サチュレーションモニターって何が測れるの?
サチュレーションモニターを使用する人ってどんな人?
そんな疑問にお答えすべく、今回はサチュレーションモニターとは何かや使用する人、計測可能な数値、酸素飽和濃度と脈拍数の正常値、酸素飽和濃度と脈拍数の数値が下がるとどうなるか、持ち運びできるかを紹介します。
医師 おkら先生
呼吸器専門医、がん薬物療法専門医、総合内科専門医。嚥下機能評価研修会修了、医療型児童発達支援/放課後等デイサービスの嘱託医。仕事大好き、2児の母。長男がダウン症、気管切開をしている医療的ケア児。障害児を育てる環境が優しくなって欲しい。その為に自分に何か出来る事はないかと日々考えています。
X:@oke_et_al,ブログ:じょいく児。
サチュレーションモニターとは?
サチュレーションモニターは、皮膚を通して体内の酸素飽和濃度(SpO2)と脈拍数を測る医療機器です。「パルスオキシメーター」や「血中酸素濃度測定器」とも呼ばれます。
家庭で使用するものには指に挟むクリップタイプやテープで指に巻くタイプの種類があります。どちらともクリップ部分やテープの部分に赤いランプが光っており、そのランプの部分を指の皮膚や爪に装着させることで、数値を測ることができます。
一時的にサチュレーションモニターを装着し測定する場合は指で数値を測ることが多いですが、長時間装着する場合は、足の指や足の甲に付けて取れにくくすることもあります。
筆者の息子はサチュレーションモニターを24時間装着していますが、足の甲に赤いランプが付いたテープを巻き付けて使用しています。元から付いているテープだけでは剥がれてしまうため、サージカルテープを上から貼って取れないように工夫しています。
サチュレーションモニターとパルスオキシメーターの違い
サチュレーションモニターとパルスオキシメーターに違いはありません。呼び方が違うだけで同じ医療機器のことを指します。
サチュレーションモニターを使用する人はどんな人?
サチュレーションモニターは、状況に応じて酸素濃度が下がる可能性がある人のモニタリングに使用します。例えば、手術中の患者や呼吸器症状のある外来患者などです。
また、在宅生活を送っている疾患や障がいのある人の中にも状態によってはサチュレーションモニターを日常的に使用する人がいます。毎日生活を送る上で、数値が安定しているか、体調が悪くないかなどをサチュレーションモニターの数値を見ることで確認することができます。
サチュレーションモニターで計測可能な数値
サチュレーションモニターで計測可能な数値は、主に体内の酸素飽和濃度(SpO2)と脈拍数です。
酸素飽和濃度(SpO2)と脈拍数を測ることができるので、その日の体調の良し悪しや呼吸状態の確認、状況によっては酸素の使用を検討するのに判断する基準にすることができます。
サチュレーションモニターの酸素飽和濃度と脈拍数の正常値はどのくらい?
サチュレーションモニターの酸素飽和濃度(SpO2)の正常値は、安静な状態での一般的な人で、95〜100%です。これは大人も子どもも同じです。
脈拍数の正常値は、成人で1分間で60〜100回、未就学の子どもで80〜140回、6歳以上で90回程度といわれています。
安静でいるかどうかや刺激の多い場所にいるか、起きている時と寝ている時など、子どもの状況によって脈拍数は変わります。子どもが安静にしてリラックスしている時にどのくらいの脈拍数なのかを知っておくことで、健康状態が悪くなった時にすぐに気づくことができます。
もうすぐ2歳になる息子のサチュレーションモニターの脈拍数は、起きていて安静な状態でいる場合は130〜140回程度です。暑くなったり刺激が多い場所にいくと、150〜160回くらいと少し上がります。また寝ているときは逆に90〜120回と回数が少なくなります。
サチュレーションモニターの酸素飽和濃度と脈拍数の数値が下がるとどうなる?
サチュレーションモニターの酸素飽和濃度(SpO2)が94%以下になると、酸素が必要になる場合があります。一般に90%以下になると危険状態になり、特別な処置が必要になる場合があります。
入院している人や基礎疾患や障がいがあり在宅生活をしている人にとっては、サチュレーションモニターの酸素飽和濃度(SpO2)の数値がどのくらいなのかを知ることは、体調管理につながることなので、とても大切です。
息子が肺炎になり状態が悪くなると、サチュレーションモニターの酸素飽和濃度(SpO2)の数値が90以下になったことが数回あります。その時の息子は顔色が悪く、苦しそうな状態でした。酸素をつなげて数値が95%以上に戻ることもありますが、戻らない場合は入院になりました。
サチュレーションモニターは持ち運びできる?
サチュレーションモニターは持ち運びが可能なものもあります。バッテリーや電池で使用することができるので、外出するときもそのまま持ち運ぶことができます。
自宅で使用するような大きいサイズのサチュレーションモニターを持ち運ぶのは荷物になり少し大変ですが、そのまま持ち運んでいる人もいます。
小さいサイズのサチュレーションモニターも売っているので、自宅で使用している大きいサチュレーションモニターを持ち運ぶのが大変な人は、小さいサイズの購入がおすすめです。
筆者が息子と一緒に外出するときは、小さいサチュレーションモニターを使用しています。片手で持てるサイズで軽量なので持ち運びやすくとても便利です。定価は14万円ほどでしたが、日常生活用具給付制度を使い1割負担で購入できました。ただ、息子が使用しているのは電池式なので、電池が切れて交換する手間はあります。
サチュレーションモニターの数値の見方を正しく知って子どもの健康状態を把握しよう
皮膚を通して体内の酸素飽和濃度(SpO2)と脈拍数を測る医療機器であるサチュレーションモニター。パルスオキシメーターや血中酸素濃度測定器とも呼ばれます。
サチュレーションモニターを使用する人は、入院している人や疾患・障がいがあり在宅生活を送っている人などです。
サチュレーションモニターに表示される酸素飽和濃度(SpO2)と脈拍数の正常値を知ることで、サチュレーションモニターを使用している人の健康状態を知ることができます。数値の値によっては命にかかわるので、患者の状態によってはサチュレーションモニターは必要不可欠なものです。
サチュレーションモニターは持ち運ぶことができますが、自宅用のものだと大きく、収納に困る場合があります。小さいサチュレーションモニターも販売しているので、大きいサチュレーションモニターが不便だと感じている人は小さいサチュレーションモニターを購入することをおすすめします。
サチュレーションモニターの数値の見方を正しく知って、子どもの健康状態を把握し、子どもの命を守りましょう。
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