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ギフテッドと発達障害の違いは?誤診が多い理由や共通点を解説

ギフテッドと発達障害の違いは?誤診が多い理由や共通点を解説
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ギフテッド」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

才能に溢れた優秀な人のことだとは知ってるけど、我が子は発達障害だから関係なさそう

そう考える方がいらっしゃるかもしれませんが「発達障害だと思い検査を受けたらギフテッドだった」という例も少なくないなど、実は似ている部分が多く存在します。

今回は、自閉スペクトラム症の娘と暮らす筆者が、ギフテッドの概要や発達障害との違い、発達障害と誤診されやすい理由などを解説します。

目次

ギフテッドとは?

ギフテッドとは、一般の同世代の子どもたちよりも高い知能や創造性を持ち、学習や成果を示す人のことです。「神からの贈り物」という意味からGifted(ギフテッド)と呼ばれています。認知力や情報処理能力に優れ、勉学や芸術などさまざまな分野で顕著な才能を発揮するのが特徴です。

「それって優秀な子のこと?」との疑問が出るかもしれませんが、ギフテッドは“生まれつきの特性”。そのため、早い段階での教育で得られる知能ではありません。あくまで特定の能力が生まれつき著しく突出しているとの特性なことから、遺伝要因が大きいといわれています。

ファミケアちゃん

親族にギフテッドがいる場合、ギフテッドの子が生まれる可能性は高いということ?

ライターMizuki

現時点ではそう言われていますが、明確な結論はまだ出ていません。また、ギフテッドに生まれたとしても環境要因から知能を伸ばせない場合もあります。過敏さや社会的適応の難しさなど個人的な課題もあるため、一人ひとりの特性に合わせたサポートが大切です。

▼ギフテッドとは?についての詳しい記事はこちら

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ギフテッドと発達障害の共通点

大前提として、ギフテッドと発達障害は定義や特徴などが異なる概念です。ところが、それぞれの特徴が重なって見えることもあります。

たとえば、物事に興味や関心を抱き「このことについてもっと深く知りたい!」との気持ちが強いギフテッドの子どもは、周囲と同じ通常の学習環境では満足しにくいことも。そのため「もっと知りたい」「トコトン調べたい」「深く考えたい」との衝動性が見られたり、特定の分野にこだわりや関心を示したりする傾向があります。

▼ ギフテッドと発達障害の共通点

  • 好きなこと・興味のあることへの集中力が著しく高い
  • 完璧主義で、細かいところまで気にして締切を守れないことがある
  • 論理的思考力が高く、考えが奥深い

このことから、次のようなパターンが見られます。

  • 先生や周囲の大人に質問攻めする
  • 興奮してじっと座っていられない
  • 周囲が見えなくなるほど熱中して孤立してしまいがち
ライターMizuki

この特徴が注意欠如・多動症(ADHD)の衝動性や自閉スペクトラム症(ASD)のこだわりと類似しているため、本人や周りの人が生活のしづらさを感じる場合があります。

なお、ギフテッドと発達障害の両面を持っていると診断された場合「2E(twice-exceptional)型のギフテッド」と呼ばれます。2E型は発達障害の特徴を併せ持つため、ギフテッドであることにより気付きにくい傾向です。その一方で、優れた点が顕著に目立つ場合には、発達障害であること自体が見落とされてしまう場合もあります。

ギフテッドと発達障害の相違点

共通点がある一方で、ギフテッドと発達障害には次のような相違点も見られます。

特徴ギフテッド発達障害
他人の感情をくみ取る得意傾向苦手傾向
リーダーシップ得意傾向苦手傾向
ルーティンワーク苦手傾向得意傾向
運動得意傾向苦手傾向

上記で挙げた共通点や相違点の特徴は、あくまで一つの目安に過ぎません。それぞれの特性は個人差が大きく、ほとんどは明確に診断を分けるのが難しいといえます。 

ライターMizuki

「ギフテッドだからこうするべき」「発達障害だからこうしなければならない」と固定観念で決めつけず、子どもの個性を尊重しながらどちらの特性を持つのか、慎重な診断が大切です

なぜ発達障害との誤診が多いのか

前述したとおり、ギフテッドと発達障害は異なる概念ながら、いくつか共通する特徴が見られます。そのため、ギフテッドなのに発達障害と誤診されているケースも非常に多いのが特徴です。

ギフテッドの子どもが発達障害と誤診されてきた理由について、アメリカでは次の3つの理由が挙げられています。

“第一に知的能力の高さにより生じる困難について周囲からの理解を得られにくいこと。第二に個人内外の刺激に対する反応の激しさを特徴とする過度激動による行動が、障害による行動と一見同じように見えること。第三に個人内の発達のアンバランスを示す非同期発達により、「なぜ知的な面では大人びているのに、情緒的にはこんなに幼いのか」のように、周囲からの理解を得られないこと。

