こんにちは、ヨーゼフです。この連載「ヨーゼフの海外障がい児子育て奮闘記」では、私が海外で障がいのある子どもを育てた経験から日本と海外の環境の違いや実際に体験してみて感じたこと、おどろいたことなどをご紹介しています。
日本と違う発見やさまざまなカタチの子育てをみなさんにお届けできたら嬉しいです。
今回は「アメリカの小児リハビリ事情について#5」。リハビリ事情シリーズ最終回となる第4回の今回は、「小児リハビリの流れ」をテーマにご紹介します。
前回の記事:「アメリカではPTは医師と同レベルの社会的地位!?」ヨーゼフの海外障がい児子育て奮闘記#4
実際に行っていた小児PT訪問リハビリの流れ
息子はPTとOTの訪問によるリハビリを受けていました。
(PTリハビリは最初は病院の外来リハビリに通っていましたが、途中から訪問リハビリに切り替えました)
そこで今回はそのPT訪問リハの流れをご紹介します。
図で表すとこんな感じです。
挨拶も早々に「Bye!」と別室へ
PTは挨拶も早々に私を別室に行かせます。
当時は訪問リハビリ中が唯一息子と離れられる時間だったので、できる家事を進めたり、休息を取っていたりと、私にとって貴重な休み時間となっていました。
リハの準備も「できない」ではなく「とにかくやらせる」
息子は低緊張で身体の筋肉が弱いため、当時は特に身体を動かすのが困難でしたが、PTは補装具をできるだけ自分で装着するように指導していました。
最初の頃は嫌そうな顔をしたり投げたりもしていましたが、慣れてくると自ら補装具を触るようになり、少しでもできることがあると満面の笑みを見せてくれました。
私はどうしても「どうせできないし」「大人がやった方が早い」と考えがちでしたが、PTの「とにかく本人にやらせる」という前向きな考えは、私にとって大きな学びとなりました。
準備ができたら歩行器で出発
準備ができたらすぐ出発!
まずは歩行器を広い場所まで持っていきますが、それもなるべく息子に押させようとしていました。ちなみに息子、この頃はまだつかまり立ちすらできません。それでも「とにかくやらせる」のです。
とにかく動かす!!!
広い場所へ歩行器を運び終えると、PTは息子に歩行器を装着して歩き始めます。
PTは歩行器に乗った息子をとにかくあちこちへ連れて行きました。
天気が良ければ必ず外へ。
動きっぱなしでなかなか大変そうでしたが、そんな中でもPTはこまめに息子とコミュニケーションを取ろうとしていて、息子も疲れながらも楽しく歩き回っていました。
終了10分前に帰宅、今日の成果と次回の日程と課題の確認
終了10分前に帰宅。
最後の10分間で、今日の成果や次回の日程・やろうと思っている事や課題などを確認します。通院などがあった際は、この時間を少し長めに取り、情報の共有や医師の診断のアドバイスなどをもらったりします。
アメリカに住んでいるものの、私は英語が得意ではなかったので、この10分間は通訳を依頼してコミュニケーションを取っていました。
本人もPTもとても大変そうだったけど確実に成長を感じることができる中身の濃いリハビリだった
リハビリを終えて帰宅する息子はいつもへとへとでしたし、PTも汗だくで戻ってくることが多くありました。
準備時間を除くと約45分間ほどリハビリすることになります。45分間身体を動かすことは、大人でも相当きついです。
日本のリハビリは1回あたり約40分間なので、実際にリハビリを行う時間は30分程度。
回数は週1回、月に1回ということも少なくありません。
それに対し、アメリカで息子が行ってきたリハビリは1回あたり約60分間で、実際にリハビリを行う時間は45分程度。しかもそれが週3回。
健康な大人も顔負けの運動量ではないでしょうか。
ちなみに費用は1回あたり約140ドル(現時点のレートだと日本円で約2万円)。
第二回で紹介したOT同様、100%自己負担ではありませんでしたが、それでもなかなかの負担でした。
▼OTリハビリの費用に関する記事はこちら
しかし時間と体力と費用をかけて大変なリハビリを乗り越えてきたからこそ、息子は成長をすることができました。
歩行器で支えても体幹が弱く、安定して立つことすらままならなかった息子は、歩行器で近所のスーパーへ行けるまでに!
▼スーパーへ行った時の様子がこちら
現在息子は少しずつ歩くことや階段の昇り降りもできるようになってきましたが、今があるのはこの時のリハビリのおかげだと思っています。
日本に帰国してからのリハビリは、アメリカと頻度や内容が異なり正直戸惑いもありました。私としてはアメリカと比べて「もっと回数が多かったらいいのに」「内容がこうだったら嬉しいな」などと思うこともあります。しかし、息子は今の日本のリハビリもとても楽しんでいるようです。
PTリハビリは現在、週に1回、療育センターに通っています。
訪問リハビリとは違い、専用の設備などが整っている中でのリハビリは、アメリカで行ってきた外来リハビリとはまた違った刺激を受けているようです。療育センターへ向かっていることに気づくと、とてもテンションが高くなります。これからの成長もとても楽しみです!
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