訪問マッサージってどういうものなんだろう?



小児マッサージが気になるけど、うちの子も利用できるのかな…
筆者が「子どものためにリハビリ以外にできることはないか」と調べて訪問マッサージを知った時も、わからないことが多くて疑問だらけでした。
でも、利用し始めた今では新たな支援の選択肢としてもっと広まってほしい…!と思うくらい、マッサージを受ける時間が日常の一部として欠かせないものになっています。
そこでこの記事では、筆者や娘の体験談も交えながら、訪問マッサージの内容や対象となる子どもについて、また料金や利用の流れなどを詳しく解説します。
小児の訪問マッサージとは?
訪問マッサージとは、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持つマッサージ師が自宅などに訪問し、身体の状態に合わせて施術を行うサービスです。
高齢者や身体に不調のある成人向けの事業所が多いですが、近年は障がい児への支援としても広がりをみせています。
小児の場合は、リハビリのように「機能の回復」を目的とするのではなく、体を動かす時に発生する痛みや筋肉の緊張・体のこわばりを緩和させることを目的として行われます。
週に1回〜2回程度、同じ曜日・時間で定期的に利用するのが一般的です。



筆者の娘は、週に1回、30分~1時間程度のマッサージを受けています。
訪問マッサージの効果
訪問マッサージを受けることで、筋肉のこわばりの緩和や、関節の動きをやわらげる効果などが期待できます。
また、血行を促すことで身体が温まり、冷えやむくみの軽減につながることもあるんだとか。
定期的にマッサージを受けることで、姿勢保持がしやすくなったり、呼吸が落ち着いたりするケースもあります。
訪問マッサージで行う施術は、保険適用か自費で受けるかによっても内容が異なります(保険適用については次の章で説明します)。マッサージを受けることで感じる効果にも個人差があり、中には副次的に睡眠の質向上や子どもの感覚統合の促進が見られたという声も。
うちの子にはどんな効果がありそう?と気になる場合には、訪問マッサージの事業所に相談してみましょう。



いち利用者としての感想ですが、訪問マッサージには情緒の安定やリラックス効果もあるなと思います。筆者の娘は、知的重度ですが比較的動き回れるタイプで元気いっぱいな日はなかなか落ち着いて施術させてくれません。ただ、しばらくするとマッサージの時間ということを何となく認識するのか、落ち着きを見せて座ったり寝転がってくれて、5回に1回くらいの頻度で寝落ちします。かわいい。笑
小児の訪問マッサージの対象はどんな子ども?
障がいや疾患によって筋緊張が強く体が動かしづらい子どもや、体のバランスによって痛みがある子どもです。
具体的には、脳性麻痺、染色体異常、脳症の後遺症などで身体の動きや筋肉の調整が必要な子どもや、疾患や障がいの診断はついていないけれど寝たきりであったり首座りがまだできずに体の不調を抱えている子どもが対象となるケースが多いです。



筆者の娘は急性脳症を発症し、重度の後遺症が残った状態で自宅生活に戻ってから利用を始めました。
ただし、事業所や施術者によって得意としている障がい・疾患は異なります。利用を検討する際は、子どもの状態に合ったサポートができるかを確認すると安心です。
訪問マッサージの利用料金は?医療保険適用になるケースも
訪問マッサージの料金は、医療保険が適用される場合と自費で受ける場合で異なります。
医療保険が使えるのは、医師の同意書があり、それを踏まえて保険組合から「継続的なマッサージが必要」と認められたときです。
その場合、自己負担は1~3割で、1回あたり数百円〜千円台で受けられることが多いです。
小児の場合、医療保険と子ども医療費助成を組み合わせることで自己負担0円になるケースもあるので、詳細は事業所へ確認しましょう。
また、事業所によっては交通費やマッサージに使用するグッズを自費で負担する場合もあるので、併せて確認しておくと安心です。



