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【障がい児向け】相談支援を利用するには?事業所の探し方や利用の流れ、実際に利用してどうだったかを紹介

相談支援を利用するには
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相談支援を利用したいと思ったらどうしたらいいの?

相談支援って、実際利用するメリットあるの?

相談支援に興味があっても、このように利用するまでに不安を抱えていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。今回の記事では、実際に障がいのある子どもの相談支援を2年間利用している筆者が、相談支援を利用するまでの流れや利用してみて感じたメリット・デメリットについて紹介していきます。

\この記事を監修してくれた先生/

相談支援専門員・看護師 井上悠貴(いのうえゆき)先生

井上悠貴先生のプロフィール写真

岡山県立倉敷中央高等学校専攻科を卒業。看護師免許を取得し、小児科病棟や保育園に勤務する。現在2児の母であるが、上の息子が3歳の時に発達障害と診断される。その中で相談支援専門員の方にお世話になり、その経験から自身も相談支援専門員の資格を取得。現在相談支援事業所うえまつで相談支援専門員として活動中。

Instagram:@fukushinail_mikan

目次

相談支援を利用するには?

相談支援は、相談支援事業所を探して契約をすれば利用できます。小児の場合、相談支援事業所の中でも、相談できるところとできないところがありますので注意が必要です。また、小児対応の相談支援事業所は少ないため、見つけるのに苦労する場合もあります。見つからない場合は探し方を複数試してみましょう。

相談支援事業所の探し方は?

相談支援事業所を探すには、以下のような方法があります。

市区町村の情報から探す

相談支援事業所は、市区町村の役所に問い合わせるか、ホームページで探すことができます。「相談支援事業所 〇〇(住んでいる自治体)」で検索すると一覧が出てくる自治体もあります。中にはどのような障がいに対応しているか、小児対応可能かまでホームページで公表している自治体もありますので、まずは検索してみるのが一番手軽かもしれません。

ホームページに載っていない場合は、市区町村の障がい児支援を担当する課に「相談支援事業所を探していますが事業所の一覧はありますか?」などと問い合わせしてみましょう。

相談支援専門員・井上

私が住んでいるところでは福祉課などに相談支援事業所の一覧表が置いてあります。障がい者向けの情報が一冊になった冊子を発行している自治体もあり、その場合には相談支援事業所だけではなく児童発達支援事業所や放課後等デイサービス事業所などの一覧なども見ることができます。そういうものがあるかどうか聞いてみて、あったら一冊持って帰っておくと色んな場面で役に立つのではないかなと思います。

ソーシャルワーカーやすでに利用している事業所からの紹介

相談支援事業所の一覧が手に入っても、実際どの事業所がいいのか、小児の相談実績があるか、など事業所の詳細がわからないこともありますよね。その場合には、かかりつけの病院のソーシャルワーカーに聞いてみると、小児の相談を多く受け付けている相談支援事業所を教えてもらえる場合があります

また、通所している児童発達支援利用している訪問看護ステーションなど、すでに利用している支援があれば、そこから紹介してくれる可能性もありますので、相談してみるといいでしょう。

ママ友・パパ友からの情報

同じ地域に障がい児のママ友・パパ友がいれば、今利用している相談支援事業所や、周りの人が利用している相談支援事業所などを聞いてみると有力な情報になります。

相談支援事業所によっても、さらに相談支援専門員によっても、どこまでやってくれるのかや、親身になって聞いてくれるかなど、どうしても違いは出てきます。それぞれの性格に合う、合わないもありますので、実際の「口コミ」を聞いて利用できると安心ですよね。

相談支援を利用するのにいくらかかる?

相談支援を使う際の利用者負担はありません。相談支援事業所には、自治体から計画相談支援給付費または障害児相談支援給付費が支給されるため、利用者は無料で使うことができます。

【経験談】相談支援を利用して感じたメリット・デメリット

ここからは、実際に子どもの相談支援を利用している筆者が感じている、相談支援のメリット・デメリットについてお伝えします。

簡単な子どもの情報

  • 年齢:6歳(2024年1月現在)
  • 障がい:肢体不自由・重度知的障害の重症心身障害児
  • 医療的ケアあり(胃ろう)
  • 2年半前(子ども3歳)の時から相談支援を利用

メリット

相談支援を利用するメリットは多いです。

困ったらまずこの人に相談できる、という心強さ

子どものことや子どもとの生活の中で何か「困った」と感じた時に、まず相談できる人がいる、ということの心強さが1番のメリットだと私は感じています。

障がい児育児をしていると、「こういう時どうしたらいいんだろう?」の連続ですよね。そんな時に、子どもの状態をしっかり把握してくれている人にまず気軽に相談できるということにどれだけ救われてきたか分かりません。

ライター小澤

相談して解決できたこともあれば、できなかったこともありました。それでも私にとっては結果よりも、相談できる、聞いてもらえる存在がいる、ということに安心感を覚えました。

