疾患や障がいのある子どもを育てていると必要になる「受給者証」。
まだ申請したことないけど、どうやって申請するの?
自分の子どもが利用している受給者証の他にどんなものがあるの?
と思っている方に、今回は受給者証を利用している障がい児育児中の筆者が、受給者証とはどんなものなのか、種類や使用する場面などを紹介します。
受給者証とは
受給者証は、主に市区町村から発行される障害福祉サービスの給付証明書です。受給者証は総称で、具体的には様々な種類があります。
受給者証は会話の中で、正式名称を略して呼ばれることが多くなっているよ!「受給者証を持っていますか?」と聞かれた場合は、会話中のサービスを使うための受給者証を指していることが多くなっているんだ。
利用したいサービスの受給者証を申請して取得することで、児童発達支援所や放課後デイサービス、介護ヘルパーなどを公費負担で利用することができます。なお、各受給者証によって申請や取得までの流れは異なる場合があるため、注意しましょう。
多くの受給者証には利用できるサービスの種類や支給量(利用可能日数)、負担上限月額などが記載されています。
受給者証ごとに設定されている世帯収入の制限に該当しなければ、受給者証を使用することで多くの利用者が利用料の1割を自己負担、9割を自治体負担の料金でサービスを利用することができます。
【参照】受給者証はどうやって取る?児童発達支援・放課後等デイサービスの利用までの流れを解説|LITALICOジュニア
URL:https://junior.litalico.jp/about/hattatsu/news/detail/jyukyushasho/
間違えやすいですが、障害者手帳とは全くの別物です。
▼障害者手帳の詳しい説明はこちらの記事でどうぞ
受給者証の種類
受給者証の種類は「福祉サービスを受けるためのもの」と「医療を受けるためのもの」にわけられます。それぞれの受給者証についてご紹介します。
【参照】受給者証とは?申請や更新について分かりやすくまとめました|放課後等デイサービスASIS
URL:https://asis-youth.jp/jukyusyasyo_toha/#i-2
福祉サービスを受けるためのもの
通所受給者証
児童発達支援や放課後等デイサービスを利用する時に使う受給者証です。受給者証を取得する際に子どもによって月間の利用上限日数が決定されます。サービスを利用する際は、別途施設と契約して利用日数上限内で児童発達支援や放課後等デイサービスを利用できます。日数は1つの事業所で使っても、複数の事業所で使っても問題ありません。
▼通所受給者証についてはこちらで詳しく解説しています
▼児童発達支援の利用開始方法はこちらで詳しく紹介しています
▼放課後等デイサービスについてはこちらで詳しく解説しています
障害者福祉サービス受給者証
短期入所や居宅介護のような障害福祉サービスの「介護給付」を受ける場合、就労移行支援などの「訓練等給付」を受ける場合に必要な受給者証です。
【参照】就労移行支援事業所の利用に必要な障害福祉サービス受給者証とは?申請方法とポイントを解説 |ミラトレノート
URL:https://mirai-training.jp/note/fundamental/012.html
▼居宅介護についてはこちらの記事で詳しく解説しています
▼短期入所についてはこちらの特集で詳しく紹介しています
地域生活支援事業受給者証
市区町村が主体となって運営する事業である地域生活支援事業を利用する際に必要な受給者証です。利用内容は各市区町村によって異なりますが、移動支援や日中一時支援事業などがあります。
【参照】
・移動支援について|八王子市
URL:https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/welfare/005/008/002/p004317.html
・地域生活支援事業|浜松市
URL:https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/syoghuku/welfare/nityu.html
地域生活支援事業とは、障害者や障害児が基本的人権を尊重され、個人としての尊厳にふさわしい日常生活や社会生活を営むことができるよう、市町村等が主体となって地域の特性や利用者の状況に応じて実施する事業のことをいいます。
【参照】地域生活支援事業 |厚生労働省
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/chiiki/index.html
障害児入所受給者証
施設に入所する際に必要な受給者証です。障害児入所受給者証は児童相談所と相談した上で、児童相談所に申請を行うものです。
【参照】【障害児通所・入所給付費】受給者証の取得方法、体験談まとめ|LITALICO発達ナビ
URL:https://h-navi.jp/column/article/35025518
同じ入所でも短期入所(ショートステイ)とは異なるよ!