筆者の娘が利用している訪問マッサージも医療保険が適用されていて、定期的に主治医に同意書を書いてもらっています。
一方、医師の同意書が得られない場合や保険組合から許可が下りなかった場合、また自由診療扱いの事業所では、自費(1回数千円前後など)での支払いが発生します。
料金体系は事業所によって異なるため、見積りや説明をしっかり確認しておくと安心です。
訪問マッサージの利用の流れ
訪問マッサージの利用を開始するまでの流れは、一般的には以下のとおりです。
- 訪問マッサージの事業所を探す
- 問い合わせ・見学・体験などを経て、子どもの状態や目指したい状態、施術の内容などを共有
- 医師の同意書を取得(保険適用希望の場合)
- 契約・施術スタート
利用の流れや必要書類は事業所や保険組合、自治体によって異なるため、事前に確認しましょう。
訪問マッサージの探し方
訪問マッサージの具体的な探し方は、以下のような方法が挙げられます。
- 自治体の福祉課、地域の相談支援センター、主治医に相談する
- SNSや口コミサイトで探す
- 「訪問マッサージ+地域名」で検索して候補を探す
自宅に来てもらうサービスだからこそ、相性や信頼感もとても大切です。訪問マッサージの内容だけでなく、施術者とのやり取りのしやすさも重視するといいでしょう。



筆者の場合はSNS(Instagram)で見つけました。気になる事業所を見つけたら公式ホームページで訪問エリアや費用などを確認し、問題なさそうであれば一度無料相談などを申し込むのがおすすめです。
小児訪問マッサージのメリット・デメリット
ここからは、実際に訪問マッサージを利用している筆者から見た、訪問マッサージのメリットデメリットをお伝えします。
小児訪問マッサージのメリット


自宅で受けられる
外出や移動が難しい場合でも、自宅で安心して施術を受けられます。天候や体調に左右されず、子どものリズムに合わせやすいのも魅力です。
子どもの身体の変化に気づきやすくなる
有資格者のマッサージ師と関わることで、親だけでは見逃しがちな身体のサインを確認することができます。
「最近ここの動きが出てきたね」「今日は少しむくみが強いね」など、日々の変化を共有できるのは心強い点です。



筆者の娘も日によって状態が異なるため、特に体をたくさん使った日などは「今日はここの筋肉がいつもよりちょっと張っていそう」といったフィードバックを受けることも。親だけでは気づけないケアを定期的にしてもらえるのは本当にありがたいです。
親子ともにリラックスできる
施術を通じて子どもが穏やかになると、親の気持ちにもゆとりが生まれます。リハビリのように「目的に向かってがんばる時間」とは少し違う、体のリラックスができる時間を持てるのも大きなメリットです。



筆者は、30分~1時間くらい子どもの身体にじっくり触れてもらいながら「変化や課題について専門家と話す時間を定期的が持てる」ということ自体がリフレッシュになっています。
小児訪問マッサージのデメリット
毎週決まった時間に訪問がある
定期的な訪問が基本のため、スケジュール調整が必要です。決まった曜日・時間に必ず訪問があるので、もし気持ちの面で負担に感じてしまう場合は利用を見直してもいいかもしれません。
担当者との相性に左右されることもある
施術の方針や人柄によって、子どもとの相性が合わない場合もあります。体験や面談の段階で信頼関係を築けそうかどうか確認するといいでしょう。



そうはいっても、利用を開始してから「ちょっと厳しいかも…」と気付く可能性もありますよね。あくまで子どもの状態やペースを大切に、無理のない範囲で続けてくださいね。
「訪問マッサージ」という新しい選択肢を検討してみませんか?
「マッサージ」と聞くと特別な治療のように感じるかもしれませんが、いち利用者として、小児の訪問マッサージは“身体への施術を通じて心も整えるケア”と言い換えてもいいのでは、と感じています。
また、家庭の中でのケアのひとつとして取り入れやすいのも魅力。我が家はマッサージの方法を担当の方にレクチャーしてもらって、寝る前にも短時間ですが取り入れています。
訪問マッサージという形でじっくり時間をかけて施術してもらうことで、子どもの心身の小さな変化やサインに気づくことも増え、親としての安心感にもつながります。
「訪問マッサージ、気になってたんだよな…」「マッサージっていいかも!」と興味を持たれた方、ぜひこの機会に利用を検討してみてはいかがでしょうか。リハビリや療育、保育とも違う新たな選択肢として、とてもおすすめです。
効果を実感しているいち利用者として、訪問マッサージがこれからもっと広く知られていってほしいなと思います。













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