児童発達支援に通わせてみたいけどどうやって利用したらいいかわからない
と、児童発達支援に興味はあるけど、通うまでの手順や利用方法がわからず、躊躇している方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、児童発達支援の利用方法や利用までの流れを、筆者の経験談を含めて紹介したいと思います。
児童発達支援を利用できる人は?
児童発達支援を利用できる人は、障がいがあったり、発達に心配があったりする未就学の子どもです。就学児は「放課後等デイサービス」に通所します。
児童発達支援とは言葉のとおり、児童の心身の発達を促すための制度です。児童発達支援のことや児童発達支援を行っている通所施設のことを「児発(じはつ)」と略して呼ぶこともあります。
▼児童発達支援についての詳細はこちらの記事をCheck!
児童発達支援の利用方法
児童発達支援を利用するには、行政の手続きと児童発達支援施設(センター・事業所)との手続きが必要です。
①児童発達支援の利用を相談をする
まずは児童発達支援を利用したい旨を市区町村の窓口に相談します。窓口は役所にあることもあれば、別の場所にあることもありますので市区町村に確認しましょう。
自分で調べてもわからない場合は、障害福祉を担当している市区町村の課(障害福祉課 等)に児童発達支援の相談窓口を聞いてみましょう。
②通所受給者証を発行してもらうための申請手続きをする
児童発達支援を利用するためには通所受給者証が必要です。
通所受給者証の発行は、市区町村で定められた窓口とやりとりして行います。相談支援専門員と連携している場合は、その方と一緒に進めていく場合もあります。
通所受給者証の取得には
・障害児通所給付費支給申請書
・障害児支援利用計画案(セルフプランの場合もあり)
のほか、地域によって
・療育手帳
・障害者手帳
・医師の診断書や意見書
などが必要な場合があります。また、書類の提出に加え面談をする地域もあります。実際には、市区町村によって必要な書類や対応は異なっているため、住んでいる市区町村の情報を確認するようにしましょう。
我が家の地域の場合では、医師の意見書や診断書などの専門的な目で見て療育の必要性があると認められた書類が必要でした。
なお、障害児支援利用計画案は、児童発達支援の利用にあたっての計画案で相談支援専門員等が作成しますが、親が自分で作成をすることもできます。自分で作成した場合の利用計画案をセルフプランと呼びます。
すべての書類が揃ったら、市区町村の担当窓口に提出します。
③通所する児童発達支援施設を探す
受給者証を申請し、受給者証発行を待つ間に市区町村の担当窓口や相談支援専門員からの提案、地域のつながりでの口コミなどで、通所する児童発達支援施設を決めます。
継続的に通えることが大切なので、通所に負担のない距離で、安心して通えそうな児童発達支援施設かどうかも確認しながら探しましょう。
筆者の場合は肢体不自由の息子が通える児童発達支援センターが地域に限られていたため、担当窓口で提案された通りの2つの施設に通所することになりました。
1ヶ所は個別対応で手厚く見てくれる児童発達支援センターで、もう1ヶ所は集団の児童発達支援センターです。それぞれ雰囲気やプログラムの内容が違うので、バランスよく通えるようにしています。
④児童発達支援施設に見学に行く
児童発達支援施設に直接連絡をとり、見学にいきましょう。
施設でどんなことをやるのか、子どもが馴染めそうな雰囲気か、どんな職種の人が配属されているのかなどをチェックすると、安心して通所できます。
⑤受給者証が手元に届く
申請内容が通所受給者証の発行の要件を満たしていると判断され、必要な受給量(児童発達支援を利用する日数)が決まると給付決定となり、受給者証が発行されます。
児童発達支援を利用できる日数は、利用計画案を参考に市区町村が決定するため、必ずしも希望の日数にならないこともあります。
申請してから審査の期間は市区町村によって違っていますが、申請後1ヵ月もしくは1ヵ月以上かかることもあります。施設が決まっていなくても、児童発達支援を使いたいと思ったら、早めに申請に動くのがおすすめです。
⑥通所する児童発達支援施設を決定する
児童発達支援施設に見学に行き通所すると決めたら、契約をします。月にどれくらい通うのかや通所する日は、希望を伝えて選べる場合もあれば、選べないため指定の日時に行くこともあります。
市区町村や施設によって異なるため、施設見学の際などに情報をキャッチしておくと良いかもしれません。
筆者が通う地域の施設では、契約時に月にどのくらい通うのかを決め、通所受給者証に契約支給量を通所受給者証に書いてもらいました。スケジュールも前月の10日までに希望日を伝えると、20日前後に通所日が決定するルールになっています。
⑦児童発達支援施設に通所する
無事契約が終わると、通所の開始です。予定日に児童発達支援施設に行って過ごします。
▼児童発達支援の内容や1日の流れについての詳細はこちらの記事をCheck!
