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ヨーゼフの海外障がい児子育て奮闘記#1「アメリカで障がいのある子の出産・育児スタート」

ヨーゼフの海外障がい児子育て奮闘記第一話
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こんにちは、ヨーゼフです。この連載「ヨーゼフの海外障がい児子育て奮闘記」では、私が海外で障がいのある子どもを育てた経験から日本と海外の環境の違いや実際に体験してみて感じた事、おどろいた事などをご紹介していきます。

日本の子育て事情・環境と違う発見さまざまなカタチの子育てをみなさんにお届けできたら嬉しいです。

目次

海外で子どもを産んだら障がいのある子だった

私ヨーゼフは、低緊張に伴う発達遅延と感音性難聴のある息子と5つ上の娘のママです。

息子を産んだ時は、夫の転勤でアメリカに住んでいました。海外でのはじめての出産、駐在妻の先輩方からたくさんアドバイスは頂いていましたが、とにかく不安と緊張でいっぱいでした。

妊娠中は、大きく問題視することもなかった、普通の妊婦生活。そして予定より1ヵ月早い陣痛がきて、いよいよ出産。感動のご対面も束の間、事前に案内されていた母子同室になることはなく、息子はNICUに連れていかれました。

息子は3ヵ月弱入院していましたが、自力で哺乳することはほとんどありませんでした。また、退院数日前に難聴も発覚。想定していた「楽しい海外子育て」からは程遠い「手探りの海外障がい児子育て」がスタートしたのでした。

病院からの退院時には。たくさんの薬と病院の連絡先リストを持たされ、退院して帰宅すると「何から手を付ければいいんだろう」と一気に不安に襲われました。

入院中、ナースと会話をするのは難しかったけれど、常に近くに誰かがいたから安心できた。でも、これからは自分たちで何とかするしかない。

「……どうやって?」とまだ幼なかった娘と、ベビーカーに乗ったままの息子の横で、しばらく立ち竦んでしまったのを今でも鮮明に覚えています。

そんな状況から、1つずつ、やるしかない!と進めてきた結果、なんとか今でも頑張っています。

海外での障がいの考え方や周りの環境

子育てをする中で日本とアメリカでは、障がいや障がいのある子を育てる環境にも違いがあると感じています。

海外で実際に障がいのある子どもを育ててみて、私が強く感じたのは

健常児でも障がい児でも、子どもは子ども

という考え方です。海外に住んでいた頃はまだまだ小さかったから、というのもありますが、私もそういった文化のせいか息子のことをわざわざ「発達が遅れてて歩けないんです」と伝えたことはありませんでした。

ちなみに、近所のスーパーへ歩行器で行ったこともありますが、邪魔だと思われるような視線や仕草などは一切されず、むしろ「かっこいいわねー!」と目をキラキラさせて声を掛けてくれたりしていました。

ファミケアちゃん

ヨーゼフさんヨーゼフさん!近所のスーパーに歩行器でいくのは心配じゃなかったの?

当時の雰囲気だと全然気軽なかんじだったかなぁ

スーパーへ歩行器で行った時は、もともと訪問リハビリで廊下やロビーを歩いていたので、すぐ近くにあるスーパーなら道のりに段差も少なく、車に出会うこともほぼないので、「ちょっと行ってみようかな」という気軽な感じで行きました。

歩行器でスーパーに行っている画像
歩行器でスーパーに行っている画像

アメリカはお店の通路も広く、歩行が困難な人向けに誰でも使えるカート付き電動車いすがショッピングカートの横にあることも多かったので、心配は全くありませんでした。

一方で、子どもで障がいがあるから手放しに優しいというわけではありません。できないから優しく、やってあげようとするのではなく、しっかりと頑張る姿勢を求められます。

たとえば、アメリカでのリハビリは子どもにとってはかなり厳しいものだと感じました。

どんなに泣いたり嫌がっても、開始時間になれば親から引き離し、みっちり指導を受けます。そして終わる頃にはヘトヘトになって戻ってきます。

でもヘトヘトになっているのは子どもだけではありません。息子のPTの担当者は毎回汗だくでした。常に全力で子どもに向き合ってくれる―それは「この子を何とか自分の力で成長させたい」という気持ちの表れだと感じました。

一方で、できるようになった事は、それが例えほんの些細な事でも、大声で歓声を上げ、思いきりハグして褒めてくれました。それは息子だけでなく、私自身もとても嬉しく、つらいリハビリを息子と共に頑張ろうという励みにもなりました。

そもそも日本は島国なので、「多様性」という言葉に感覚的な馴染みがない気もしているのですが、海外は色々な国の人・人種が住んでいて多様性が当たり前の国も多くあります。

障がいや障がい児・者の考え方の違いも、そこから来ているのではないかと感じています。

海外での障がいのある子どもの子育て事情

いざ「障がい児を海外で育てる!」となった時に、頼れるものはほとんどありませんでした

もちろん現地の情報サイトには障がい児について掲載されていましたが、まず何を調べればよいのかがわからない。だって、産む前まで障がいのこと、何も知らなかったのですから…。

言葉の壁。考え方の違い。異国の地での孤独。

「日本で産んでいたら、どうなっていたかな」

案にたまにふと、考えます。

そんな中で決めたのが「頼れるものは何でも頼る」でした。

お手伝いさんを雇う、通訳を雇う、近所の日本人仲間に助けを求める、実家の家族を呼び寄せる、などなど。「私しかできないこと」がたくさんあったので、逆に「私じゃなくてもできること」はとにかく人の手を借りるようにしました

それでも帰国した時は「日本語が通じるって何て楽なんだろう…」と感動してしまいました。それくらい、言葉の壁は大きかったです。

いろんな子育てのカタチを届ける

海外生活で困ること。子育てで困ること。障がい児を育てるにあたって困ること。

全てを経験してきた私ができること。そんな経験を伝えたくて、連載をはじめさせていただくこととなりました。

私の経験や視点からではありますが、いろんな子育てのカタチとして「アメリカでの障がい児子育て奮闘記」をお届けすることで誰かの役に立てたら嬉しいです。次の記事では「アメリカの小児リハビリ事情」についてご紹介していきます。ぜひお楽しみいただけたら幸いです。



ファミケアの掲載記事およびコラムに関しては、当事者および専門家によって作成しておりますが、全ての方に当てはまる情報ではございません。投稿された情報の利用により生じた損害について、ファミケア運営元では責任を負いかねますので、あくまでもご家庭での判断のもと参考情報としてご利用ください。また、特定の施設や商品、サービスの利用を推奨するものではありません。

ヨーゼフの海外障がい児子育て奮闘記第一話

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この記事を書いた人

2014年生まれの女の子と2019年生まれの重複障害(下肢3級,聴覚6級)の男の子のママです。アメリカで妊娠・出産と障がい児育児を経験。お仕事はフリーランスのWebデザイナー。

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