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「子どものより豊かな生活のために」親から熱い支持を得る小児理学療法士・かめきち先生にインタビュー

「子どものより豊かな生活のために」親から熱い支持を得る小児理学療法士・かめきち先生にインタビュー
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あなたは子どもの成長や発達に関する悩みを、どうやって解決していますか?身近な専門職やママ友・パパ友に相談、あるいはSNSでの情報収集でしょうか。

近年、子どもの成長や発達に関する情報にアクセスする手段も多様化してきています。そんな中で、子どもの発達に悩みを抱える親御さんから絶大な支持を得ているのが、小児理学療法士であり、こどもの人生本質家である「かめきち先生」です。

今回は、そのかめきち先生ご本人にインタビュー!先生がどんな方なのか、どんな活動をしているのか、障がいのある子どもと家族に関わるうえで大切にしていることなどについてお話を伺い、その人気の背景を紐解いていきます。

小児理学療法士のかめきち先生

Profile:向坂愛理(かめきち)さん。

理学療法士として勤務する中で、日本の医療に疑問を感じ、世界一周の旅へ。他国の文化や多様な価値観に触れ「未来を生きる子どものために自分の時間を費やしたい」と考えるようになり、小児理学療法の道へ進む。コロナ禍にオンラインリハビリのサービスをスタートさせ、株式会社Simprayを立ち上げる。

目次

かめきち先生って何をしてる人?

うつぶせで遊びながらリハビリを受ける子ども
子どもと同じ目線で一緒にリハビリを行う様子

ーーまず、かめきち先生の行っている活動について教えてください。

はい。お子さんと親御さんに教室に来ていただき、発達の悩みについて直接相談を受ける「かめリハ」の他、オンラインでリハビリ相談サービスを行ったりしています。また、InstagramやYouTubeで小児の発達について情報発信を行っています。

他にも、小児分野の支援者を対象にしたオンラインセミナー「かめスク」の開講や児童発達支援事業所のコンサルティング、ユニバーサルデザインの衣服開発の監修もしています。

2024年2月にはパーソナル育児相談アプリ「プラスコネット」もリリースしました。

国内初!専門家に発達相談のできるアプリをリリース

子どもの発達に悩みを抱える保護者とアドバイザーのマッチングサービスアプリ、プラスコネットのアイコン

ーーかめきち先生が開発したアプリ「プラスコネット」はどんなアプリなんでしょうか?

一言でいうと、お子さんの発達や成長に対して不安のある保護者が適切なアドバイザーに相談できる、 国内初の保護者とアドバイザー(専門職)のマッチングサービスです。

ーーどのように使うんですか?

まず、スマホで自分のお子さんの悩みを選択していきます。「はいはいしない」「離乳食が進まない」「癇癪がすごい」など気になることを選ぶと、あなたにおすすめのアドバイザーが表示されます。そのアドバイザーにオンラインで相談ができるんです。相談するアドバイザーは、一覧から自分で指定することもできます。

ーー新しいサービスですね!発達に悩みがあれば誰でも相談できるのでしょうか?

はい、誰でも自由に相談できます。

なかでもおすすめなのは、外出しにくい方や地方の方、あとは、悩みを誰に相談したらいいかわからない方ですね。どこに相談したらいいかわからなくても、悩みごとからアドバイザーが見つけられるので、1人で悩んでいる方はぜひ覗いてみてほしいです。だいたいの悩みごとには対応できるアドバイザーが揃っています。

もしアドバイザーの見つけ方がわからなくても、コンシェルジュが悩みごとに応じた相談先を一緒に考えてくれるので安心してください。

ーー確かに、悩みをどこに相談していいかわからなくてさらに悩んだ経験が私もあります(苦笑)

リハビリの本質は「子どもと家族のよりよい生活」

姿勢環境を整えることで、おもちゃで遊びやすくなった子ども
姿勢環境を整えて子どもの力を引き出す。

ーーかめきち先生はオンライン相談だけでなく、オンラインでのリハビリもしているんですよね。対面式のリハビリとは全く違うスタイルだと思いますが、どのようなことを工夫しているんですか?

