皆さんは映画が好きですか? 最近ではインクルーシブ上映会や医療的ケア児のいる家族向けの映画会が実施されるなど、映画鑑賞のスタイルも多様化してきました。
障がいや医療的ケアがあっても足を運びやすいイベントも増えてきた映画館ですが、チケット料金に障害者割引はあるのでしょうか。
今回は、身体障害者手帳を持つ娘を育てる筆者が映画チケットの障害者割引について調べました。
映画チケットに障害者割引はある?
映画のチケットには障害者割引があります。
2024年3月時点で大人料金の通常チケットは2,000円が相場ですが、ほとんどの映画館で障害者手帳などを提示することで半額に割引されます。
映画チケットの障害者割引の対象者
映画館によって異なる場合もありますが、多くの映画館で身体障害者手帳、療育手帳、精神保健福祉手帳の保有者が障害者割引の対象となります。
付き添い者は割引になる?
障害者手帳1種の場合は、付き添いの介助者1名まで割引の対象となるところが多いようです。映画館によっては付き添い2名まで割引の対象になることもあります。
映画チケットの障害者割引の料金
映画チケットの障害者割引の料金について、大手の映画館をいくつか抜粋して紹介します。
映画館 | 割引対象者となる証明書 | 付添い者の扱い | 通常料金 | 割引後の料金 |
TOHOシネマズ | ・障害者手帳(療育手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳) ・特定医療費(指定難病)受給者証 ・登録者証(指定難病) ・小児慢性特定疾病医療受給者証 | 付添1名まで割引対象 | 一般¥2,000 大学生¥1,500 幼児(3才~)から高校生¥1,000 シニア(60歳~)¥1,300 | 一律¥1,000 |
ユナイテッドシネマ | ・身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳 ・特定医療費(指定難病)受給者証 | 付添1名まで割引対象 | 一般¥2,000 大学生¥1,500 幼児(3才~)から高校生¥1,000シニア¥1,300 | 一律¥1,000 |
イオンシネマ | ・身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳 | 付添2名まで割引対象 | 一般¥1,800 大学生¥1,500 幼児(3才~)から高校生¥1,000 | 一律¥1,000 |
109シネマズ | ・療育手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳 | 付添2名まで割引対象 | 一般¥1,800 大学生¥1,500 小/中学生・高校生¥1,000 幼児(3才~)¥900 | 一律¥1,000 |
シネマサンシャイン | ・療育手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳 ・難病手帳(指定難病受給者) | 付添1名まで割引対象 | 一般¥1,800 大学生¥1,500 幼児(3才~)から高校生¥1,000 シニア(60歳~)¥1,300 | 一律¥1,000 |
※障害者割引以外にも各映画館さまざまな割引料金を設定しているので、詳細は各社ホームページや電話で確認してください。
ただし、上記映画館であっても3D、4DX®、MX4D®、IMAX®やエグゼクティブシートといった特別上映や特別席の場合は、障害者割引の適用外となるので注意しましょう。(鑑賞料金は割引の対象で、追加料金の支払いのみ通常料金通りというケースもあります)
映画チケットを障害者割引で買う方法
映画チケットを障害者割引で買う方法は以下のとおりです。
鑑賞当日に劇場で購入する(窓口/自動券売機)
映画館で鑑賞当日にチケットを買う方法は、主に二通りです。
- 劇場窓口でスタッフから購入する
希望の作品名・上映時間・購入する券種と、障害者割引で購入したい旨を伝え、障害者手帳など、割引対象と証明できるものを提示します。 - 劇場に設置された自動券売機で購入
自動券売機で希望の作品名・上映時間・購入する券種及び「障害者割引」を選択して購入します。もし割引チケットが選択できない場合には、劇場スタッフに問い合わせるか、窓口で購入しましょう。
車椅子席を希望する場合、自動券売機では選択できないことがあるようなので注意しましょう。
インターネットで購入する
インターネットでチケットを購入する場合にも、チケット券種画面で希望の作品名・上映時間・購入する券種及び「障害者割引」を選択し、購入します。
障害者割引チケットを購入する際に必要なものは?
障害者割引チケットを購入するには、割引対象であることの証明が必要です。主に各種障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神保健福祉手帳など)や受給者証ですが、各映画館で異なるため、どの証明書が必要なのかはあらかじめ確認しておくと安心です。
事前にインターネットなどでチケットを購入している場合でも、入場の際に手帳の提示が必要になるため当日必ず持参するようにしましょう。
また、大手映画館を中心に障害者手帳アプリ「ミライロID」の提示でも可とする劇場も増えています。利用する映画館が「ミライロID」の提示でも可能かどうかは事前に確認してください。
▼ミライロIDについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
映画館を利用する際のポイント
障がいがある場合や特別な配慮を必要とする場合、事前に以下の点を確認・準備しておくと安心です。
車椅子席があるか
車椅子や障がい児用バギーに座ったままで鑑賞したい場合には、チケット購入時に車椅子席を選びましょう。もし車椅子席がない場合には、通常の座席、または幼児の場合は保護者の膝上での鑑賞となります。
車椅子から一般席への移乗は自力、ないし付き添い者の介助で行います。劇場スタッフは身体を抱えたり座っている状態の車椅子を持ち上げるようなサポートはできないことも多いので注意してください。
座位保持装置の持ち込みが可能か
長時間安定して座っていることが難しい子どもと一緒に映画を鑑賞する場合、バギーやベビーカーのままではなく一人分の座席を購入して、持ち運び可能な座位保持装置を使用するのも選択肢の一つです。
座位保持装置とは、障がいにより安定して座ることの難しい子どもが、適切な姿勢で座ることのできるようにサポートする椅子のことです。
持ち運び可能かつ映画館の座席にセットできる可能性がある座位保持装置の一例としては、シュクレNEXTなどキャスター付きのフレームからシートが取り外すことのできるタイプの座位保持装置があげられます。また、体幹が弱い子向けのポータブルチェア「IKOU」も選択肢になるかもしれません。
チケット購入前に、座位保持装置の持ち込みが可能かどうか劇場に問い合わせしておくと安心です。
座位保持装置を持ち込む場合には、子どもを座位保持装置に座らせた際の座高が周囲の視界を妨げないよう確認する、持ち運びの際は周りの方に気を付けるなど、周囲への配慮は忘れないようにしましょう。
バリアフリー上映など特性に合わせた上映会を活用する
インクルーシブ上映会や子連れ歓迎の上映会、医療的ケア児がいる家族向けの上映会、聴覚障害者向け字幕(バリアフリー字幕)の上映会など、さまざまな劇場や企業、団体による多様な上映会が増えています。
特性に合った上映会を活用することで、本人も介助者もより安心した気持ちで映画を鑑賞できるかもしれません。
障害者割引を利用して、映画館に行ってみよう!
障害者割引の適用で約半額になる映画チケット。障がい児育児をしていると足が遠のきがちな映画館ですが「割引になるなら試しに行ってみようかな?」という気持ちになりますね。
ファミケアでは、映画館以外にもさまざまな障害者割引を紹介しています。ぜひ参考にしてください!
▼全国の障害者割引特集はこちら
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