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娘が突然寝たきりになり、一年が経った話

アンバサダーブログ「娘が突然寝たきりになり1年が経った話」
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2022年1月17日、私達の元に3570gの元気な女の子が生まれてきてくれました。


エコーでゆらゆら揺れているのが見えるくらいフサフサな髪の毛、新生児とは思えないねと言われた大きな泣き声、新生児期を飛び越えて産まれてきたの?というくらいどっしり構えた赤ちゃんでした。


一歳からは保育園に通い始めさらに成長していく娘を見て、小学生になったら活発的な女の子になりそうだなー、なんてまだまだ先の娘の姿を妄想していました。

アンバサダーブログ、遊園地で親子で遊ぶ様子

2023年、12月23日。2歳の誕生日まで1ヶ月を切った頃、保育園から40℃を超える発熱のためお迎え要請の連絡がありました。


家に帰ると熱もなくけろりとしており、念の為翌日小児科を受診しましたが、コロナ、インフル検査も陰性。ただの風邪ということで元々飲んでいた薬を引き続き飲むように言われ帰宅しました。

とりあえず一安心、と思っていたその日の夕方、再度発熱、痙攣を起こし、救急搬送されました。

救急車を呼んでいる間も、娘は片側だけを引き攣らせて、目はボーっと一点を見つめていました。病院に着いても、薬を投与しても痙攣はおさまらず、結果4時間以上に渡って痙攣していました。その間に自発呼吸が無くなり、やっと会えた娘は、口から管が入り、機械に呼吸を促され目を開けることはありませんでした。

次の日、血液検査の結果が悪化しているため、こども病院へ移ることに。その時告げられた病名は「急性脳症」でした。

【急性脳症とは】
様々な原因で引き起こされる急性の脳障害で、多くは乳幼児や小児に発症します。通常は感染症、特にインフルエンザや突発性発疹、夏かぜ、胃腸炎などのウイルス感染が原因になることが多いです。ウイルスが脳に侵入するわけではなく、身体が脳以外でおこったウイルス感染に対して反応を起こし、それが間接的に脳を障害して急激なむくみが生じ、嘔吐・痙攣・意識障害・異常言動などの症状があらわれます。後遺症に関しては、命に関わるもの、手足の麻痺、てんかん、発達障害など程度は様々です。

急性脳症|日本大学附属病院板橋病院
https://www.itabashi.med.nihon-u.ac.jp/search/term/158

日に日に容体は悪化し、脳は腫れ瞳孔は開き2、3日が山場と言われたのはクリスマスの次の日でした。(発症から4日目)

PICUの先生方の計らいで、面会は24時間OK、人数制限も設けず、個室に通されました。ついさっきまで元気に走り回っていた娘が、たくさんの管に繋がれ、目も開けず、小さな命の灯火を、もうすぐ消してしまうかもしれないという現実が、あまりにも突然すぎて処理しきれず、心が壊れないように平常を保つことに必死だったような気がします。

そして年末、脳幹機能の評価を行いました。脳の1番大事な部分の反応があるかどうか、もし無ければ、救命処置は終了。娘はかろうじて、咽頭反射を見せました。(瞳孔、角膜反射は見られず)年末から年始にかけては、体を冷やしながら脳の腫れが引くのをただひたすら待つ日々でした。

命の危機を脱してからの娘の状態は、寝たきりで首座りなし。まるで新生児に逆戻りしたようでした。また、気管切開と経管栄養のある医療的ケア児となりました。

今までの立って歩いて走ってお喋りしてきた時間って、無かったことになるの?
親だけが昔の元気だった娘の記憶を心に残して生きていくしかないの?

と、突きつけられた現実に胸が潰されそうでした。

PICUで娘が入院中の様子

私は、母親としての自信がありませんでした。

変な所で完璧主義な性格が出てしまい、外で泣かせて周りに迷惑をかけてはいけない。ごはんは栄養バランスよく食べさせなければいけない。夜は21:00までに絶対寝かせる。など、自分で固めたルールで首を絞め、娘と居る時は常に肩に力が入っていたと思います。


平日は県外で暮らしていた主人には、週末くらい面倒見てよ!と娘を託し、友達との時間を優先させてしまった日も少なくありませんでした。


こんな愛情の薄い母親だから、罰が当たったんだ。
私がもっと娘との時間を大切に過ごしていればこんなことにはならなかったんだ。
神様、同じ病気になってもいいから、生まれた時からもう一度やらせてください。そしたら余裕無く過ぎていった毎日も、もっと大切に生きられると思うから。お願い‥

と、やり場のない気持ちを抱え、毎日泣いていました。


娘は今、私を見つけて走って駆け寄ってきてはくれないし、ニコニコの可愛い笑顔も見せてくれません。おかーしゃん!と呼んではくれないし抱っこ!としがみついてもくれません。だけど、小さい手は温かく、寝顔は昔のままで、ただそこに居てくれるだけで幸せだと思うのです。生きているだけで素晴らしいんだよ、と娘が教えてくれた気がします。


これからもふと昔を思い出しては胸が苦しくなるでしょう。元気だった娘は行く所々に現れて、現実とのギャップに苦しむでしょう。それでも、そんな日があっても、最後には前を向いて生きていくことを諦めずに、強くありたいと思います。

私はいきなり目の前に「障害児」の世界が現れて、右も左も分からない状態の時にとにかく情報を掴み取りたい!と思いXを始めました。そこで先輩ママさんや同じ境遇の方々に出会い、中には入院中のこども病院まで会いに来てくださり、情報を惜しみなく与えてくださいました。

そのおかげで道に迷うことなく、ここまで来られました。

次は、私が役に立ちたい。この先1人でも多くの人が孤独な思いをしないように、未来に光が見えますように、自分に出来ることがないか模索中です。これからファミケアを通して、誰かの参考になる発信ができたら幸いです。
これからどうぞよろしくお願いします。

最後に娘へ
生まれてきて来てくれてありがとう。

2024.12.23 ファミケアアンバサダー 七星



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この記事を書いた人

2022年生まれで元気に保育園に通っていた娘が、2023年12月に急性脳症を発症し寝たきりとなりました。医療的ケアは気管切開と経管栄養です。趣味は神社めぐりとジブリ集めです。よろしくお願いします!

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