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発達障害の子を「育てるの疲れた」と感じる私はダメな親?外からは見えにくい疲労や本音、自分を支えるための心がけとは

発達障害の子を「育てるの疲れた」と感じる私はダメな親?外からは見えにくい疲労や本音、自分を支えるための心がけとは
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子育ては、誰にとっても大変さと楽しさを併せ持つものです。しかし、発達障害のある子どもを育てるご家族は、周囲には見えにくいさまざまな困難を抱えています。

この記事では、発達障害の子育ての難しさとそれに伴う心の揺れに寄り添いながら、特有の疲労や悩みについて考えていきます

発達障害の子どもとの毎日に疲れ果てている

「もう限界」と感じてしまう…

そんな思いを抱えている方は、ぜひ日々のご自身の気持ちと照らし合わせながら、ゆったりとお読みください。

目次

発達障害児の子育ては疲れて当然

発達障害児の子育てが疲れるのは、親やご家族が弱いからではありません。発達障害の子どもとの生活は予想外の出来事や困難な状況が多く、心身に大きな負担がかかるため、疲れて当然です。

疲れを感じる理由として主に挙げられるのは、以下のような要因です。

疲れを感じる理由1:外から見えにくい疲労がある

発達障害のある子どもの子育ては、一見「普通に見える」場合があるゆえに周囲から理解されにくく、説明を求められる場面での心労も大きいものです。さらに、コミュニケーションの特性に合わせて言葉を選んだり状況を整理して伝えたりなど、日常的な対話にも特別な努力と配慮が必要となります。

ライターMizuki

日々の生活の中で積み重なっていく疲労は、しばしば周囲の理解を得ることが難しく、それがさらなるストレスとなりやすいのです

具体的には、以下のような疲労が挙げられます。

予測できない行動への常時の備え

電車に乗るときや買い物に行くとき、公園で遊ぶときなど日常的な場面でも常に気を配る必要があり、それだけで大きな精神的負担となっている…

そう感じながらこの記事を読んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。例えばスーパーでの買い物ひとつとっても、店内の明るさや音の刺激、人混みなど、さまざまな要因が子どもの不安や混乱のきっかけになる可能性があります。

そのため、常に周囲の環境に気を配りながら、子どもの様子を見守り続けることが必要なのです。

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「次は何が起こるだろう」という予測と準備の繰り返しは、心身の大きな消耗につながりますよね

感覚過敏への配慮による疲労

音や光、触覚などの感覚過敏に配慮しながらの生活は、想像以上に気力を消耗します。「この場所は音が大きすぎないか」「この素材は着心地が悪くないか」など、常に環境への配慮が必要です。

服選びも、タグの感触や縫い目の位置、素材の質感など、細かな部分まで配慮を要します。また、食事の際の食感や温度、匂いなども子どもにとって大きなストレスとなる可能性があり、日常的に気を配る必要があるのです。

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日常生活のあらゆる場面で子どもの感覚の特性に合わせて調整しなければならず、それは親にとって大きな負担となります

日常的なルーティンの維持と変更への対応

発達障害のある子どもの多くは、決まった予定やルーティンを好みます。しかし、実際の生活では、予定外の出来事や変更が避けられません。

そのような状況での混乱を最小限に抑えるため、親は常に先回りして準備や説明を行う必要があります。

「しつけの問題」と片付けられるつらさ

「親の躾が悪い」「甘やかしている」という周囲の言葉に傷ついた経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。外見からはわからない発達障害の特性に関して理解を得る難しさに、多くの親が苦しんでいます

特に公共の場でのできごとは周囲の冷ややかな視線にさらされることも多く、そのたびに心が締め付けられる思いを経験するとの声も少なくありません。子どもの行動の背景にある理由を説明しようとしても「言い訳」として受け止められてしまう場合もあります。

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そのような経験の積み重ねが、親の自信を削いでいきやすいのです

社会の中で感じる孤独と戸惑い

発達障害への理解が徐々に広がってきているとはいえ、まだまだ誤解や偏見は存在します。実際に、さまざまな場面で孤独や戸惑いを感じているというご家族の声も少なくありません。

前述したとおり、公共の場での周囲からの視線をはじめ、無理解な言葉に遭遇する場合があります。また、学校や保育園での集団生活で、適切な理解や支援を得ることの難しさに直面した際に孤独感を感じる方も多いようです。

園や学校での理解を求める難しさ

集団生活の場での配慮を求める際、適切な理解や支援を得るために説明を繰り返さなければならない…そんな経験はありませんか?ときには謝罪を求められ、心身ともに疲弊してしまう状況になることも。教育現場での理解不足は、子どもだけではなく、親の心も深く傷つけるケースがあります。

支援級や通級の利用を検討する際も同様です。「普通学級で頑張れるのではないか」という声に、親の心は揺れ動きます。子どもにとって最善の選択を模索するなかで、さまざまな葛藤を経験するのです。

親族との関係での難しさ

祖父母を含む親族との関係でも、発達障害について理解を得る難しさを感じる場合が多くあります。「昔はこんな子どもはいなかった」「甘やかしているだけだ」といった言葉に傷ついた経験のある方もいらっしゃるようです。

