保護者は多くいらっしゃいます。しかし、前述したとおり、母子分離不安が強くなる背景にはさまざまな原因が関連しているものです。「すべて母親のせい」ということではありません

まずは「母子分離不安がなぜ起きるのか」その原因を理解するのが、対処の最初の一歩になります。

母子分離不安の一般的な原因

母子分離不安になる原因は、発達障害の有無に関わらず多くの子どもに共通するものがあります。例えば、以下のような原因です。

  • 発達段階によるもの
  • 不安になりやすいなど、子どもの気質や性格
  • 入園や引っ越し、新しい場所へ行くなど環境の変化
  • 母親が長く留守になった経験があるなど、過去の不安な体験
  • 保護者の過度な心配や関わり
  • 母親自体が不安や焦りを感じているなど、保護者の心理状態

親への愛着が自然に強まる生後6ヶ月〜3歳頃の母子分離不安は、成長の一部です。決して悪いことではありませんが、この不安が強く残ったり長引いたりする場合があります。

これらの原因は、単独で働く場合もあればいくつかが重なって母子分離不安を強めるケースもあります。大切なのは「どれか一つが悪い」のではなく「さまざまな要因が複雑に絡み合っているかもしれない」と考えることです

母子分離不安と発達障害との関係

発達障害のある子どもの場合、上記の原因に加えて、発達障害の特性そのものが母子分離不安を強める場合があります。

たとえば

  • 感覚の受け取り方が過敏で、環境の変化に強く反応しやすい
  • 「次に何が起きるか」の見通しが難しい
  • 他の人や場所への理解や信頼が難しく、安心感が親に集中しやすい
  • 言葉で「不安だ」と伝えるのが難しい

このように、発達障害のある子どもの母子分離不安は「特性による世界への強い不安」と「安心できる場所が限られている」という2つが重なりやすい状態です。これは、保護者の対応や愛情の量が「足りていなかった」のではなく、子ども自身の神経や感覚の仕組みによるものといえます。

ライターMizuki

自閉スペクトラム症のある筆者の娘は、環境の変化にとても敏感で、保育園の送迎時は毎朝泣き叫んでいました。「このまま置いて行っていいのか」と自分を責める日々でしたが、娘の特性を理解してからは「仕方ない」ではなく「そういう脳の仕組みなんだ」と受け止められるようになりました

発達障害児の母子分離不安を和らげるための具体的な対処法5つ

発達障害のあるわが子の母子分離不安を、少しでも楽にしてあげるには?

そう考えている方に向けて、ここでは発達障害児の母子分離不安を和らげるための具体的な対処法を5つご紹介します。ポイントは、急に大きな変化を求めず、子どもの安心感を保ちながら「小さな一歩を積み重ねる」ことです

1.「次に何が起きるか」を事前に伝える

発達障害のある子どもにとって「見通し」がある場合とない場合では、不安の大きさが変わります。

そのため「いまから少しだけ、お母さんは向こうに行くよ。〇〇したら戻ってくるよ」のように、事前に「何が起きるか」を簡単な言葉で伝えてみるのがおすすめです。目安がわかりやすくなるよう、言葉はシンプルにまとめましょう。

「〇時になったら」と明確にできると、さらに効果的です。

2.「離れる」のではなく「戻ってくる」という体験を積む

離れる=もう戻ってこない」という不安が、子どもの裏にある恐怖の原因になっているケースも多いものです。そのため「戻ってくる」ことを強調して伝えるのが重要といえます。

たとえば「お母さんは〇〇したら必ず戻ってくるよ」と繰り返し言葉にして伝えます。そして実際に戻ってきたときには「ほら、戻ってきたね」と確認すると「やっぱり戻ってくる」という安心の実感が積まれていくのです。

この「言葉で予告→実行→確認」のサイクルが、子どもの信頼感を育てます

3.「少しだけ離れる」練習を日常に取ラり入れる

突然長く離れるよりも、毎日少しずつ練習を積むほうが効果的です。

「お母さんがトイレに行く間だけ、ここで待ってね」「洗濯物を干してくる間、ここで遊んでいてね」のような「少しだけ離れる」場面を、無理のない範囲で日常に取り入れていきます