支援を探す時、色んなところに電話する必要がなくなる

実際に支援を使いたいと思ったときに、自分で事業所を調べ、電話する必要がなくなったことも大きなメリットです。

たとえば、私が実際相談したこととして、「訪問リハを入れたい」ということがありました。

相談をした当時は、ずっと経管栄養のみだった子どもが口から食べる練習を始めたばかりの時で、病院のSTにも通っていましたが、行ける回数がとても限られていました。

でも、口から食べることを始めたばかりで、私一人で練習をしていても、戸惑うことや不安が多かったんです。そのため、家でもSTにみてもらいながら、安心して訓練ができるようにしたい、と訪問STを探してもらいたいとお願いしました。

すると、相談支援専門員の方がすぐに訪問看護ステーションを見つけてくれて、契約の段取りや、子どもの状態の簡単な引き継ぎも済ませてくれたのです。

訪問リハでSTを見つけるのはとても難しいはずなので、おそらく私一人では出会えなかっただろうなと思います。

ライター小澤

これは一例に過ぎません。「これがしたい」と思って相談すると「この事業所ができるよ」とすぐに提案をくれて、自分で探さなくてもニーズに合ったサービスを提供してくれる事業所に出会えたことが何度もありました。

障害児支援利用支援計画を立ててくれる

相談支援を利用すると、自分で障害児支援利用計画を立てなくてもいいため、負担が軽くなります

児童発達支援などの障がい児福祉サービスを利用するには、「障害児支援利用計画案」が必要です。相談支援を利用しない場合には「セルフプラン」と言って、自分で計画案を作成しなければいけません。その作業をお任せできるのはありがたいです。

ライター小澤

ただでさえ、障がい児育児中は書かなければいけない書類が多いですよね…。一枚でも削減できるに越したことはないです。

事業所に言いにくいことを代弁してくれる

我が家の担当相談支援専門員の方は、モニタリングのたびに、今利用している事業所としっかり連絡をとって現状を確認してくれるので、その時に私が言いにくいようなことも代弁してくれたりします

たとえば、以前利用している児童発達支援で連絡帳の入れ違いや薬の服薬もれなど、ミスが続いたことがあったんですが、それを相談支援専門員の方に報告すると「私からミスないように注意してって言ってもいい?」と提案してくれました。

もちろん私からも事業所には「ミスに気をつけてほしい」と伝えたのですが、相談支援専門員からの一言で事業所の対応が明らかに変わりました。

ライター小澤

親が言うことと、第三者が客観的にみて言うことでは、事業所としても受け取り方が違うのかもしれません。また、他の子どものことでも相談支援専門員と事業所の関わる頻度が高いため、親よりも信頼関係もあるのかも、と思いました。

デメリット

このように利用するメリットの大きい相談支援ですが、デメリットもあります。

定期的に面談が必要なので、日時調整が大変

相談支援を利用していると、定期的に相談支援専門員と面談しなくてはいけません。その日時調整が、特に私が仕事を始めてから、とても大変になりました。

私が利用している相談支援では3ヶ月に一度モニタリングがあります。その度に振り返り計画案の見直しのために面談をするのですが、その日時をどうするかにはいつも頭を悩ませています。仕事の都合や、子どもの通所・通院・リハビリなどの合間を縫って日時を調整する作業が、正直負担だなと思うことも…

ただ、必要な時間だということは理解していますし、そのおかげで自分で計画案を作ったりする手間も省けているので、大きなデメリットではありません。

それぞれの相談支援専門員によって考えやすることが異なり、かけられる言葉に傷つく場合も

障がい児ママ友と相談支援専門員の話になると、

うちの担当はここまでしてくれるよ

えっ!うちはそこまではしてくれないな…

という会話になることがあります。相談支援専門員によって行う業務の範囲に差があるということは注意が必要なポイントです。

また、相談支援専門員にもそれぞれ支援についての考えがあるため、親の考えと相容れないこともあります

ライター小澤

私のママ友は、子どもが1歳の時に児童発達支援を利用したいと言ったら「そんな早い時期から利用してどうするの?」と言われてしまい、否定されたように感じて我慢できずに相談支援専門員を変えたそうです。

契約前にどんな相談支援専門員なのか正確にわかることは難しいですが、自分が期待することをしてくれる、寄り添ってくれる相談支援専門員に出会えるか、というのが、相談支援を利用する際のメリットデメリットを左右するかもしれません。

▼相談支援専門員についてはこちらの記事でも詳しく解説しています

相談支援を利用すると親の負担を軽減できる

相談支援は、相談支援事業所が見つかればすぐに利用でき、親の負担が軽減できるなどメリットも大きいです。一方、担当の相談支援専門員によって行う支援に差があることも事実。

自分が期待するような相談支援をしてくれる相談支援専門員に出会うため、ソーシャルワーカーやママ友・パパ友などの情報を集めて相談支援事業所探しができるといいですね。

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相談支援を利用するには

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この記事を書いた人

書くこと大好きなライター。7歳の息子が遺伝子疾患を持つ医療的ケア児です。子どもを育てる過程で知った社会の生きづらさや情報格差に衝撃を受け、障がい児を育てるための情報がもっと手に入りやすくなるよう発信しています。

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