障害者手帳をスマートフォンのアプリでデジタル化できるミライロID。徐々に使える場所も増えてきています。この記事では、実際にミライロIDを登録・利用した筆者がミライロIDの登録方法や利用方法、使える場所、メリット・デメリットまでご紹介します。
ミライロIDとは?
ミライロIDは障害者手帳を電子化できるスマホアプリです。紙やカードタイプの障害者手帳をアプリに登録することで、ミライロIDを本人確認書類として認めているレジャー施設やお店等で証明書として利用する事ができます。
障害者手帳の提示を証明として求められる時に、カバンや財布から手帳を取り出す手間を省く事ができる他「障害者手帳を提示しているのを見られるのが嫌だな……。」という時にも、スマホを見せるだけで割引が受けられます。
ミライロIDに登録できるのは、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の3種類です。
ミライロIDに料金はかかる?
ミライロIDは、アプリのダウンロードや利用に料金はかかりません。
子どもの障害者手帳をミライロIDで利用できる?
自分以外の障害者手帳をアプリで管理する事はできますが、いくつか注意点もあります。
子どもの障害者手帳を親が登録する事は可能
子どもの障害者手帳を親のスマートフォンアプリに登録する事ができます。登録まで、特に関係性を記入する箇所はありませんでした。
アプリ1つに対して1人分しか登録できない
アプリ1つに対して1人分しか登録できないので注意が必要です。たとえば、手帳を持っている兄弟が2人いる場合やおばあちゃんと子どもの分の2人分などは1つのアプリに登録できないので注意しましょう。お母さんは長男の分、お父さんは次男の分などであれば登録はできます。
1つの手帳は1つのアプリでしか登録できない
1つの手帳は1つのアプリまでしか登録できないのも注意が必要です。つまり、お母さんのスマートフォンから子どもの分を登録している場合、お父さんのアプリからは子どもの電子障害者手帳は利用できません。本人がスマートフォンを新しく買って登録したい場合も不可になってしまいます。誰が登録するか決めておき、変更したい場合はもともと使っていたデータを削除する必要があります。
障害者手帳を持ってない子は使えず、申請もできない
ミライロIDはあくまでも障害者手帳をデジタル化するものなので、ミライロIDから障害者手帳を申請する事などはできません。障害者手帳を持っていないとミライロIDアプリは利用できないので、障害者手帳を持っていない方は市区町村の申請手続きからはじめましょう。
障害者手帳については別の記事でも紹介しているので参考にしてください、
将来的には申請もスムーズになると嬉しいね!
ミライロIDの登録方法
ミライロIDの利用には、アプリのダウンロードや登録が必要です。実際に登録しながら登録方法や手順を紹介します。
ミライロIDの登録・利用開始方法
1. ミライロIDのアプリをダウンロードする
AppStoreもしくはGoolePlayからミライロIDのアプリをダウンロードします。
2. アカウント登録する
最初にガイドが出るので次へをタップしていきます。
ログイン画面になったら、「アカウント登録はこちら」をタップ。
アカウント登録画面が出るので、電話番号(SMS認証)、パスワード、障害特性の選択、使用している機器を登録します。障害特性と使用している機器に関しては、入力をスキップする事もできます。
アカウント登録完了の画面が出たら登録が完了です。
3. アプリに手帳を登録する
ホーム画面から「手帳を登録する」を選択します。
確認事項を読んだ後、登録する手帳の種類、名前、生年月日の情報を入力します。
次に、障害者手帳の撮影をします。折り目ごとにそれぞれのページを撮影する必要があります。カバーがついたままの写真はNGになっているので、カバーから出すのを忘れないように撮影しましょう。
撮影した画像を送信すると完了です。完了画面が表示されます。
4. 審査が完了すると画面表示が変更される
審査が完了すると審査中だった画面が切り替わります。筆者の場合は3営業日で申請が完了しました。
画面が切り替わっていれば、実際のお店や施設で利用する事ができます。
ミライロIDとマイナポータルを連携する方法
ミライロIDはマイナポータルと連携できるようになっています。マイナポータルの連携には、
- 障害者手帳を登録済みのミライロIDアプリ
- マイナポータルアプリ
- マイナンバーカード
が必要です。ミライロIDの登録には審査で3日程度かかるため、障害者手帳の登録とマイナポータル連携を同じ日にする事はできません。また、子どもの分の手帳を連携する場合、子どもがマイナンバーカードを持っていて情報がマイナポータルに入っている事も必要です。
連携する手順は以下の流れです。
ミライロIDとマイナポータルを連携する手順