ポイントは、子どもが「成功体験」を積めるレベルから始めることです。

「やっぱりダメだった」という経験が続くと、子どもの不安がさらに強まる場合があります。そのため、最初は確実に「できた!」と感じられる短い時間や距離から始め、徐々にハードルを上げていくのが大切です。

4.「安心できるもの」を子どものなかに作る

子どもにとって、母親以外にも「安心できる」と感じられるものを見つけていけると、長期的に大きな力になります。これは「替えの親」ではなく「安心できる選択肢がある」という感覚を育てるものです。

たとえば、子どもが好きなぬいぐるみや慣れている場所、好きな音や動画など「これがあると大丈夫」と感じられるものを一緒に探していくとよいでしょう。

ライターMizuki

一時期、娘は特定のタオルがないと落ち着かず「これがこの子にとって『安心のお守り』なんだ」と気づいてからは、常に持たせるようにしました。いまでは、少しずつタオルなしでも過ごせる時間が増えています

5.子どもの「不安の言葉や行動」を受け止める

「行かないで」という言葉や、暴れる行動の裏には「とても不安だ」という気持ちがあります。そのときには「怒らない」「無理に引き離さない」という対応が大切です。

「不安だよね」「離れるのが嫌だよね」と言葉にして受け止めると、子どもは「気持ちを受け取ってもらえた」と感じられます。この安心感の積み重ねが、少しずつ「離れても大丈夫」という気持ちを育てていく土台になります。

ライターMizuki

娘が「ママ行かないで!」と泣き叫ぶ際、つい「大丈夫だから」と説得していたものです。しかし「不安だよね、嫌だよね」と気持ちを言葉にして受け止めるようにしたところ、娘の表情が少しずつ落ち着いてきました。受け止めることの大切さを実感しています

保護者へのメンタルケアも大切に

発達障害のある子どもの対応で頑張っていると、保護者は「自分のことは二の次」と感じてしまいがちです。しかし、保護者が少し楽になることで、子どもの安心感にもつながっていきます

母子分離不安が母親に与える影響

母子分離不安のある子どもを育てていると、母親自身にも大きな影響が出てきます。たとえば、仕事に行けなかったり、行けても集中できなかったりするなどです。「自分がそばにいないと」というプレッシャーで、自分の時間を持つのが難しくなります。

また「自分の育て方が悪かった」という罪悪感や「誰もわかってくれない」という孤立感を抱えやすくなるのも特徴といえます。そのような場合は、一人で抱え込まず、誰かに相談するのが大切です

母子分離不安で困ったときの相談先

一人で悩んでいて限界が来ている

そのような方は、以下の相談先を知っておくのが「いまの自分を救う一歩」になります。

  • 発達支援センター
  • 小児科や発達外来
  • カウンセラーや心理士
  • 発達障害児のご家族同士のグループやコミュニティ

また、園や学校と近況や情報を共有して、対応を相談するのも重要です。子どもが日中どのように過ごしているかを知ると、家庭での対応にもつながります。

「母子分離不安でしんどい…」そんなときは抱え込まずに相談を

発達障害のある子どもの母子分離不安は、突然すぐに解決するものではありません。無理をせず小さな一歩を続けていくと、子どもも保護者も少しずつ楽になっていきます。

保護者は「自分のせいではない」という事実を知り、子どもは「戻ってくる体験」を積み重ねながら、安心できる選択肢を少しずつ増やしていくこと。それが、いまできる「小さな一歩」といえます。

そして何より、保護者自身が一人で抱え込まないのが大切です。信頼できる人や専門機関に相談すると、新しい視点や具体的なサポートが得られる場合があります。

ファミケアちゃん

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この記事を書いた人

日本心理学会認定心理士、サービス介助士。「自分らしさを忘れない」をコンセプトに、自閉スペクトラム症の娘との暮らしをゆるりと楽しむママです。フリーライターとして臨床心理・介護・児童福祉・療育関連のコンテンツ制作および書籍編集などに携わりながら、児童福祉施設へも訪問しています。

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