加えて、日本にはギフテッドを判定する確固たる 基準や支援を行う教育制度がなく、教育現場並びに医療現場にもギフテッドの子どもたちの表面的な行動をとらえる視点として、「ギフテッド」の枠組みが存在せず「発達障害」があてはめられる可能性が高いとしている。

さらに、誤診が連鎖することで、不適切、不必要、有害な 治療につながりそれが実際の精神疾患の要因となる可能性や、誤ったラベリングのために適切 な対応がなされない状態が継続することにより二次障害が生じるとしている。

また、ADHDやASDの診断過程では、親や教師による行動判定がなされることが多く、教師によるクラス内の子どもの相対的な能力評価はADHD誤診の大きな原因とされている。”

【引用】ギフテッドの子ども支援に関する研究動向と課題|国立情報学研究所(NII)
URL:https://hbg.repo.nii.ac.jp/record/5440/files/kr09-03.pdf

ライターMizuki

「ギフテッドのみの特性が見られる子ども」「発達障害のみの特性がある子ども」とぴったり2つに分類されるのではなく、それぞれの特性が併発しているケースも多いのです。

ギフテッドと発達障害の診断方法

ギフテッドの判定方法は、各国のギフテッドの定義により異なります。

▼ギフテッドの診断方法の一例

  • 知能検査
  • 学習進度評価テスト
  • 保護者や担任への問診表 など

主に用いられる方法は、知能検査です。そのなかでも特に、IQ(知能指数)を測る「WISC-Ⅳ(ウェクスラー式知能検査)」「QEEG検査」の2種類が用いられます。2つの検査は、発達障害の特性や得意・不得意の分野を把握するためにも用いられる検査です。 

IQとは、言語能力や記憶力などの知的能力を数値で表したものです。一般的にIQが130を超えるとギフテッドとされています

WISC-Ⅳ(ウェクスラー式知能検査)

「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」の4つの項目を測定する検査。子どもの得意・不得意の分野を見つけられるほか、同年齢の子どもと比較して突出した領域から、ギフテッドを診断する目安にします。 

QEEG検査

脳波を測定することで、平均よりも活性化している脳の部位を可視化して診断します。医師の問診と併せてギフテッドの度合いを把握可能です。 「定量的脳波検査」と呼ばれる場合もあります。

一方、発達障害の診断方法は知能検査だけでなく、発達検査などを通して医師が診断をします。


▼発達検査に関する詳しい記事はこちら

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ライターMizuki

とはいえ、人の知能はIQのみで測れるものではありません。たとえば、創造性や芸術性、運動能力などはIQだけでは診断できませんよね。それぞれ個人差も大きいため、子ども自体をしっかり見て診断する必要があります。

大切なのは個々の子どもに合った環境でのサポート

「ギフテッド」と聞くと“才能に溢れてうらやましい” “何もかもスラスラこなせてしまいそう”とのイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし実際は、その才能や特性ゆえ周囲との違いに苦悩し、生活しにくいとまで感じてしまう場合があります。

大切なのは、子ども一人ひとりの特性を活かしながら「苦手」を助ける環境を整えること

才能を伸ばすと同時に発達障害への対応も検討すれば、より適切な支援にも繋がりやすくなります。

「我が子にも気になる特徴があるけど、ギフテッドや発達障害…?」

すでに発達障害の診断が出てるけど、もしかするとギフテッドかもしれない…!

そう気になった方は、公的病院や民間病院、自治体の教育支援センターや子育て支援センターなどで相談から始めてみてはいかがでしょうか。必要に応じて、セカンドオピニオンを受けることも検討してみてくださいね。

【参考】

・学校・家庭でのギフティッド児の誤診予防と適切な理解・支援のために|国立情報学研究所(NII)(PDF)
URL:https://juen.repo.nii.ac.jp/record/8185/files/kiyo39_2_07.pdf

・児童生徒の発達の支援|文部科学省
URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/mext_01512.html

・ギフティッド その誤診と重複診断:心理・医療・教育の現場から|J. T. ウェブ ほか|北大路書房|2019/9/25


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ギフテッドと発達障害の違いは?誤診が多い理由や共通点を解説

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この記事を書いた人

日本心理学会認定心理士、サービス介助士。「自分らしさを忘れない」をコンセプトに、自閉スペクトラム症の娘との暮らしをゆるりと楽しむママです。フリーライターとして臨床心理・介護・児童福祉・療育関連のコンテンツ制作および書籍編集などに携わりながら、児童福祉施設へも訪問しています。

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