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感覚遊びってなに?簡単感覚遊びの効果とコツを発達障害児9歳娘との体験からご紹介

感覚遊びってなに?簡単感覚遊びの効果とコツを発達障害児9歳娘との体験からご紹介
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障がいのある我が子にとって、楽しいと感じる遊びって何だろう?

障がいのある子と遊びたいけど、どんな風にしたらいい?

発達障害児を育てている方なら、一度はこのように考えたことはありませんか?発達に何らかの偏りがある場合「感覚」の発達も未熟で、特定の感覚刺激を強く求める、あるいは拒絶するといったケースがしばしば見られます。

そこで今回は、自閉スペクトラム症の娘と暮らす筆者が、感覚に敏感もしくは鈍感な子どもたちにぴったりの簡単な感覚遊びをご紹介。感覚遊びから得られる効果やコツなども併せてお伝えいたします。

目次

感覚遊びとは?

感覚遊びとは、子どもがあらゆる素材に「視覚」「聴覚」「触覚」「固有受容覚」「前庭覚」などさまざまな感覚で触れ、その違いを楽しむ遊びです。素材に触れたり体を動かしたりしながら、脳の活性化を促していきます。

ライターMizuki

「固有受容覚」は力の入れ具合や身体の位置を確認して動きを感じ取れる感覚、「前庭覚」は姿勢を保ったり動きの速さを理解したりするための感覚を指します

感覚のなかでも「感覚過敏」「感覚鈍麻」な子どもがいます。子どもが安心して感覚遊びを楽しむために、まずは事前にどちらの感覚に近いかを確認しておくのがおすすめです。

▼感覚過敏の特徴の一例

  • 小さな音や光に過剰に反応する
  • 特定の素材の触り心地が苦手
  • 多くの匂いを強烈に感じる
  • 寒暖の変化に敏感
  • 雑音が気になりやすい
  • 触れられることに過剰に反応する

▼感覚鈍麻の特徴の一例

  • 痛みを感じにくい
  • 温度の変化に気付きにくい
  • 寒暖の変化に鈍感
  • 匂いや味が分かりにくい
  • 音が聞き取りにくい

感覚遊びが障がい児の発達にもたらす効果って?

正直なところ、感覚遊びって発達にどんな効果があるの?

このような声をいただくことがあります。身体全体を使う感覚遊びは、子どもの成長や発達に有効な方法として、療育の現場でも取り入れている方法です。感覚遊びでは、以下のような効果が期待できます。

遊びから「楽しい!」を見出せる

発達障害児は、感覚過敏や情報処理の困難さから、遊びを純粋に楽しめない場合があります。しかし、一人ひとりに適した感覚遊びを通して集中できると「楽しい!」との快の感覚を得られ「もっと挑戦してみたい」と積極性にもつながるのです。

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探求心が育まれ、学習意欲の原動力にもなり得ます

集中力の向上や情報処理能力の向上

感覚遊びでは、音や形、動きなどさまざまな刺激に反応しながら遊びます。そのため、集中力が養われ、複数の情報を同時に処理する力を養えるのが特徴です。また、感覚を使っての遊びで脳の情報処理機能を鍛え、認知能力の発達の促進にもつながります。

社会性の育成

感覚遊びは個人で実践できる場合も多く、一人で遊ぶのが好きな発達障害児にとっては取り組みやすいもの。しかし、他の子どもや大人と一緒に実践すれば交流が生まれ、社会性が育くめます。

また、相手と楽しみを共有したりルールを守ったりすることで、対人関係の構築力が養えるのも魅力です。さらに、模倣したり真似をしたりなど、相互模倣を通じてコミュニケーション能力にもアプローチできます。

家庭でも実践できる!障がい児が楽しめる感覚遊びの種類

感覚遊び、大事なんだろうけど家でするのはなかなか難しそう…

そう感じる方も多いはず。療育の現場で多く取り入れられている感覚遊びですが、実は家庭で実践できるものもたくさんあります。

「視覚」を意識した感覚遊び

  • 肩車や「高い高い」
  • 植物を育てて葉や花の色、形を見る

「聴覚」を意識した感覚遊び

  • 新聞紙やチラシを丸める
  • 楽器を演奏する
  • 親子で歌う
  • 肩車や「高い高い」の状態で話す
  • 歌や音楽に合わせて体を動かす

「触覚」を意識した感覚遊び

  • 粘土遊び
  • ボールプール
  • シールを貼ってはがす
  • スライム遊び
  • 泥遊び
  • 木の実や葉っぱ、花などに触れてみる
  • 芝生に寝転がる

