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入浴補助用具 アクアピットⅡ(Aqua pitⅡ)のおすすめポイントと使用した感想

アクアピット2のおすすめポイントと使用した感想
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障がい児、特に肢体不自由児を育てている多くのご家庭が困難を感じるのが入浴ではないでしょうか?

身体の小さい子どもは抱っこで入浴したり、乳幼児用向けのお風呂用の椅子を使用したりできますが、成長するにつれて徐々に対応が難しくなっていきます。

そのような悩みを抱える方に紹介したいのが、入浴補助用具の「アクアピットⅡ(Aqua pitⅡ)」です。

この記事ではアクアピットⅡのおすすめポイント、購入方法、使用した感想について紹介していきます

目次

アクアピットⅡとは

アクアピットIIは、株式会社きさく工房が製作、販売している入浴補助用具です。室内用座位保持装置の「PitⅡ」をベースに作られており、入浴用にさらに使いやすいデザインのシャワーチェアになっています。

ティルトでの調節やヘッドサポート部分の角度調節などが多くついており、子どもの体に合わせた調節がたくさんついているのがポイントです。自分で体を支えるのが難しい部分が多い子どもにも使いやすくなっています。また、比較的軽量なのも嬉しいポイントです。

入浴補助用具とは

入浴補助用具とは、身体障害や疾患によって生活の介助が必要な方の入浴を手助けする道具です

入浴補助用具の中でも座位保持を補助するものをシャワーチェア、キャスター付きで移動も可能にしたものをシャワーキャリーといいます。

入浴補助用具は、基本的に浴室で使用するため耐水仕様となっているため、身体を洗ったり、浴槽につかったりする際に使用できます。

アクアピットⅡのおすすめポイント

1.ティルト機能で姿勢の角度を調整できる

アクアピット2の全体写真。青いマットを白い骨組みで支えている。

アクアピットIIには、段階式のティルト機能がついています。このティルト機能を使えば、体調や身体状況に合わせて座った姿勢から寝た状態に近い姿勢まで角度調整ができます。

特に身体を縦に起こすことが負担になる子どもの場合、横になった状態で無理なく入浴することができるのは嬉しいポイントです。

2.様々なオプションをつけることができる

身体の状態は一人ひとり大きく違い、成長するにつれて変化も生じます。そんな時に役立つのがオプションです。

アクアピットIIは、ヘッドサポートや体幹サポート、レッグサポートなどのオプションが用意されています。必要に応じて組み合わせることにより、入浴をする人の身体に合った形で使用することができます。

3.キャスターユニットを取り付けることで移動も可能

アクアピット2にキャスターをつけた状態

オプションのキャスターユニットを取り付けることで、シャワーキャリーとしても使用可能です。

寝室で脱衣し、アクアピットⅡに乗って浴室へ行く、など移動にも使用することができます。

ライター Kana

我が家では寝室のベッドで脱衣し、アクアピットⅡに乗って浴室へ。アクアピットⅡに座ったまま身体を洗った後、抱っこで一緒に湯船につかります。

入浴後は再びアクアピットⅡに乗り、冷えないようにバスタオルをかけた後にシャワーキャリー自体の水分も軽く拭き上げ、そのまま寝室へ移動してベッドで更衣をしています。

4.ヘッドサポートの角度を変えることができる

アクアピット2のヘッドサポート部分

緊張が強く首が硬くなっている子どもの場合は、シャンプーの際に首を持ち上げたり、左右に動かしたりすることが困難な場合があります。

アクアピットⅡはヘッドサポート部分を倒すことができるので、首を動かしづらい子どもでもシャンプーがしやすいです。

アクアピットⅡの購入方法

アクアピットIIの料金は、筆者が購入した際の本体価格88,000円でした。購入したい場合は、きさく工房もしくは取り扱いのある福祉用具店などへ問い合わせましょう。

アクアピットⅡは日常生活用具給付の制度対象です。購入費用は助成を受けることができます。

日常生活用具給付の申請方法は2通りあります。

1つ目は身体障害者手帳を利用して申請する方法で、下肢または体幹機能障害のある方が対象です。

2つ目は小児慢性特定疾病医療受給者証を使用して申請する方法です。身体障害者手帳の交付を受けていない、あるいは上記の対象に当てはまらない方で“入浴に介助を要する”と認められた場合に対象となります。

