子どもが「トイレに行きたい」を教えてくれない
トイトレの進め方がわからない
障がいのある子どもを育てていると、トイレや排泄の問題に悩む方も多いのではないでしょうか? ただトイレの悩みは人に相談しづらかったり、年齢や疾患・障がい、特性によってそれぞれ悩みも違ったりと、解決までの道のりがなかなか見えづらいものですよね。
今回の記事では障がい児を育てる家庭におけるトイレの悩みについて、ファミケアと排尿予測デバイスを開発する「DFree」さんとで共同調査を実施した内容をお届けいたします!
ファミケアの調査であることや本稿へのリンクの記載を頂くことでデータを利用いただけます。
記載例:【出典】ファミケア『障がい児のトイレのお悩みを徹底解明!ファミケア×DFree共同調査結果まとめ』https://famicare.jp/2024/08/30/survey-bathroom-concerns/
回答者属性〜答えてくれたのはこんな方〜
今回の調査は206名の方々にご協力をいただきました。そのうち66.5%が男の子、33.5%が女の子。平均年齢は6.8歳で、就学期前後のお子さまがいらっしゃるご家庭の回答が多くみられました。
普段の生活状況については46%が未就学児、次いで特別支援学校の小学生(19%) 、普通級の小学生(12%)となりました。
また子どもの疾患種別は神経発達症群(発達障害)(27.7%)やその疑い(16.5%)が合わせて44%を占め、次いでダウン症(10.7%)、障がい種別は知的障害や発達障害があるお子様が全体の87%を占めました。
声をあげてくださった皆様、ありがとうございました!
トイレの困りごと、最も多いのは「トイレに行きたいことを教えてくれない」
「お子様のトイレ・おむつのお困り事に対して近いものを教えてください(複数回答可)」の質問では、「トイレに行きたいことを教えてくれない(伝えられない)」 が33.7%で最も多く、次いで「トイレを理解していない」(22.3%)が続きました。
またこうした排泄の困りごとへの対策として、68%が「定期的にトイレに連れて行く」、54%が「トイレについて話をする」といったコミュニケーションを実施していることが明らかとなりました。
コミュニケーションの具体例としては、「子どもとトイレについて話をし、恐怖心や不安感を和らげる」「トイトレを頑張る子どもを励まし、モチベーションを維持する」といった回答も挙げられたよ!
子どものトイレ問題と親のストレス度は?
「現在のお子様のトイレのサポートに関するストレスは10段階中どのくらいですか?」と質問したところ、親御様のストレス平均スコアは6.2であることがわかりました。
主なストレス原因としては「子どもが尿意を伝えられないこと」(67%) が最も多く、次いで「トイレへの移動や声かけが間に合わないこと」(45%)が続きました。
ママ・パパの約3人に2人が「子どもが尿意を伝えられないこと」に困っているんだね。
また障がい別のトイレサポートの親のストレスについては知的・発達障害児は「尿意が伝えられないこと」が主なストレス要因で、理解と行動の不一致や介助のタイミングがストレスの大きな要因になっていることがわかりました。
一方、身体障害児は「移動や介助の物理的なタイミング」が主なストレス要因となっていたものの、全体的なストレスは比較的少ないこともわかりました。
さらに高ストレス層の主要な困りごととしては、「子どもが尿意を伝えられない」「介助タイミングが合わない」「外部環境でのトイレ利用が難しい」ことが挙げられました。
トイレトレーニングやそのサポート、みんなはどうしてる?
「現在トイレの自立に向けたサポートやトイレトレーニングをした経験がありますか?」の問いに対しては「いいえ」の回答が7割を超え、回答者の子どもの平均年齢が6.8歳であることと、一般的には2歳後半〜3歳でトイトレが始まる(※1)ことを比較すると「トイトレ経験が少ない」ことが明らかとなりました。
※1 出典:エリエール「いつから始める?トイレトレーニングの基礎知識」
さらに「はい」と答えた方にトイトレのサポートの内容について伺ったところ、下記のような内容が挙げられました。
トイトレのサポート内容まとめ(「はい」と回答した人に内容を自由記述回答の要旨)
タイミングと環境の調整
- 決まった時間やタイミングでトイレに誘導する。例えば、起床時や外出前、1時間に一度などの頻度で声をかける。
- トイレを好きなもので装飾したり、トイレ空間を可愛くすることで、子どもがトイレに行きたくなる環境を整える。
成功体験の強化
- トイレで成功したらご褒美シールを貼る、たくさん褒めるなど、成功体験を積み重ねてトイレへの意欲を高める。
- パンツで過ごさせ、濡れる感覚を教えることで、自立したトイレ習慣を身につけさせる。
外部サポートの活用
- 学校や療育施設での協力を得て、定期的なトイレ誘導や成功体験の積み重ねを行う。
- 保育園や発達支援施設での定期的なトレーニングや介助のサポートを依頼する。
「障がい児のトイレのお悩み」調査結果まとめ
今回の調査結果から、障がい児を育てる家庭では子どものトイレに関する困りごとが「 トイレに行きたいことを教えてくれない」と「トイレを理解していない」に集中しており、親のストレス源になっていることが明らかとなりました。
また、こうした課題への家庭でできる対策として「トイレの話をして理解を促進」させたり、「定期的なトイレ誘導」を行っていることもわかりました。
ファミケアではトイレに関するお役立ち情報を今後もお届けします!
今回は「障がい児のトイレのお悩み」についてアンケート調査を行った結果についてお知らせをさせていただきました。みなさんの経験や日頃抱える思いに近いご意見はありましたでしょうか?
障がい児を育てる多くの親御さんがそれぞれ子どものトイレに関する困りごとを抱えながらも、トイレについて話をしたり、定期的なトイレへの誘導を行っていることがわかりました。
今後もファミケアではトイトレに役立つアイテムのご紹介や、専門家への取材を進めてみなさまにお届けをしてまいります。
最後になりましたが、調査にご協力いただいたみなさま、誠にありがとうございました!
\今回共同調査を行った企業/
排泄予測デバイス「DFree」
DFreeは膀胱の尿のたまり具合を超音波で見える化することで、おしっこのタイミングを事前にスマホ等でお知らせする排尿予測デバイスです。トイレの意思表示が難しい子どもやおもらしの多い子どものトイレのサインのかわりになってくれます。
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