スヌーズレンって聞いたことあるけどよく知らない
スヌーズレンはどんな子どもが体験できるの?
このようにスヌーズレンに関して疑問に思っている人もいますよね。
今回は、スヌーズレンとは何かや効果、誰のためのものでどこで体験できるのか、使われる用具やグッズ、実際に体験した感想を紹介します。
スヌーズレンとは
スヌーズレンとは、重い知的障がいのある人の余暇活動として始まったリラクゼーション活動です。薄暗く静かな部屋の中で、様々な用具やグッズを使った光や音、香りなどの演出をゆったりと楽しむことができます。
心が落ち着くような心地よい雰囲気のため、今では重い知的障がい者だけでなく、様々な障がいや疾患のある人、健常の子どもなども参加できるようなものになりました。
スヌーズレンという言葉は、オランダ語の「くんくん匂いをかぐ」という意味のスヌッフレンという言葉と、「うとうとする」という意味のドースレンという言葉をかけ合わせてできました。
1980年代にヨーロッパを中心に、アロマセラピー、音楽療法、タッチングケアなどのケアが注目され、それらをすべてまとめようという動きの中、スヌーズレンが発展していきました。
スヌーズレンとは誰のためのもの?
スヌーズレンは、知的・発達障害があるなどの障がい児・者や認知症の方、心理的に不安定な人など、ケアやセラピーが必要な方向けに活用するものです。
しかし、病気や疾患、障がいがある人だけのためのものではありません。健常の子どもたちがゆったりと過ごせる場所として提供する場合もあります。
スヌーズレンのねらいや期待できる効果
スヌーズレンを体験することで、光や音、香りによる刺激を与えられ感覚刺激とリラクゼーションを体感できます。色が移り変わるライトがやわらかく光っていたり、心地よい映像がプロジェクターで映し出されていたり、水のぶくぶくという音に耳を傾けたり。
スヌーズレンのゆったりとした空間の中では、音や光などに敏感だったり閉鎖的な空間では不安や緊張を感じる障がいのある人でも安心して心を落ち着かせることができます。
また光のスイッチを触ったり、後ほど紹介するサイドグロウというスヌーズレン用具を自ら手にとったりなど、自主性の発揮や自己選択などをして、寝たきりの人や普段なかなか自ら動くことが少ない人が活動的になる効果もあります。
スヌーズレンが体験できる場所はどこ?
スヌーズレンは、病院や施設で導入されていることが多く、常時誰でも体験できる場所はまだ少ないです。児童発達支援や放課後等デイサービスなどの療育施設ではスヌーズレンを取り入れている施設もあるので、今通所している場合は聞いてみると体験できる可能性があります。
また、NPO法人やスヌーズレンを専門に取り扱う会社、障がい児や家族を支える団体などがスヌーズレンのイベントを行っていることもあります。
場所によっては常設でスヌーズレンを体験できるところもあるので、お住まいの近くに体験できる施設があるかどうか調べてみると見つかるかもしれません。
筆者の息子の場合は、イベントに参加したり、児童発達支援で導入されていたのを体験したりしました。
スヌーズレンで使われる用具・グッズ
スヌーズレンの心地よい空づくりに使用される道具やグッズなどを紹介します。
バブルチューブ
透明な大きいチューブの中を数色の光が移り変わり、視覚刺激をもたらす用具です。チューブの中には水が入っていて、下から上へと、泡がぶくぶく動いています。移りゆく光と泡の動きが刺激になり、バブルチューブに手を伸ばす人の様子が見られます。
サイドグロウ
束になった細長いチューブが様々な色に変わっていき、視覚刺激をもたらす用具です。熱を持たないので触ることもでき、サイドグロウの上に寝転んだり、身体に巻き付けたりして体験することもできます。ものによってはボタンで色を変えることができるので、ボタンを自発的に押して色の変化を楽しむこともできます。
プロジェクター
白い壁やテントの布などに自然や動物などの映像を映す用具です。プロジェクターを使用することで心地よい雰囲気を作り出すことができます。雲が動く映像を流したり、草木が風でなびく様子を移したりなど、スヌーズレンが体験できる場所によって映し出される映像は変わってきます。
スヌーズレンを実際に体験した感想
筆者の息子はこれまで3回のスヌーズレンを体験しました。2回はイベント、1回は児童発達支援のプログラムです。
薄暗い部屋の中で、息子は様々な色に移りゆくバブルチューブや自ら手にとって触りながら色の変化を楽しむことができるサイドグロウの光の刺激を毎回楽しんでいました。
テントの中で見ることができたプロジェクターの映像には特に反応が良く、ニコニコをしながら揺れる木の葉の映像を眺めていました。
スヌーズレンが体験できる場所はとても静かで心地よい空間です。大きな刺激を感じ取りやすい子どもでも楽しめることができる理由がとてもよくわかります。
スヌーズレンを体験して五感を刺激したり自発的な行動を促したりしよう
ヨーロッパでアロマセラピーや音楽療法などのケアをまとめようとする動きから発展していったスヌーズレン。
障がいや疾患のある人を中心に、音や光などにより五感が刺激されリラクゼーション効果があると言われています。
体験できる場所は、病院や施設を中心に、今ではイベント会場や児童発達支援など、様々なところでスヌーズレンを楽しむことができるようになりました。
大きな刺激に敏感な人でも心地よく過ごせるように使用されている用具やグッズには、数色の光が移り変わり水の中を泡がぶくぶくと動くバブルチューブや、細長く色が変わり上に寝そべったり身体に巻きつけたりして遊べるサイドグロウ、ゆったりとした雰囲気をつくりだすことができるプロジェクターなど、様々なものが使用されています。
薄暗く静かな空間の中で、感覚を刺激することで安心して楽しめることができるスヌーズレン。まだ体験したことない人は是非イベントや常設で設置されている会場などで経験してみてくださいね。
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