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【不登校時間の過ごし方】発達障害児の娘の「学校行きたくない」にどう対応した?を経験からご紹介

発達障害児の娘の「学校行きたくない」にどう対応した?
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「今日は学校へ行きたくない…」

これは、自閉スペクトラム症と診断されている筆者の娘が、ある日ぽろっと吐き出した言葉です。我が子から突然「登校したくない」と言われると、どう返していいか迷ってしまいますよね。

心が一時的にケガをしている状態」と表現されることもある、不登校。この記事では、娘の不登校時間を経験した筆者が見出した過ごし方や対応策をご紹介します。

子どもがもしも不登校になったときのために対応を知りたい

不登校中の我が子への対応、他の人はどうしてるんだろう?

そのように考えている方は、ぜひゆったりと読んでみてください。

【子どもの情報】

  • 年齢:9歳(2024年現在)
  • 診断名:自閉スペクトラム症(知的発達の遅れなし/興味やこだわりが強い/感覚過敏あり/強迫症、不安症あり)
  • 診断時期:4歳4ヵ月
目次

発達障害児が不登校になりやすいのはなぜ?

不登校と発達障害について、過去に旭川医科大学小児科が行った調査では、以下のような発表がされています。

不登校児の57%が広汎性発達障害や注意欠陥/多動性障害などの発達障害を、また24%が不安障害などの精神疾患を有していた。87%が不登校になって初めて発達障害と診断された。

引用:不登校と発達障害:不登校児の背景と転帰に関する検討|旭川医科大学小児科
URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/49/4/49_255/_pdf/-char/ja

※「広汎性発達障害」は、2024年現在「自閉スペクトラム症」との名称に変わっています

発達障害児は、社会的なルールを理解するのに支援が必要な傾向にあります。集団行動が求められる学校生活は、そうした子どもにとって過剰なストレスになりかねません。

例えば、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、細かいルールを守ることに極端なこだわりを持つ一方で、大まかな概念を理解するのには支援が必要な傾向にあります。「休み時間の過ごし方のルール」は分かっても「なぜそれが必要なのか」という理由が分からず、ストレスを感じてしまうのです。

また、注意欠如・多動症(ADHD)の子どもは、じっとしていられず授業中に離席してしまうことも。一方で、他者からの指摘や叱責を受けると、衝動性によってかえって反発心を持ちやすい傾向もあります。

こうした行動がトラブルに発展し、学校への行きづらさに繋がるのです。

ライターMizuki

例を挙げてみましたが、発達障害の特性と不登校が必ずしも結びつくわけではありません。学校へ行きたくない本当の原因はどこにあるのか、子どもの気持ちに寄り添うような、前向きな対応が大切です。

不登校時間の過ごし方

自閉スペクトラム症と診断されている筆者の娘は、入学して以降、複数回「学校へ行きたくない」との訴えがありました。その際、筆者がどのように対応したかをご紹介します。

一緒に読書

筆者の娘はとにかく本が好きなため、気の済むまで一緒に読書をしました。

ライターMizuki

娘いわく、物語から想像力を働かせたり没頭したりしていると、モヤモヤを考えずに済むのだそう

とはいえ「学校を休んでしまった」というざわついた気持ちもあったのか、ちょっとしたことで癇癪が起きやすい状態。そのため、娘がいつでも一人になれる場所を確保しておき、誰にも邪魔されずに集中して本を読めるようにしておきました。

手芸やぬりえで手を動かす

不安やストレスから少しでも離れるには、集中力の続く活動が効果的です。

なかでも没頭している様子が見られたのは、手芸ぬりえ。光で固まる透明な樹脂で作る「レジン」や、羊毛を針で刺して固め形を作る「羊毛フェルト」、毛糸のボール玉で動物を作る「ポンポン手芸」など、自分の好きなものを作る作業には長時間取り組んでいました。

ライターMizuki

「作り切る」「完成させる」ではなく、あくまで「リフレッシュする」のが目的。そのため、常同行動(同じ行動の繰り返し)によって「パーツを並べただけ」「折り紙を1回折ってひたすら広げただけ」などでも、リラックスした様子が見られるのであれば見守ります

家のお手伝いをお願いする

学校は休んだものの、家でじっとしてるのもそわそわする…そんな様子が見られた娘に、家のお手伝いもお願いしていました。

洗い終わった食器を拭く、など簡単なお手伝いを無理のない範囲で頼むところからスタート。また、自閉スペクトラム症の娘は普段から繰り返しの作業が好きなことから「干し終わった洗濯物を畳む」などの家事も楽しそうでした。

お散歩でリフレッシュ

自分の世界を満喫できるおうちが大好きとはいえ、ひたすら家にこもるのは辛そうな様子が見られた娘。学校へ行かない罪悪感など複雑な感情も相まってか、癇癪の頻度が増え続けました。

そのため、近所を散歩したり公園へ出かけたりと、おうちから出てリフレッシュ。不登校とは関係ない内容を話しながら新鮮な空気を吸えば、障がいの有無に関係なく、子ども本人そして筆者自身もいい気分転換になりました。

不登校時間中に筆者が実践した対応法

とにかくリラックスできるように過ごすのは分かったけど、そのなかでも特に気を付けていたことって…?

