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てんかんを気軽に話せる世の中に。てんかん発作記録アプリ「nanacara」に込めた思い

てんかん発作記録アプリnanacaraに込めた思い
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毎年2月の第二月曜日は「世界てんかんの日」と定められており、2024年は2月12日(月)が世界てんかんの日です。世界てんかんの日は、てんかんに関する理解の向上と啓発を目的としています。

ライターRisako

筆者の小学生の娘もてんかんがありますが、毎日の薬で発作をコントロールしながら日々の学校生活やお友達との遊び、自分の趣味と日常生活を送っています!

ファミケアでは「世界てんかんの日」の特別企画として、てんかんについてより深く知るための情報を発信しています。今回はてんかん発作記録アプリ「nanacara(ナナカラ)」を開発・運営するノックオンザドア株式会社にアプリが生まれた背景や、てんかん患者や当事者家族を支える会社としての思いを伺いました

てんかんとは

脳の神経細胞の過剰な電気的興奮に伴って、意識障害やけいれん発作などの症状を引き起こす慢性的な脳の病気です。てんかんのある人は、100人に一人の割合でいる(※1)と言われています。

※1:日本てんかん協会「てんかんとは」

https://www.jea-net.jp/epilepsy

目次

なぜてんかん発作記録アプリが生まれたのか?「nanacara」広報担当者岡田さんにインタビュー

ナナカラアプリ画面

nanacara(ナナカラ)」とは、てんかんがある子どもとその家族が、服薬状況や発作頻度といった日々の記録を共有・管理できるスマートフォンアプリです。

「nanacara」というアプリ名は、てんかんも一つの個性であり、患者さんに寄り添うご家族や支援者、そして社会のみんなが一体となって輝ける、七色の虹のように希望にあふれた世界になるように、という想いが込められているそうです。

そんな「nanacara」はどうして生まれたのか?実際に使っているユーザーさんからはどんな声が届いているのか?

nanacaraを開発・運営するノックオンザドア株式会社の広報担当・岡田さんにお話を伺いました。

ーーアプリが誕生した経緯について教えてください。

もともと医療関係の仕事をしていた共同創業者でCMOの高山のもとに、大阪市総合医療センターのてんかんの専門医である岡崎伸先生から「てんかん患者・ご家族のお話を聞いてほしい」と連絡があったことがきっかけです。

お話を聞く中で、実際に困っている方がいるんだと気づくのと同時に「これは何らかの方法で解決できる」と思い、てんかんの発作記録アプリを制作する運びになりました。

2018年1月からプロジェクトがスタートし、アプリが完成したのは2年以上経った2020年3月。延べ250名の患者さんやご家族と綿密なディスカッションを重ね、何度もアプリ設計を見直しながら関係者みんなの思いを反映したアプリを作りました。

ーーてんかんにとって記録はなぜ大切なんですか?

てんかん発作の症状は様々であり、かつ治療方法や薬にもたくさんの種類があります。

そのなかでどの治療方法が適切かを判断するために、発作が起きた際に専門医は以下の形で診療をはじめていきます。

  1. どのような症状だったかをできるだけ正確にヒヤリング
  2. どのような種類のてんかん発作だったかを推定
  3. どのような種類のてんかんだったかを推定
  4. どの部分がてんかん焦点(脳の中の発作の箇所)かを推定
  5. 治療方針、抗てんかん薬の種類が決まる
  6. (状況により)てんかん手術に際して重要な情報

このように、発作の詳細な情報は治療方針に直接かかわるため、重要なのです。

ーーユーザーさんからはどういった声が届いていますか?

「アプリができてからしっかりとした記録がつけられ、安心して外出できるようになった」「記録を残すことができるので、治療にも役立っています」といった声をいただいています。

ーー世界てんかんの日への思いや、ファミケア読者の方へのメッセージをお願いします!

2024年は2月12日に世界てんかんの日、2月29日はRare Disease Day(世界希少・難治性疾患の日)、3月26日はパープルデーと、様々な啓発イベントが続きます。私達はこれらのイベントを通じ、まだまだてんかんという症状を知らない人々に発信していきたいと思います。そして、てんかん患者・ご家族の方が「わたし(家族)が、てんかんなんだよ。」と気軽に言える世の中になっていければと考えます

私たちは理念として「難病患者・家族が輝き、自分らしい人生を送れる社会の実現」を掲げています。理念の実現に向け、てんかん以外にも様々な難病、希少疾患への取り組みを開始していきます。これからもドアをノックし、声を聞き続けていきますのでお気軽にご連絡くださいね。

てんかんを気軽にオープンにできる世の中に

筆者自身もてんかんがある子の親として、「わたし(家族)が、てんかんなんだ。」と気軽に言える世の中になっていければ、という岡田さんの言葉に言葉に胸を打たれました。

「てんかん」と一口に言っても、人によって発作の症状や頻度はさまざまなもの。にもかかわらず、「てんかんがあると、〇〇はできない」とその人自身の状況を詳しく見ずに杓子定規な偏見を持たれることも多々あり、てんかんであることをなかなか気軽には言いづらい状況であるのが正直なところです。

ただ実際にてんかんと関わる人は、予期できない発作に備えたり、毎日の服薬を忘れずに行ったりなどケアしなければいけない領域が人より多いこともまた事実です。nanacaraのようなアプリを活用し、本人やケアする家族、支援者、医療関係者の方がてんかんとうまく付き合えること、そして多くの人が理解が深まって「てんかんである」ことが気軽に話せる世の中になることを願っています。

▼てんかんについてより深く知るため、当事者インタビューを行った記事です。合わせてどうぞ。



ファミケアの掲載記事およびコラムに関しては、当事者および専門家によって作成しておりますが、全ての方に当てはまる情報ではございません。投稿された情報の利用により生じた損害について、ファミケア運営元では責任を負いかねますので、あくまでもご家庭での判断のもと参考情報としてご利用ください。また、特定の施設や商品、サービスの利用を推奨するものではありません。

てんかん発作記録アプリnanacaraに込めた思い

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この記事を書いた人

Webライター。小学生の長女は生後まもなく細菌性髄膜炎となり、現在もてんかんの服薬を続けています。夫と身体は小さいものの運動神経抜群の長女と9歳差の次女と2020年よりシンガポールで生活中。

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