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5つの疾患を経験、全介助が必要な3歳雷ちゅんくんの暮らし【疾患・障がい児の子育てエピソード特集】

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12月3日〜9日は障害者週間です。疾患・障がい児の子育てエピソード特集では、大変なこともあるけれど、可愛い我が子との暮らしを楽しんでいらっしゃるご家族に一問一答で質問してみました!


お子さんの過ごし方や、日々感じる困りごと、育児を楽しむポイント、疾患・障がいを受容するまでのお気持ちについてお話しいただいています。この特集が疾患・障がい児への理解が深まるきっかけになると嬉しいです。

今回は、5つの疾患を経験し、現在も4つの疾患がある雷ちゅんくんご家族のエピソードをご紹介します!

目次

雷ちゅんくんご家族の暮らしをご紹介します!

雷ちゅんくんのプロフィールについて

雷ちゅんくん

雷ちゅんくんは2020年9月生まれ、3歳の男の子です。1歳9ヶ月から児童発達支援に通っていて、来年の4月から、こども園の支援学級に入園し、児発と併用予定です。

5つの疾患を経験し、現在は4つの疾患があります。発達は5〜7ヶ月程度で全介助を要する重症心身障害児です。立位や歩行はできず室内はバニーホッピングで移動、外では基本的にバギー移動です。また、会話はできません。

5つの疾患について
1.フェラン・マクダーミド症候群(22q13.3モノソミー)(2歳4ヶ月で診断)
  ※筋肉の低緊張や、重度の発語遅滞、知的障害などが見られる疾患。
2.大脳白質形成不全(1歳で診断)
  ※眼振や発達遅滞、痙性四肢麻痺などが見られる疾患。
3.脳梁低形成(1歳で診断)
  ※てんかんや精神発達遅滞などが見られる疾患。
4.水腎症(出生後すぐ診断、経過観察)
  ※尿の流れが悪くなり、腎臓や尿管に溜まることにより脇腹に痛みが生じる疾患。
5.先天性鼻涙管閉塞症(9ヶ月にブジー手術、完治)
  ※涙の排出口が鼻腔に通じていないことにより、涙をうまく排出することができない疾患。

好きなこと、得意なこと、伸ばしてあげたいところ 

質問:お子さんの好きなことをおしえてください

回答:お外が大好きで声を出して喜びます。お部屋にいると、窓に近づいてカーテンを引っ張って開けたり、窓を叩いたり、玄関の方に行ったり、お外へ行きたいアピールをします。お出かけも大好きで、足をバタバタさせたり、体いっぱい楽しいことや嬉しいことを表現します。

好き嫌いせず食べることが大好きで体を揺らして美味しいことを表現します。永遠に食べていたいようです。

歌を聞くのも好きで、お気に入りの歌が定期的に変わります。体を激しく動かすことが好きなので、歌を聴いたりしているときや、楽しいとき、好きなことをしているときなど、ご機嫌なときは座りながらジャンプするように飛び跳ねたり、コマのように回転したり、声を出して目をキラキラさせて楽しんでいます。

パパに高い高いで上に飛ばされたり、リハビリのスパイダーや、大きいクッションにダイブしたり激しく動くことも大好きです。

質問:お子さんの得意なことをおしえてください

回答:カーペットをめくるのが得意です。壁やドア、床などどこでも、さわさわ触ったり叩いたりすることが得意です。お話しができないので、声色や表情、体を動かして伝えるのが得意です。「抱っこして〜」「遊んで〜」と言っているかのように、誰にでも人懐っこくて甘えることが得意です。

質問:お子さんの伸ばしてあげたいところをおしえてください

回答:動くことが大好きなので、色々なことができて楽しめるようにリハビリなどをして沢山楽しい遊びをさせてあげたいです。人と関わることも大好きなので、色々なところに連れて行ったり、たくさんの方々とのつながりを作って経験し、このまま笑顔で人生を楽しませてあげたいです。

困りごとやこうなったらいいな、みんなに知っておいてほしいこと

質問:日々お子さんと暮らして困りごとがあったらおしえてください

回答:バギーで移動するので駐車場が狭いとバギーの乗せ降ろしや、雷ちゅんをバギーに乗せたり降ろしたりすることができなくて苦労します。

お出かけ先でのオムツ交換をする場所に困っています。ベビーベッドしかなかったり、女性トイレにしかなかったり。ベビーベッドは、障がいによる過成長の雷ちゅんには転落の危険があって使えません。

質問:日々お子さんと暮らす中で世の中がこうなったらいいなと思うことをおしえてください

回答:子どもに限らず、高齢者や持病がある方、障がい者の方々のために、多目的トイレにユニバーサルシートが設置されているとお出かけ時のオムツ交換ができるのでいいなと思います。

インクルーシブ社会やインクルーシブな環境づくりを当事者の意見や目線を踏まえて作っていけると、みんなに優しい社会になるのではないかと思います。

幼稚園や保育園など、幼少期からインクルーシブ教育などをして、障がいや病気がある子どもや大人がいることを知ってもらい、偏見が少しでも減って、誰でも助け合いができ、声を上げられる世の中になってほしいです。みんな違って、みんないい。違うところや考えの人を差別したりせず、個人を尊重する社会になると生きやすくなるのではないかと思います。

質問:日々お子さんと暮らす中で世の中のみんなに知っておいてほしいことがあればおしえてください

回答:バギーはベビーカーではなく、子ども用車椅子として使用しています。中にはバギーが作れず、ベビーカーをバギーの代わりに子ども用車椅子として使っている方もいます。

障がいや病気があるのは大人だけではなく、赤ちゃんや子どもでもいます。そういう子や大人を見かけたときには、手を差し伸べたり、温かい目で見守ってもらいたいです。話しかけてもらっても構いませんが、人一倍苦労をしていたり、辛い思いをしてきているので、優しい言葉や表現で話しかけてほしいです。

疾患・障がい児育児を楽しむポイント、工夫

質問:お子さんと日々暮らす中で楽しい・うれしいと感じるときはどんなときですか?