まず、オンラインのリハビリはお子さんに触れないので、身体の機能や活動性など直接把握できる情報が少ないんですね。でも、本来私たち専門職はしっかりお子さんの状態を把握して、必要な支援がなにか検討していかなければいけないです。そこで、いかに効率よく親御さんからお子さんのこと聞き取って、効果的な関わりに導くかっていうのが、オンラインの大きなポイントだと思います。

あとは、 直接診てもらってなくても「アドバイスもらえて良かった」と思っていただけるような、満足していただけるような会話を心がけています。

ーーオンラインに限らず、リハビリではどのようなことを意識されているのでしょうか?

リハビリすること自体を目標にするのではなく、子どもの人生が豊かになるためにリハビリをすることです。

私たち専門職が何のためにいるのかって言ったらの子がその子らしく生きていけるように、その子の人生がより豊かになるようにリハビリをするわけじゃないですか。そう考えると「じゃあ60分間ずっとストレッチしましょう」ってことにはならないはずです。でも、実際はそういう「リハビリ自体が目的」になっているケースもあるように思います。

それよりも、その子の日常や人生がどういう風になっていくのかっていうのを、根本から本質的に捉えていく。子どもがより豊かな生活を送るために、必要なことに介入していくようにしています。なので私は「理学療法士」だけでなく「こどもの人生本質家」と名乗っているんです。

ーーなるほど!「こどもの人生本質家」とはそういう意味だったんですね。中には疾患の影響などで、リハビリの効果が出づらいお子さんたちもいると思います。そのような方にはどのようにアプローチするのですか?

確かに、疾患によってはそういう子もいますよね。その場合は「毎日の生活の中で今何が一番気になる?」ということを親御さんに聞くようにしています。

発達段階にあまり変化がない状況が続いていても、親御さんの中には心配事や課題が絶対あるんですね。足首が硬くて介助が大変だとか、股関節が硬くておむつが替えられないとか。「発達が進まない」という大まかなくくりじゃなくて、日常生活の中で親御さんが「今、気にしてること」があるんです。

だから「今、親御さんが気になること」をとにかく聞いて、一緒に解決していくようにしています。そういうやりとりの中で出てきた悩みが、ユニバーサルデザインの洋服の開発にも繋がりました。

ーーリハビリ=発達ではなく、より良い生活が送れるようになることを目指すんですね。

毎日一生懸命な親子に、自分のできることを全力で

ーー障がいのある子どもに接する中で、大切にしていることって何ですか?

「自分が何かをしてあげる」ではなく「自分がこの子からいろんな情報を得て教わっている」という姿勢を大切にしています。

私、よく「発達を促す」という言葉を使ってたんですが、今は子どもの発達って別に促すものではないなと思ってるんです。

例えばおもちゃで遊ぶのが難しい場合に、リラックスしやすい安定した姿勢だったり、おもちゃを置く位置や高さなどの土台の環境を整えることで、子どもたちは自ずとおもちゃで遊び始めることがあります

自らの意思で始まる子どものストーリーがあるんですね。そこを大人のやり方に当てはめた途端に介入って全くうまくいかなくなるんです。だから、理解したつもりにならず、子どもの仕草を一つ一つ丁寧に観察して、教えてもらう気持ちで接しています。

ーー子ども主体で考えているんですね。親御さんにはどう接していますか?