いずれも自己負担は1割程度になることが多いですが、所得による制限や金額の算出方法が制度によって異なるため、自己負担額の詳細はお住まいの自治体にご相談ください。

購入時の注意点

アクアピットIIに限らず、入浴補助用具は耐用年数が8年となっているため、購入後8年経過するまでは新たな入浴補助用具の購入に対する給付補助を受けることができません。つまり、買い替えや追加購入をしたい場合は、自費になってしまう可能性があるということです。

そのため、8年後も使用することを考えて、購入時期やサイズの検討が必要です。

ライター Kana

長期間使用するためには劣化を防ぐためのお手入れも大切です。浴室で使うものなので、どうしてもカビが生える懸念があります。筆者は、シャワーキャリーの使用後は水分をふき取りしっかり乾かし、たまに外で天日干しをしています。購入後、1年半経ちますが綺麗な状態を保てています。

アクアピットⅡを使用した感想

実際にアクアピットIIを1年半使用してみた筆者の感想も紹介します。息子は低緊張により姿勢の保持が難しい状態だったため、筆者は購入時にアクアピットIIのオプションの頭部分を支えるヘッドサポート、体幹を支えるための体幹サポート、下肢をのせるためのフットサポートをつけて利用しています。

息子の情報

  • 低緊張
  • 身長120cm / 体重20kg
アクアピット2を正面から見た状態

しっかりと座位を保ちながら利用できる

分泌物が多く臥位が難しいときは身体を起こしたり、疲労が大きい時は身体を倒したり…とその日の状態によって姿勢の角度を調整して使用しています。

介助が楽になる

キャスターユニットもつけたことで寝室から浴室への移動もとても楽になり、介助者の負担が大きく減りました。

腰痛持ちの夫は低い位置から子どもを抱き上げることが難しかったのですが、座面の位置が高くなったことで移乗も楽になりました。

ライター Kana

成長に伴って入浴介助の負担が大きくなり「ほっと落ち着く時間」から「気合をいれてひと頑張りする時間」になっていましたが、アクアピットⅡを購入したことで負担も軽減し、これからも親子ともに笑顔で一日の疲れを癒すことができそうです。

アクアピット2の全体写真。座面角度が45度くらいになっている。

入浴の時間を楽しいものにしよう!

息子は赤ちゃんの頃からお風呂が大好きです。入浴時はとても穏やかないい表情をみせてくれ、親にとってもかけがえない喜びを感じる大切なひとときです。

アクアピットⅡは個人の身体の状況に合わせてオプションを組み合わせ、安定した姿勢での入浴を可能にしてくれます。

入浴は清潔の保持だけでなく、血行促進やリラクゼーションなど良い効果がたくさん!

入浴補助用具があれば、介助する側も介助される側も安楽に入浴を楽しむことができますよ。

肢体不自由の子どもの入浴時の姿勢保持に困っている方、介助量が大きくて負担に感じている方におすすめです。

▼参考資料

  • アクアピットⅡカタログ|きさく工房

https://kisakukobo.jp/pdf/aquapit2.pdf


ファミケアの掲載記事およびコラムに関しては、当事者および専門家によって作成しておりますが、全ての方に当てはまる情報ではございません。投稿された情報の利用により生じた損害について、ファミケア運営元では責任を負いかねますので、あくまでもご家庭での判断のもと参考情報としてご利用ください。また、特定の施設や商品、サービスの利用を推奨するものではありません。

アクアピット2のおすすめポイントと使用した感想

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この記事を書いた人

6歳長男が稀少遺伝子疾患によるてんかん性脳症、重症心身障がい児。
次男、夫と4人でまったり田舎暮らしをしています。
保健師の資格を持ち、看護師の仕事をしながら文章を学ぶかけだしライター。

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