「前庭覚」を意識した感覚遊び

  • シーソー
  • 滑り台
  • ブランコ
  • トランポリン遊び
  • バランスボール

「固有受容覚」を意識した感覚遊び

  • 小さな段差をのぼりおり
  • 椅子の下をくぐり抜ける
  • 床に障害物を置いてハイハイや歩きでまたぐ
  • タオルで綱引き
  • 線を引いたところまでジャンプ
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ただ歩くのではなく障害物を設置したり、ただジャンプするのではなく線を引いたりすることで「うまくやりきるにはどれくらい足を上げるべきなのか、身体をひねらなければならないのか」「どれくらいの力が必要か」をコントロールする力が養われるため、子どもが自分で工夫しやすくなります

▼感覚遊びもある療育になる遊びアイデアの紹介はこちらの記事をチェック

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感覚遊びを取り入れる際の注意点

療育の現場だけではなく、家庭でも手軽に取り入れやすい感覚遊び。次のことに注意すれば、ご家族も子どももリラックスしながら遊びをより楽しめます。

安全性の確保

  • 遊具や素材には安全性が高く、衛生的なものを選ぶ
  • 活動場所の安全チェック(転倒・転落・誤飲の危険がないか)
  • 十分な見守り体制を整える

個別のニーズへの配慮

  • 子ども一人ひとりの感覚特性(過敏・鈍麻等)を把握し、適切な遊び方を工夫する
  • 発達段階に合わせた難易度の活動を用意する
  • 嫌がる反応があれば無理強いせず、休憩を取る

遊びの環境を整える

  • 事前にルール・見通しを示し、わかりやすく説明する
  • 一つの活動に集中できる時間配分を工夫する
  • 注意力が散漫にならないよう、刺激が最小限に抑えられる環境を用意する

段階的なアプローチ

  • 最初は簡単な遊びから始め、徐々に難易度を上げていく
  • 新しい感覚を導入する際は、慎重に少しずつ行う

我が子に合った感覚遊びが分からない…!

こんな感覚遊びを取り入れてみたいけど、我が子にとってはどうなんだろう?

そんな方は、通っている児童福祉施設など専門機関で相談してみてくださいね。

感覚遊びを取り入れた自閉スペクトラム症の娘に見られた変化

筆者の娘は、4歳4ヶ月で自閉スペクトラム症と診断されました。感覚面では過敏さが見られ、音に敏感で大きな音には極端に反応したり、触られるのを嫌がったりする様子が見られます。注意力も散漫で、一つ遊んではすぐにやめて別の遊びに…がほとんどでした。

そこで、娘の感覚特性に合わせた感覚遊びを療育や家庭で取り入れてみたところ、指先をたくさん使う遊びでは非常に集中して遊ぶように。劇的に言葉が増えたわけではないものの、感覚遊びを通して感じるさまざまな気持ちや感情を、表情でこちらに伝えてくれるようになりました。

特に、音楽に合わせてリズミカルに体を動かす遊びは大好きで、現在も取り入れると楽しそうに没頭中。感覚遊びを取り入れて個人的に一番魅力的だったのは、この部分でした。もちろん、集中力を養ったり運動能力を伸ばしたりするのは大切ですよね。しかし同様に大切なのは、子ども自身が新しい自分を発見する興味関心、「楽しいからもっと遊びたい」と思える心です。

感覚遊びは障がい児の五感の宝庫

五感や全身をふんだんに使う「感覚遊び」。“普段何気なくしていたことに感覚遊びが入っていた…!”なんていう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「我が子は感覚の中での過敏なのか、あるいは鈍麻なのか」をまず確認し、どの刺激を優先して家庭でやってみるかを決めましょう。意外にも、大人も一緒に楽しめてしまう遊びは豊富ですよ。

ファミケアちゃん

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この記事を書いた人

日本心理学会認定心理士、サービス介助士。「自分らしさを忘れない」をコンセプトに、自閉スペクトラム症の娘との暮らしをゆるりと楽しむママです。フリーライターとして臨床心理・介護・児童福祉・療育関連のコンテンツ制作および書籍編集などに携わりながら、児童福祉施設へも訪問しています。

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