親御さんって、親でいるだけで本当にすごい、偉大だって思って接しています。


Instagramを始めてから、病院に勤めている時よりも親御さんのぶっちゃけ話を聞くことも多くなって、心の距離も近くなりました。そうしていろんな話を聞いているうちに「うん、そりゃそうだよな、大変だよな、親って」ってよくわかりました。

24時間みてないと死ぬ人間を育てぬくって、相当頭も体力も使います。医療的ケアがあるお子さんのご家族なんて、1日の流れの中でどれだけ効率よくやってるか。

そうやってずっと努力されてきて頭フル回転、自分が2人必要、くらいの生活をしてる親御さんに、偽りの言葉とか上辺の言葉って絶対通じない、見抜かれると思ってるんです。親御さんだけじゃない、子どもも見抜くんですよね。

親御さんもお子さんも、一生懸命生きている。なのに自分がよそを向いたりとか、裏をかいたりするのはすごく失礼。だから、もう自分の全てを出す!それが私の精一杯の誠意なのかなと思います。

ーー1人ひとり真剣に向き合っているのが伝わります…!幅広い活動をされていて多忙だと思うのですが、日々頑張れる活力の源って何ですか?

不平等な世界を何とかしたい、という思いですね。

というのも、私はやっぱり、障がいのある子どもたちの状況って不平等だと思うんですよ。障がいのある子どもたちが不幸って言いたいわけじゃないんですけれども、明らかに平等や公平ではないと思ってるんです。

生まれながらにして人生ハードモードだし、親御さん達も自責の念があるし。 そういう不平等な事態に直面して、親御さんたちが頑張って受け入れて、この子がいて良かったって言っている姿を見ると、なんとかしたいと思うんですよね。

平等が全てじゃないけれども、誰かがいい思いする一方、誰かが悪い思いするっていうのがなんか嫌で。そういう不平等をなるべく平等にしたいと思うんです。

そして、目の前のニーズがあることを、一個ずつやってくと、どんどん新しいことが生まれてくるんですね。その目の前のものからは一切逃げられないんで、もう来たものに立ち向かうしかないです(笑)それを日々、一つひとつやっていってるだけです。

リハビリを体験した親からの感想
リハビリを受けた子どもの親からのメッセージ。精一杯子どもと接する姿に、親も安心感を覚えている。

親は親でいるだけで充分素晴らしい

ーー最後に、疾患児・障がい児を育てているみなさんにメッセージをお願いします。

本当にもうずっと言ってることなんですけど、親は親であることだけで素晴らしいと思っているんですね。

お母さんは、子どもを奇跡的に宿して、お腹の中で育てて、自分も死ぬかもしれない出産を経て、目を離したら死んでしまうような子どもを育てて。まず、お母さんはすごいんです!

そして、そんなお母さんとお子さんを大切にしているお父さんたちも素敵です!ご夫婦ともに、日々の生活をこなしながら育児もして、それだけで本当にすごいんです。

疾患を抱えるお子さんのことを考えると、もしかしたら暗闇というかどん底のような気持ちというか。ぐるぐる回るような、誰にも相談できない…というループになってる方もいるかもしれません。

そんな時に、かめきちやプラスコネットのアドバイザーが、闇の中に少し光を差せるアドバイスができるかもしれない。相談すれば解決できることもあるかもしれないので、まずは専門職に相談してもらいたいと思います。

日々の生活で悩みを抱える方はぜひ相談を

かめきち先生は対面式のリハビリだけでなく、オンラインサービスなど多岐にわたる活動をおこなっています。「リハビリは発達を促すものではなく、子どもの日常をより豊かにするもの」という視点は、障がい児を育てる筆者にとっても勉強になりました。

一人ひとりの子どもたちの未来がよりよくなるように、子どもと親に対して熱意をもって関わってくれる素敵な先生だなと、今回のインタビューを通じ改めて感じています。

もしもこの記事を読んでいる方で子どもの発達に悩みをもつ方がいたら、一人で抱え込まずにぜひ相談してみてください。

また、近日ファミケアアプリで開催される集中回答ウィークでは、今回インタビューしたかめきち先生に質問することが可能です。気軽に相談できる機会ですので、こちらもぜひチェックしてください!

▼集中回答ウィークの詳しい情報はこちらから

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この記事を書いた人

6歳長男が稀少遺伝子疾患によるてんかん性脳症、重症心身障がい児。
次男、夫と4人でまったり田舎暮らしをしています。
保健師の資格を持ち、看護師の仕事をしながら文章を学ぶかけだしライター。

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