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NICU(新生児集中治療室)とGCU(回復治療室)の違いは?保育器やコット、移動についても解説!

NICUとGCUってどう違う?
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NICUGCUは、どちらも未熟児の赤ちゃんや疾患を持つ赤ちゃんが入院する病棟です。NICUは比較的よく知られていますが、GCUという言葉は聞きなれない方もいるのではないでしょうか。

この記事では、NICUとGCUにはどんな違いがあるのか、それぞれの役割はどんなものなのかを紹介していきます!

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目次

NICUとGCUの違いは重症度

NICUとGCUの違いは重症度です。より重症の赤ちゃんが入院しているのがNICU、治療によって状態が安定した赤ちゃんが入院するのがGCUです。

NICUは新生児集中治療室と呼ばれているのに対し、GCUは回復治療室と呼ばれています。

NICUとは

NICUとは新生児集中治療室のことです。未熟児の赤ちゃんや先天性の疾患がある赤ちゃん、その他一時的に呼吸状態が不安定な赤ちゃんなどが対象です。

NICUには小児科医と看護師等の医療スタッフが24時間常駐しており、綿密な管理と高度な治療を行うことができます。NICUのスタッフの配置基準は看護師1人に対して赤ちゃん3人ととても手厚いです。様子がわかりやすいよう、ワンフロアになっています。

NICUに入院した赤ちゃんのほとんどは保育器に入ります。保育器の中は温度や湿度が高く、お母さんのおなかの中に近い環境に整えられています。呼吸や心拍を監視する機械を装着し、24時間常に異常がないかチェックされています

その他点滴や呼吸器など、たくさんの医療機器を使用した集中的な治療が行われます。

▼NICUについてはこちらの記事でも解説しています

GCUとは

GCUは回復治療室といいます。病院によっては、「新生児回復室」や「継続保育室」などの名称で呼ばれることもあります。

GCUの対象となるのは、NICUで集中的な治療を受けて状態が安定した赤ちゃんです。GCUのスタッフ配置基準は、看護師1人に対して赤ちゃん6人です。状態が安定している分、NICUよりは1人の看護師が看る赤ちゃんの数が多くなっています。

NICUと同様にワンフロアの空間で、赤ちゃんの異常の早期発見がしやすいようになっています。

GCUでは持続的な治療を行いながら、退院に向けての準備がされます。赤ちゃんの入浴やミルクのあげ方などの基本的なケアはもちろん、医療的ケアが必要な場合はケアの方法についても指導されます。

【参照】周産期医療体制整備指針|厚生労働省
URL:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000096051.pdf

NICUとGCUの違い

NICUは集中的な管理を必要とする赤ちゃんが入院します。重症度が高く、呼吸や心拍を監視するモニターや点滴、人工呼吸器などの医療機器を使用し、より多くのスタッフで慎重な管理をします。

一方、GCUは治療を受けて状態が安定した赤ちゃんが入院します。必要な治療の継続を行いながら、退院に向けた準備も行います。退院を目指して家族へのケア方法の指導を行ったり、保健師や訪問看護など関係機関と調整を行ったりします。

一般的にNICUの赤ちゃんは保育器に入っている子が多いですが、GCUはベッド(コット)に寝ている赤ちゃんがほとんどです。

全身状態が安定したかどうかの一つの目安としては、赤ちゃんにとって居心地の良い保育器からでて、自分の力で呼吸や循環を保てるようになったかです。つまり、保育器卒業がGCUへ移動する一つの目安となります

ライターKana

保育器に入っている赤ちゃんは、おむつしか身に着けていません。その理由は、呼吸の状態を常に観察する必要があるためで、呼吸による胸やお腹の動きが見えやすいようにするためです。保育器を卒業しコットにでた赤ちゃんは、肌着を着用するようになります。

筆者の子どもがNICUに入院していた時、コットにでて肌着を着ている姿を見てとても嬉しかったのを覚えています。

NICUからGCUに移動になったら

赤ちゃんの状態が安定してくると、NICUからGCUに移動します。移動と聞くと、環境の違いを不安に思うママやパパもいるかもしれません。

スタッフの数はNICUの方が多いものの、GCUも医療スタッフが24時間体制で状態を観察している点はNICUと変わりません。また、GCUはNICUと併設されていることが多いので、万が一何かあれば小児科医に診てもらうこともできます。

ライターKana

NICUに患者がいっぱいの場合、新しい赤ちゃんの受け入れをするために突発的にGCUへの移動をお願いされることがあります。筆者の長男も、保育器から出た数日後に突然GCUへの移動をお願いされました。

いきなり移動となって不安でいっぱいでしたが、状態が安定していないのにGCUの移動を提案されることは、まずありません。GCUもエキスパートのスタッフが24時間観察し、異常があればすぐに対処されますので、安心してくださいね。

NICUもGCUも赤ちゃんを守る大切な場所

この記事ではNICUとGCUの違いについて説明しました。

NICUとGCUは対象となる赤ちゃんや、役割が異なります。

NICUは集中管理が必要な子どもが入院し高度な治療を行う病棟であるのに対し、GCUは状態が安定した子どもが入院し退院に向けた調整を行う病棟です。

NICUで状態が安定してくると、通常GCUへ移動となり、退院を目指します。

NICUとGCUどちらに入院している赤ちゃんも、スタッフに見守られて医療の力を借りながら、一生懸命成長しています。

この記事を読んでNICUやGCUについて知ってもらえたらうれしいです。

▼この記事は下記サイトを参照して作成しました。

NICU・GCUってどんなところ?|地域独立行政法人大阪府立病院機構https://www.gh.opho.jp/pdf/kango_nicur05.pdf

新生児集中治療室(NICU)/新生児回復室(GCU)|社会福祉法人聖隷福祉事業団 総合病院聖隷浜松病院
https://www.seirei.or.jp/hamamatsu/childbearing/perinatal-medical-about/nicu-gcu



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NICUとGCUってどう違う?

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この記事を書いた人

6歳長男が稀少遺伝子疾患によるてんかん性脳症、重症心身障がい児。
次男、夫と4人でまったり田舎暮らしをしています。
保健師の資格を持ち、看護師の仕事をしながら文章を学ぶかけだしライター。

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