- ミライロIDアプリをアプリのホーム画面かマイナーポータルのアイコンをタップ
- 連携しても良いか確認する画面が表示されるので「連携する」を選ぶ
- 自動でマイナポータルが立ち上がるので、マイナポータルで本人確認をした後、最後まで手続きを完了する
手順を最後まで進めるとミライロIDアプリのホーム画面の「マイナポータル」の部分に「申請中」と表示されます。申請中に、申請を取り下げる事はできません。
ミライロIDの使い方・できる事
ミライロIDは、基本的には窓口や対面での支払い時にアプリを見せて利用します。一部QRの読み取りで割引が利用できる場合もあります。なお、割引内容にはミライロIDでないと使えない割引(クーポン)と紙タイプ・カードタイプでも使える従来の割引があります。
ミライロIDの使い方一例
- 公共交通機関の利用の割引の際に証明書として使える
- アミューズメント施設を利用する際に割引でチケットが購入できる
- 駐車場を利用する際に割引が使える
- 近くのコンビニで割引クーポンがつかる
実際にミライロIDを使ってみた
ミライロIDの申請完了後、実際の店舗や施設でミライロIDを使用してみました。
JR東日本
JR東日本では、マイナポータルの連携済みのミライロIDであれば、割引を受けることができます。筆者は新幹線の乗車券購入時に利用しようと提示しましたが、子どもの分のマイナポータル連携をしていなかったため、利用ができませんでした。JRで各種割引を利用する際にはマイナポータル連携をするか、紙の手帳を利用しましょう。
プラネタリウム満天(サンシャイン池袋)
サンシャインシティ池袋ではプラネタリウム満天とサンシャイン水族館でミライロIDを使って割引を受けることができました。特に予約等はなく、当日販売のチケット売り場に並んでチケットを購入できます。
窓口にはミライロIDが利用できるステッカーも貼ってあります。
はじめて利用したので、スタッフさんが何か画面上で操作するのかな?と思ったのですが、本当に画面を表示して見せるだけでした。
西武鉄道
西武鉄道でもミライロIDを利用する事ができました。障がい者の介助者用回数券を購入する際に使用しました。
こちらは特にミライロIDの表示はなかったのですが「デジタルの障害者手帳でも使えますか?」と聞いたところ、特に問題なく利用できました。ステッカーの表示がないところでも、聞いてみると使えるところがありそうです。
東京都障害者総合スポーツセンター
東京都障害者総合スポーツセンターの利用申請登録では、利用する事ができませんでした。電子の障害者手帳には対応していないそうなので、紙で発行された障害者手帳の持参が必要です。
ミライロIDのメリット・デメリット
ミライロIDを利用するメリット
障害者手帳を取り出さなくて良い
手持ちのスマホで簡単に障害者手帳が提示できるため、障害者手帳をカバンや財布から取り出す必要がありません。障害者手帳を出すのに抵抗感がある人にもおすすめです。障害種別を登録しておけば、必要なサポートを説明しなくても伝えられる事もあります。
割引やサポートが使える
公共交通機関や施設の障害者割引はさまざまな場所で利用できますが、実際活用しきれていないという人も。ミライロIDはマップから使える場所を見つける事ができるので、利用できる場所がとてもわかりやすいです。紙やカードタイプに比べて割引やサポートの活用のしやすさがアップします。
ミライロIDを利用するデメリット
利用時に障害者手帳と気づいてもらえない場合がある
ミライロIDはまだ新しいアプリのため、利用可能事業所でも対応する方によってはアプリを画像の写真と間違えて「使えない」と言われてしまうケースがあります。もし使えないと言われてしまった場合には、紙やカードタイプの手帳を提示するか、他のスタッフの方を呼んでもらわないといけない可能性があります。
障害者手帳の登録や管理に制限がある
現段階では、1つのアカウントに1名分の障害者手帳しか登録できない、1つのアプリしか登録できないなどの登録や利用に制限ががあります。今後、機能開発される可能性もありますが、少し不便さを感じてしまう可能性があります。
ミライロIDが使える場所
ミライロIDは全国の約4000箇所で利用が可能です。電車やバス、タクシーなどの公共交通機関はもちろん、水族館や動物園、美術館でも利用ができます。マイナポータルの連携をしていないと使える場所が限られてしまう事があるので要注意です。
使える場所を調べたい時は、アプリのマップ機能から近くで使える場所を探すか、以下のサイトから検索できます。
ミライロIDを使っておでかけをスムーズに
ミライロIDを使う事でおでかけをお得に、スムーズにしやすくなります。普段出かけにくいな、と思っている人もおでかけによく行く人も、ぜひ試してみてくださいね。
※記事内のアプリ画像はすべて筆者撮影
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