障がいのある子どもが18歳を迎えると、これまで家族名義で受けられていた支援制度の一部に変更が求められることがあります。その中でも、高速道路の障害者割引制度とETCカードの名義変更は、見落としやすいポイントです。
この記事では、障害者割引を使いたいけれどETCカードが作れない18歳を迎える子どものための対処法を、解説します。
18歳になると障害者割引には本人名義のETCカードが必要?
有料道路の障害者割引を受けるには、事前に「ETC利用対象者登録」を行う必要があります。制度上、18歳未満であれば保護者名義のETCカードでも登録できるケースがありますが、18歳を迎えると「本人名義」での登録が原則となります。
しかし、障がいの特性により、18歳になってもクレジットカードを作れなかったり、意思表示が難しかったりと、実際には本人名義のカードが用意できないご家庭も少なくありません。
その結果
- 障害者割引を受けたいが「ETCカードを作れない」
- 登録ができず、通常料金で支払うしかない
という課題に直面するご家族も多くいます。
▼制度の基本についてはこちらの記事もチェック
【保存版】障害者の有料道路ETC割引制度まとめ|対象条件・申請方法・注意点
障がい児・者名義でETCカードを作れないときの対処法
本人名義でETCカードを作るのが難しい場合でも、以下の方法を知っておくと安心です。
1. ETC家族カードを作成する
本人名義でのクレジットカードの審査通過が難しい場合、ETCカードを付与できるクレジットカードの家族カードを発行する方法があります。
障害者割引の対象となるためのETCカードでは、カード上に本人の氏名が記載されているカードが求められています。あくまでも、カード上に本人の氏名が記載されていれば良いため、本人のクレジット機能がついたカードである必要はありません。

名義人は障がい者の本人で、カード利用代金の支払者が家族といったように、名義人と引き落とし口座の名義人が違っても大丈夫だよ!
家族ETCカードの作り方
- 家族ETCカードを作成できるクレジット会社を調べる
家族ETCカードは作成ができるクレジットカード会社とそうでない会社があります。家族ETCカードを作れるクレジットカードを調べるか、持っているクレジットカードが、家族ETCカードを発行できるものなのかを調べましょう。 - 親の名義でクレジットカードを作成する
まずは親の名義でクレジットカードを作成します。 - 子どもの分のETC付き家族カードを作成する
親の名義のクレジットカードが作成できたら、ETC機能がついた子どもの分の家族カードを作成しましょう。
2. パーソナルETCカードを使う(クレジット不要)
クレジットカードが作れない方向けに、「パーソナルETCカード」という制度があります。パーソナルETCカードを使えば、本人名義のETCカードが作成できます。
【パーソナルETCカードの特徴】
- クレジット審査なし(クレカ不要)
- デポジット式で預託金(2万円〜)を預けて利用
- 本人名義での発行が可能
- 高速道路会社が提供
このカードであれば、本人名義で障害者割引の登録が可能です。
申込み方法や詳細は、NEXCOの公式サイトを参照してください
NEXCO パーソナルETCカードのご案内(外部サイト)
ただし、本人の署名や本人確認書類の提出が必要なため、サポートが必要な場合は成年後見制度や家族による補助申請も検討しましょう。
3. 社会福祉協議会・自治体の福祉課に相談してみる
手続きに不安がある場合は、お住まいの市区町村の福祉課や、社会福祉協議会に相談するのも1つの手です。「本人名義での作成が難しいこと」「家族で支援したい意向」「どうすれば割引を継続できるか」などを相談することで、前例や対応方法を教えてくれます。
ETCカードが作れなくても障害者割引は使える可能性あり!
18歳になると、障害者割引のETC登録には本人名義のETCカードが必要になる原則がありますが、本人名義のETC搭載クレジットカードを作成しなくても、障害者割引を適用してもらえる可能性があります。
「障害者割引 ETC 作れない」と感じていても、制度をよく理解し、窓口での説明や相談をしっかり行って対応していきましょう。
▼実際の障害者割引手続きの方法や、必要書類、手順などは以下の記事で詳しく解説しています。
有料道路でのETCの障害者割引はいくら?対象者や申請方法、有効期限を紹介
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