医療を受けるためのもの
障害者医療費受給者証
市が自己負担の一部を助成し、受給者の費用負担を軽減する障害者医療費助成制度を利用する際に必要な受給者証です。身体障害者手帳や精神障害者保険福祉手帳などの級数によって利用できるかが変わってきます。
【参照】心身障害者医療費助成制度(マル障)|東京都福祉局
URL:https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/seikatsu/josei/marusyo.html
自立支援医療(精神通院医療)受給者証
統合失調症やうつ病などの精神疾患により、通院による継続した治療を受ける場合、医療費の負担額を軽減できる受給者証です。自立支援医療(精神通院医療)制度の対象となる医療を受けた場合、原則、医療費の1割を負担することになりますが、世帯収入によって月額の負担上限額が定められています。
【参照】自立支援医療(精神通院医療)申請者の方へ|埼玉県
URL:https://www.pref.saitama.lg.jp/b0606/jiritu-sien.html
小児慢性特定疾患医療受給者証
小児の慢性疾病のうち、国が定めた疾患をもつ子どもの医療費の一部を補助してもらえる受給者証です。対象者は年齢が18歳までで、小児慢性特定疾病の子どもに限られます。
【参照】小児慢性特定疾病の対象疾病リスト|小児慢性特定疾病情報センター
URL:https://www.shouman.jp/disease/search/disease_list
▼小児慢性特定疾病についてはこちらの記事で解説しています
受給者証の取得方法
ここでは通所受給者証の取得方法を参考に、おおまかな受給者証取得の流れについて紹介します。
地域や受給者証の種類によって申請の方法が異なる場合があるので、ざっくりとした流れをつかみつつ、市町村区や児童相談所等、その受給者証の申請を受け付けている窓口に相談してみましょう。
【参照】受給者証について|北海道こども発達研究センター
URL:https://kodomo.hokkaido.jp/category20/
受給者証の申請に必要な書類や証明書
通所受給者証の申請に必要なものは、以下のようなものです。
- 通所受給者証取得のための申請書
- 医師の意見書または療育手帳、医師による診断書などの証明書
地域によって不要な書類、必要な書類が異なる場合があります。
受給者証の申請と取得の流れ
受給者証の申請と取得の流れは以下のようになっています。
- 必要な書類や証明書を用意する
- 市町村区の支援課の窓口や児童相談所等、受給者証の申請を管轄している窓口に提出する
- 医師の意見書や診断内容を踏まえて、地域で支給の決定や支給量を調整する会議などが行われる。支給決定となれば受給者証が交付される
- 支給決定後、サービスの利用を開始を開始する
交付された時に、支給量を確認するようにしましょう。
▼通所受給者証の申請方法はこちらで詳しく解説しています
受給者証に記載される支給量とは
サービスを利用できる上限のことを支給量や支給上限と呼びます。たとえば、通所受給者証の場合「14日」と記載があれば、月間で最大14日分利用することができます。複数の事業所を利用する場合は、全ての事業所の利用日数の合計が支給量となるので注意が必要です。
【参照】受給者証はどうやって取る?児童発達支援・放課後等デイサービスの利用までの流れを解説|LITALICOジュニア
URL:https://junior.litalico.jp/about/hattatsu/news/detail/jyukyushasho/
▼詳しくはこちらで解説しています
受給者証を使用する場面
福祉サービスを受けるための受給者証は、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの施設で、月の利用日数を決めるときに提出します。提出すると、事業所ごとに利用日数を記入してくれます。
また移動支援や日中一時支援事業を利用する際も受給者証の提出が必要になります。医療を受けるための受給者証では、会計や入院手続き、診察を受ける際の受付時に提出します。
受給者証を申請して福祉サービスや医療サービスを利用しよう
障がい児が疾患児を育てていると必要になる「受給者証」。福祉サービスを利用するのに必要なものと、医療を受けるのに必要なものとに種類がわけられます。
それぞれ利用する場面が違ったり、申請する場所が違ったりするので、申請する場合は市区町村の支援課窓口で1度確認してみましょう。
この記事を見て、受給者証がどんなものなのか理解が深まってくれると嬉しいです。
▼受給者証を持っていることで障害者割引が利用できる場合があります。障害者割引が利用できるサービスの例はこちら。
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