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「特別支援教育コーディネーター」の発達障害児への支援とは?具体的な役割や相談する方法などを解説

「特別支援教育コーディネーター」の発達障害児への支援とは?具体的な役割や相談する方法などを解説
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疾患児・障がい児を育てながら、学校との連携や適切な支援の方法について悩んでいる方も多いでしょう。そんな場合に頼りになるのが「特別支援教育コーディネーター」です。

特別支援教育コーディネーターとは障がいのある子どもたちが自立して社会に参加できるように支援する役割を担う教諭です。障がいの種類に関係なく支援を受けることができます。

この記事では、そのなかでも、発達障害のある子どもの支援に関して、特別支援教育コーディネーターがどのような役割を担い、どのように活用できるのかについてわかりやすく解説します。

園や学校で子どもがどんな風に過ごしていけるか心配

情報の共有はどうしていけばいい?

わが子の成長を見守るなかでそのように感じている方は、ぜひゆったりとご覧ください。

目次

特別支援教育コーディネーターとは

特別支援教育コーディネーターとは、発達障害を含む障がいのある子どもたちが自立して社会に参加できるよう支援する役割を担う教諭です。各学校や幼稚園に配置され、学校内外の関係機関と連携しながらチームとして働き、一人ひとりの子どもの特性やニーズに合った支援をします。

特別支援教育コーディネーターは、特別支援教育に関する知識や経験を持つ教員が指名されるのが一般的です。さまざまな教職員の専門性や能力を連携させ、チームとして協力体制を作る調整力も必要なため、学校の規模や教職員の構成などによって指名の方法は異なります。

ライターMizuki

専任ではなく通常の教員業務と兼任していることが多いのが現状です

なぜ特別支援教育コーディネーターが必要?

特別支援教育コーディネーターは、発達障害のある子どもが安心して学校生活を送るうえで非常に大きな存在です。なぜ特別支援教育コーディネーターが必要なのか、いくつかの視点からみていきましょう。

一人ひとりに合った教育支援を実現するため

発達障害は「見えにくい障害」といわれることもあり、特性が一人ひとり大きく異なります

例えば、以下のような障がいと特性を持つ場合があります。

自閉スペクトラム症(ASD)のある子:感覚過敏があり教室の音や光に敏感

注意欠如・多動症(ADHD)のある子:授業中じっと座っているのが難しい

学習障害(LD)のある子:読み書きや計算に特定の困難を抱えている

上記のような多様な特性に対して、担任の先生だけでは十分な配慮や支援をするのが難しい場合も少なくありません。特別支援教育コーディネーターは、これらの特性を理解し、一人ひとりに合った教育支援計画の立案や実施をサポートする重要な役割を担っています。

学校と保護者の橋渡しとして

発達障害のある子どもの支援には、学校と家庭の連携が不可欠です。しかし、担任の先生が多忙だったり、発達障害に関する理解や対応にまだ十分な経験がない場合もあり、保護者の方の悩みや要望がうまく伝わらないこともあります。

そこで特別支援教育コーディネーターが担うのは、保護者の方の声に耳を傾け、学校側との橋渡しをする役割です。例えば「家庭では宿題に取り組めるのに学校ではなかなか集中できない」「テストの点数が実力を反映していない」などの悩みは、コーディネーターを通じて担任や関係する教員に適切に伝え、解決策を一緒に考えることができます。

多機関連携の中心部として

発達障害のある子どもの支援には、学校だけでなく、医療機関や福祉サービス、放課後等デイサービスなど、さまざまな外部機関との連携が必要です。これらの機関との連絡調整を保護者だけで行うのは、大きな負担ですよね。

特別支援教育コーディネーターは、外部機関との連携の窓口になる立場です。例えば、医療機関からの助言を学校での支援に活かしたり、放課後等デイサービスでの活動内容を学校生活に組み込んだり、必要な情報の共有や支援の調整をします。

特別支援教育コーディネーターの役割

ここからは、特別支援教育コーディネーターの具体的な役割について、詳しく見ていきましょう。

役割1. 学校内の関係者や外部の関係機関との連絡調整

前述したとおり、特別支援教育コーディネーターの大切な役割の一つが「さまざまな関係者間の連絡調整」です。

校内では、担任教師、各教科の担当教師、養護教諭、スクールカウンセラーなど多くの職員が関わります。また、校外では医療機関、児童相談所、発達障害支援センター、放課後等デイサービスなどとの連携が必要になる場合もあります。

もし、子どもが医療機関で受けた診断や支援の方針について、担任の先生だけでなく関わる全ての教職員に共有できれば、一貫した支援が可能です。また、学校での様子を医療機関に伝えることで、より適切なアドバイスを得られます。

ライターMizuki

特別支援教育コーディネーターは「点」と「点」をつなぐ「線」の役割を果たしているのです

役割2. 保護者からの相談窓口

学校に相談できる窓口があると安心する!