児童発達支援センター・事業所の探し方
児童発達支援が受けられるのは、児童発達支援センターや児童発達支援事業所です。施設の見つけ方、探し方もご紹介します。
1.市区町村の窓口で相談し一覧表をもらう
市区町村の児童発達支援管轄の窓口に行くと、地域にある児童発達支援センターや児童発達支援事業所の一覧やパンフレットがもらえることがあります。フォーマットが自治体によって違い、すごく詳しく記載されている場合もあれば、一覧自体がないこともあります。
地域にある肢体不自由な息子が通える児童発達支援センター自体が筆者の住む地域には少なく、選択肢が限られていたこともあり、簡単に見つけることができました。
2.先輩方の口コミで教えてもらう
家族会や地域の集まりで、先輩ママパパから情報を得る方法があります。「ここの児童発達支援センターはリハビリもやってるよ」のように新しい情報を教えてくれるので、とても助かります。新しくできる施設の情報などもキャッチできることがあります。
3.訪問看護師や訪問医など支援者から情報を得る
訪問看護師や訪問医、訪問介護士、保育士など普段支援をしてくれる人が情報を持っている場合もあります。他の利用者さんが利用している児童発達支援施設を教えてくれたり、元々繋がりのある児童発達支援施設を教えてくれることもあります。
児童発達支援施設センター・事業所の見学のポイント
見学する上で実際に筆者が見ていたポイントも紹介します。
1.児童発達支援施設で実際に関わる先生との相性の良さ
児童発達支援施設でプログラム内容や支援内容の説明の際、関わってくれる先生との相性を見てみましょう。
見学で簡単な参加ができる場合は、その際の子どもとの関わりなどもチェックできます。いろんなタイプや方針の先生がいるので「この先生なら子どもが楽しめそうだな」と思えるかどうか、確認できると安心です。
2.通所に負担のない距離かどうか
通所する日数にもよると思いますが、児童発達支援で子どもの成長を促すためにも、通い続けることが大切です。
無理なく負担のない距離に児童発達支援施設があるかどうか、も見学時に確認したいポイントです。
地域によっては、児童発達支援施設の数が限られているので選べない場合もあるかと思いますが、子どもだけでなく親が元気に過ごせるように、負担はできるだけ軽減しましょう。
3.どんな職種の人が配置されているか
児童発達支援施設には、配置必須の職種と、任意で配置することができる職種があります。もし子どもに医療的ケアがある場合、看護師がいる児童発達支援施設を選ぶと安心です。
また、理学療法士や言語発達士などの専門職がいる児童発達支援施設では、リハビリに近い形で支援を受けることができます。
筆者の通っている児童発達支援センターでは看護師とPT(理学療法士)がいてストレッチや寝返りの練習、立位の練習などをしてくれています。
4.親子分離か親子通所かどうか
通所の方法が親子分離か、親子通所かどうか確認しましょう。
子どもが児童発達支援で支援を受けている間、ゆっくりリフレッシュしたいと考えている人は、親子分離できるかどうか事前に確認しておくことをおすすめします。
筆者が通っている児童発達支援センターでは、同じ施設内なら親子分離が可能で、仮眠室も用意されているためゆっくり休めるようになっています。また、もっと時間を重ねれば、外出可能の完全親子分離もできるようになるそうです。
児童発達支援の利用開始の注意点
児童発達支援にいざ通いはじめると「頑張って通わなければ」という気持ちになってしまうこともあります。でも、親子共に新しい環境になるので、あまり構えすぎないことも大切です。
子どもによっては、すぐに新しい人や場所に場馴れする子もいれば、人見知りしやすく最初は緊張する子どももいます。あまり無理せず、子どもの調子をみながら通所するようにしましょう。
また、体調の変化や親の負担も変わってきます。はじめてのことは負担も大きくなりがちなので、「絶対に児童発達支援に通わなければ!」と力を入れすぎないようにしてくださいね。
児童発達支援施設にいる先生たちは子どものことで心配なことがあれば相談にも乗ってくれますし「今日は人見知り大発揮中なんです」と伝えれば、無理に近づいたりしないように配慮してくれることもあります。
児童発達支援の流れをつかんで通所してみよう
障がいがあったり、発達に心配があったりする未就学の子どもが通所できる児童発達支援。まずは通所受給者証を申請し、通所する児童発達支援施設を探しましょう。
実際に見学に行き、自分と子どもに合う児童発達支援施設かどうか見極めるのが大切です。
上述しましたが、筆者が通う児童発達支援センターにいる先生たちは、子どもが楽しんで過ごせるように工夫、配慮してくれる方ばかりです。子どものことで不安なことがあれば相談にも乗ってくれるので、子どものためだけでなく、心の拠り所が1つ増えると考えて通所するのもありだと思います。
親子で安心して通所できる児童発達支援施設が見つかることを願っています。
コメント