ライターMizuki

「家族の集まりさえもストレスとなってしまう」「理解してもらえないもどかしさや子どもへの罪悪感から、自然と足が遠のいてしまう」そんな声もたびたび聞かれます

疲れを感じる理由2:「頑張ります」の裏側にある本音とのギャップ

発達障害の子どもを育てる多くの親は「頑張っています」と言いながら実際には大きな疲労や不安を抱えています。具体的には、以下のようなものです。

「完璧な親」でいようとする重圧

発達障害のある子どもの親は、しばしば必要以上に自分を追い込んでしまいがちです。療育や支援の情報を集め、適切な対応を心がけ、常に前向きでいようとする。そんな努力の積み重ねは、知識が増える安心感を得られると同時に、しだいに大きな疲労になりますよね。

「もっと良い支援方法があるのではないか」「自分の対応が間違っているのではないか」という自責の念に苛まれることも少なくありません

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完璧を求めるあまり、かえって自分を追い詰めてしまうという悪循環に陥る場合もあります

将来への不安との葛藤

「発達障害のわが子は、この先どうなっていくのだろう」という不安は、多くの親の心の奥底にあります。進学、就職、自立など、あらゆるシーンでの困難を想像し、それに備えようとする気持ちが日々の疲労に拍車をかけている可能性があるのです。

特に思春期に向かう時期には、社会性やコミュニケーションの課題がより顕著になる場合があります。その先の人生をどのように支えていけばよいのか、大きな不安を感じやすいのです。

きょうだい児への罪悪感

発達障害のある子どもには特別な配慮や時間が必要なため、必然的にきょうだい児への関わりが限られてしまいます。発達障害のある子どもに手がかかるあまり、きょうだい児に十分な注意を向けられない罪悪感を抱える親も少なくありません。「もっと平等に接したい」という思いと現実のギャップに苦しむことも多いようです。

また、きょうだい児が我慢をしている場面を目にすると心が痛み「申し訳ない」という思いが募りやすくなります。「きょうだい児自身が年齢相応の要求や甘えを抑制してしまう様子を見ると、親としての無力感や自責の念に苛まれる」との声も聞かれます。

「発達障害のわが子を育てるのに疲れてしまった…」そんな自分を支えるには

発達障害のわが子を育てるのに疲れ果てた…

うまくできない自分はダメな親?

自分よりもわが子を優先し続ける日々は過酷で、疲れ果ててしまったり自分を責めてしまったりする日もありますよね。そんな場合に、毎日頑張っている自分を認めやすくなる心がけを3点紹介します。

「完璧」を手放す勇気を持つ

まず、発達障害のある子どもとの暮らしで、失敗することも疲れを感じることも自然なことです。「完璧」を手放して、全てを上手くこなそうとするのを少しやめてみましょう

発達障害の子どもを育てるなかで完璧を求めすぎると、かえって親自身を追い詰めてしまう結果になりがちです。「自分の子どもなんだから、周りに迷惑をかけないように自分でなんとかしなくては」と抱え込まず、ときには「これでいい」と自分を認めてもいいのです。

ライターMizuki

「完璧を手放す=育児を疎かにする・諦める」ではありません。むしろ、ご家族がより健やかに過ごすための大切な選択です

仲間との出会いを大切にする

同じように発達障害のある子どもと暮らす親との出会いは、大きな支えです。親の会や支援グループなどで悩みや不安を共有し、互いに支え合える関係を築けば、孤独感の緩和にもつながりやすくなります。

オンラインのコミュニティも、貴重な情報交換や心の支えになる場所です。地域を越えて、同じような悩みを持つ親同士が繋がれる場所として、大きな役割を果たしています。

▼障がい児の親のコミュニティについてはこちらからご覧いただけます

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専門家のサポートを頼る

必要に応じて、専門家のサポートも検討してみましょう。親の心の健康は、子どもの幸せにも直結します。自分自身のケアを後回しにせず必要な支援を受けるのは、決して恥ずかしいことではありません

例えば、カウンセリングでは、日頃表現できない気持ちを安心して話すことができ、専門家の客観的な視点から適切なアドバイスを得られます。また、ペアレントトレーニングなどの専門的なプログラムを通じて具体的な対応方法を学ぶと、育児の不安や戸惑いの軽減にもなるのが魅力です。

ライターMizuki

自分自身のケアを後回しにせず必要な際に適切なサポートを受けることが、結果的に子どもの幸せにもつながっていきます

発達障害児の子育てに疲れたら一人で抱え込まない

発達障害のある子どもの子育ては、確かに大変な道のりです。疲れることも泣きたくなることも、たくさんありますよね。

しかし、完璧を求める必要はありません。同じように奮闘しているご家族がいて、少しずつですが社会の理解も広がってきています。

ときには立ち止まって休んだり適切なサポートを活用したりしながら、一緒に頑張っていきましょう。この記事を読んでくださったあなたに、少しでも「分かってもらえた」という気持ちが生まれていれば幸いです。

ファミケアちゃん

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発達障害の子を「育てるの疲れた」と感じる私はダメな親?外からは見えにくい疲労や本音、自分を支えるための心がけとは

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この記事を書いた人

日本心理学会認定心理士、サービス介助士。「自分らしさを忘れない」をコンセプトに、自閉スペクトラム症の娘との暮らしをゆるりと楽しむママです。フリーライターとして臨床心理・介護・児童福祉・療育関連のコンテンツ制作および書籍編集などに携わりながら、児童福祉施設へも訪問しています。

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