特別児童扶養手当には所得制限があります。
今回は、特別児童扶養手当の所得制限とは何のために設けられているのかや所得制限の金額、所得制限の対象になったらどうすればいいか、今後所得制限はなくならないかを解説します。
特別児童扶養手当とは
特別児童扶養手当とは、精神または身体に障がいがある子どもに支給される手当です。その子どもの親や家族などが特別児童扶養手当を受け取ることができます。障害の程度に応じ、1級または2級として認定されます。
▼特別児童扶養手当の詳細についてはこちらの記事を参考にしてください
特別児童扶養手当の所得制限とは
特別児童扶養手当の所得制限は、一定の所得がある家庭に関しては特別児童扶養手当の支給が制限されるというものです。この所得制限は前年分の所得をもとに特別児童扶養手当がどのくらい支給されるか、または支給されるかどうかが決まります。
所得制限がある理由に関しては、国会の答弁で“精神または身体に障がいがある子どもの生活の安定に貢献し、子どもの福祉を増進させることを目的に支給されるものとされているため。この目的に照らして必要な範囲で支給するために設けられている”とされています。
【参考】衆議院議員奥野総一郎君提出特別児童扶養手当の所得制限撤廃に関する質問に対する答弁書https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b211122.htm
特別児童扶養手当の所得制限の金額
特別児童扶養手当の所得制限の金額は以下の表の通りです。
前年分の所得が、表に書かれている金額以上であるときは手当は支給されません。
扶養数 | 受給資格者 | 配偶者および扶養義務者 |
0 | 4,596,000 | 6,287,000 |
1 | 4,976,000 | 6,536,000 |
2 | 5,356,000 | 6,749,000 |
3 | 5,736,000 | 6,962,000 |
4 | 6,116,000 | 7,175,000 |
※扶養義務者とは、民法第877条第1項に規定する、直系血族と兄弟姉妹を指します。
表だけでは少し難しく感じるかもしれないので、実際のケースで考えると以下のようになります。
【5人家族で子どもに特別児童扶養手当の対象者がいるケース】
家族構成:父、母、長男、長女、次女の5人家族(内子ども1人が対象)
扶養関係:父親が子ども3人を扶養し、母親は0人
受給できる条件:受給資格者である父の所得が5,736,000円以下、配偶者である母の所得が6,287,000円以下であること
特別児童扶養手当の所得制限対象になったら?
特別児童扶養手当の所得制限対象になった場合、次の更新対象月までの1年間は手当を受け取れなくなります。
所得制限で確認する所得は、申請時や更新の際に毎年提出する所得状況届で確認されます。提出時期は市区町村によって異なるため、気になる方は担当支援窓口で確認しましょう。
所得状況届の提出後、特別児童扶養手当の所得制限対象になると市区町村から連絡がきます。連絡が来た時点でできることはなく、次年度で所得が所得制限内にならない限りは支給は停止されたままになります。
特別児童扶養手当の所得制限はなくならないの?
当事者で作る団体がこども家庭庁への要望や国会での質問表を出していますが、特別児童扶養手当所得制限の撤廃は未定です。
国会での質問に対する答弁内では“当該所得制限の「撤廃」については、同様に所得制限が設けられている児童扶養手当などの他の給付との関係も含め、慎重に検討していく必要があるものと考えている”とされています。
所得制限を確認して特別児童扶養手当を受給しよう
精神または身体に障がいがある子どもの養育者に支給される手当である特別児童扶養手当。
特別児童扶養手当には所得制限があり、毎年「所得状況届」を提出して世帯の状況や所得等を確認してもらいます。
確認後、所得制限対象になると特別児童扶養手当は受給できず、設けられた所得制限の金額以下にならなければ特別児童扶養手当の受給対象者にはなれません。
特別児童扶養手当の所得制限撤廃についての要望や国会への質問はありますが、今後どうなるかは未定なのが現状です。
必要な人のもとへ必要な手当が届くように、所得制限の見直し等をしてくれると嬉しいですね。
▼こちらの記事では特別児童扶養手当のデメリットについて解説しています
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