回答:ママを見つけた途端、笑顔になってダッシュで近寄ってきて抱きついてきてくれるときが嬉しいです。

いつまでも赤ちゃんのようで、大変なことはもちろんありますが、可愛くてしょうがないです。遊んでいるときや食べ物を美味しく食べているときの満面の笑顔や可愛い声、体で表現するのがすごく可愛くて、愛おしいです。

質問:お子さんと日々暮らす中で楽しむコツや工夫、意識していることがあればおしえてください

回答:1人で頑張り過ぎない、考え過ぎないこと。「楽をしたっていいじゃない。障がい児ママだって楽しいことをして、自分時間があってもいいじゃん!」と思っています。

私自身、実際にそうです。沢山周りに頼っていいと思うし、使える支援はマックス使う!「健常児とはちょっと変わった育児かもしれない。大変な事柄は違うかもしれないけど、どっちも大変なんだよね〜。」と、自分の子どもだけど少し客観的に見てみたりして、あまり考えたり悩まないようにしています。考えても悩んでも答えが出ないこともいっぱいある。イラつくことがあっても、そのことをネタだと思って面白い考えに変換してみたり目線を変えてみたりすると意外と心が落ち着いて笑えてきたりして。(笑)


同じ境遇のママたちとつながって相談したり、経験談を聞いたり、美味しいものを食べて楽しいことをする!ママが心も身体も元気じゃないと、子どもには伝わると思います。

私は子育てサークルに入っていて、イベントや何かあるときはなるべく参加しています。出没率高めの私ですが、それは仲間に会えて心が軽くなるからです。帰ってからも笑顔で子育てができるし、次の参加までが楽しみで、辛いことがあっても乗り越えられます。子育てサークルに出会ってからたくさんの障がい児やそのご家族、また協力や応援をしてくださる方々ともつながることができで、「雷ちゅんがつないでくれている縁だな」と感じます。

皆さんとてもとても素敵な方々ばかりで、素晴らしい縁をつないでくれた雷ちゅん、子育てサークル、つながってくださる方々みなさんに感謝しています。このつながりがあるから笑って子育てできています。辛いことなどがあっても「私1人じゃないよ」って思えるんです。

どんな子どものママだって笑って子育てしたい!!楽しんじゃお〜!

質問:子どもの疾患・障がいを知ったあとに、どうやって受容していきましたか?やったこと、考えたこと、周りにしてもらって記憶に残っていることなどを教えてください

回答:私は看護師なので、看護師目線で見ているときもあって、ショックではあるけど受け入れられたんだと思います。

最初に診断されたとき、主疾患ではない診断を受けました。「この病気は違うな」と思いつつ「受容できていないだけなのかな」って悩んだりもしました。それでも調べたり、検査したりしてようやく主疾患が見つかったので、疑ってよかったと思っています。

二重人格なのかと思うくらい、受け入れている自分と受け入れられない自分がコロコロ出現したときがあります。今でも時々、天使と悪魔みたいに出現するときがありますよ。(笑)

「うちの子はこれが普通だし、これが当たり前。うちはうち、よそはよそ。全く同じ人間なんていないんだから、みんな違っていいじゃん。むしろ、周りと違う私の子すごい。」って屁理屈みたいなことを思うことだってよくあります。実際のところ受容できているのか、できていないのかよくわかりませんが、我が子が元気で笑顔の姿を見ると「まあいっか」と思えるので、深く考えていないです。

病気や障がいを必ずしも受容しなくてもいいんじゃないかなと思います。「我が子の病気・障がいなのに受容できないなんて親失格」と思って受容しようと努力するのも辛いことだし、受容できない自分を受容するのも、今後子どもと関わっていく上で必要なのかなと思います。「受容できなくたっていいじゃん。だって、障がい児が産まれてくると思っていなかったし。」と思ってもいいと思います。正解なんてないです。

疾患・障がい児がより暮らしやすい世の中になりますように

好きな歌を聴いて座りながらでも体いっぱい飛び跳ねるという雷ちゅんくん、可愛いですね!

「偏見が少しでも減って、誰でも声を上げられる世の中になってほしい」と話す雷ちゅんくんご家族。これからインクルーシブな社会がより広まっていきますように。
また、もしお子さんの疾患や障がいについて悩みすぎてしまうという方がいらっしゃれば、雷ちゅんくんご家族のように、お近くの子育てサークルなどに参加してみるのも良いかもしれません。

【エピソード募集の受付は終了しました】たくさんのご応募ありがとうございました!



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この記事を書いた人

25歳で出産を機にWebマーケティング領域に興味を持ち細々と携わっています。発達障がいの息子がいます。こだわりが強い反面"自分の軸がブレない"息子を尊敬しながら子育てを楽しんでいます。

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