そのような方も多いのではないでしょうか。特別支援教育コーディネーターは、発達障害に関する専門的な知識を持ち、保護者の悩みや不安に寄り添う相談役です。

「学校でのトラブルが増えて心配」「進学について不安がある」「他の子どもとの関わり方で悩んでいる」など、日々の小さな心配から将来に関する大きな不安まで、さまざまな相談に対応します。地域で受けられる支援や利用できるサービスについても提案してもらいやすいのが魅力です。

ライターMizuki

「担任の先生には言いづらいことでも、特別支援教育コーディネーターであれば相談しやすい」とおっしゃる保護者の方も少なくありません

役割3. 担任への支援

発達障害のある子どもを担任する先生は、クラス全体の指導に加えて、個別の配慮や支援もする必要があります。そのため、担任の先生の負担を少しでも軽減できるよう、特別支援教育コーディネーターは、担任教員へ発達障害に関する知識や支援方法について、アドバイスをしながらサポートする役割も担っています。

▼例えば

  • 授業中に集中できない子どもへの効果的な声かけの方法
  • 感覚過敏がある場合の教室環境の調整
  • ソーシャルスキルを育むためのクラス活動のアイデア など
ライターMizuki

担任の先生が適切に支援できるためのサポートは、結果的に子どもの学校生活の質を高めることにつながります

役割4. 校内委員会の運営や推進役

特別支援教育コーディネーターは、学校内の「校内委員会」(特別支援教育に関する委員会)の運営や推進役も担います。

校内委員会では、特別な支援を必要とする児童生徒の状況確認や支援方針の検討、計画の評価などを行います。

例えば、支援が必要な子どもについて新学期が始まる前に情報共有の場を設け、支援体制について検討します。また、定期的に開催される委員会では、支援の効果を評価しつつ、必要に応じて計画の見直しを行います。

特別支援教育コーディネーターへ相談したい時は?

学校によって特別支援教育コーディネーターのお知らせ方法は異なりますが、年度初めの保護者会や学校だよりなどで紹介されるのが一般的です。

誰がコーディネーターなのかわからない…

そのような場合は、担任の先生や学校の事務職員に確認するとよいでしょう。

特別支援教育コーディネーターへ相談したい場合は、担任の先生を通じて連絡を取ったり直接学校に電話したりなどで面談を希望できます。より効果的な面談にするためにも、事前に「どのようなことについて相談したいのか」をまとめておくのがおすすめです。

医療機関からの診断書や意見書がある場合は持参すると、より効率的に情報を共有できます。

ライターMizuki

学校に入学する前の就学相談」の段階から、特別支援コーディネーターと面談するのも可能です。しかし、学校の状況にもよるため、面談の日程を調整する際に「特別支援コーディネーターへも相談したい」との趣旨を伝えてみてください。

特別支援教育コーディネーターと連携して子どもの可能性を最大限に引き出そう

特別支援教育コーディネーターは、子どもの特性を理解して適切な支援をするための調整役として、学校と家庭、そして外部機関をつなぐ重要な役割を担っています。一人で悩みを抱え込まず、ぜひ積極的に活用してください。

わが子の「できた!」の瞬間を増やして自己肯定感を高めていくためには、周囲の大人たちの連携が欠かせません。特別支援教育コーディネーターと協力して、子どもの可能性を最大限に引き出す環境づくりに取り組んでいきましょう。

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この記事を書いた人

日本心理学会認定心理士、サービス介助士。「自分らしさを忘れない」をコンセプトに、自閉スペクトラム症の娘との暮らしをゆるりと楽しむママです。フリーライターとして臨床心理・介護・児童福祉・療育関連のコンテンツ制作および書籍編集などに携わりながら、児童福祉施設へも訪問しています。

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