ここまでお読みになり、そう疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか。発達障害のある子の不登校時に筆者自身が実践したことを、経験を踏まえてお話ししていきます。

「学校行きたくない」の気持ちを否定しない

「学校へ行きたくない」と伝えるのは、子どもにとっても勇気のいること。そのため、まずは娘の気持ちを否定せず、しっかりと受け止めることから始めました。

学校へ行くことを目標にすると、行けない状況が続いた場合に親子共にストレスを感じてしまいます。「不登校は悪い」「学校に行けない自分はダメだ」と子どもが自分を責めてしまわないよう「ときには休んでも大丈夫だよ」と肯定的なメッセージを伝えるように心掛けました。

ライターMizuki

大切なのは「学校が嫌で行けないのは分かるよ」と受け止めたうえで、その背景にある本当の理由を一緒に考えていくことです。発達障害のある子は、自分の気持ちを上手に言葉にできない場合があります。子どもの気持ちにじっくりと寄り添う姿勢を見せれば、子どもは安心できます。

ドリルなどの自習を強要しない

子どもが学校を休むと、

授業に遅れないように教科書や参考書などで復習しなくていい?

と、つい考えてしまいますよね。しかし、不登校の時期に勉強を強要すると、精神的なゆとりが持てずにかえってストレスが高まりやすくなります

発達障害児の場合「一人で机に向かう行為そのものが苦手」ということが少なくありません。筆者の娘もそうです。そのため、無理に勉強を課すのではなく、遊びを交えながら学習する工夫をしてみました。

▼遊びを交えた学習の一例

  • おやつを手作りしながら計量や分数の学習
  • お散歩がてらに野外観察をして生物や自然に触れる
  • パズルゲームで記憶力や創造力を習得

子ども自身が困っていることを見つける

実は不登校の子どもは「本当は学校へ行きたい」と思っていることが多いものです。「ただなんとなく行きたくない」という理由ではないため、行けない理由はどこにあるのか、子ども自身が何に困っているのかをゆっくりと見つける必要があります。

とはいえ、ストレートに「どうして学校行きたくないの?」と聞くのはプレッシャーを与えてしまうため、会話の自然な流れで「何かあればいつでも言ってね」と伝えるのでもOK。いつでも自分の味方でいてくれる人が側にいると感じられると、子どもは自分のタイミングで困りごとを打ち明けやすくなります。

ライターMizuki

筆者の娘は、お友達とのコミュニケーションがうまく取れず疲れてしまうのが、学校へ行けない大きな理由でした。行きたいのに休んでしまう罪悪感や自分への嫌悪感、さらに「遅れてしまった勉強を取り返せるか」にも不安やストレスを感じていたようです。

存在を承認するような声掛けを意識

承認とは、子どものできているものを「○○できたね」とそのまま認めてあげることです。

学校を休んでいる事実に背徳感を感じ「いけないことをしている」と落ち込んでいる様子だった娘。自尊心を損なわないよう、会話の中で自然に「○○(娘の名前)がいてくれてよかった」「○○は○○(娘の長所)が素晴らしいねー」など、子どもの良いところを具体的に伝えるようにしていました。

「存在を認められている」と実感できることは、障がいの有無に関係なく、誰にとっても大切なことです。

ライターMizuki

「すごいね」「偉いね」などと褒めてしまうと、自分の基準ではなく“親に褒められたいから行動する”になってしまう可能性があります。そのため「学校へ行きたくないって正直に言えたんだね」と行動自体をそのまま認めて伝えてあげれば「自分で考えて実行したことが受け入れられた」「やってよかった」と、自信や自己肯定感の向上に繋がりやすくなります。

自分自身のことも大切にする

娘が学校に行きたくないという状態になると、保護者の自分をつい責めたり悩んだりしてしまいがちに。そのため、たっぷり睡眠を取ったり好きなことをしたりと、自分が心身ともに健全でいることも心掛けました

ライターMizuki

前述したように、不登校は「心が一時的にケガをしている状態」と表現されることもあります。そのためご家族も「あまり心配しすぎずにのびのびと好きに過ごさせてあげよう」との気持ちでいると、子どもも肩の力がふっと抜けやすくなります。

また、子どもの不登校に関する悩みを、一人で抱え込まないことも大切です。自分を責めすぎず、寄り添う人の声に耳を傾けて別の角度から課題を見つめると、思いつかなかった解決法を見つけやすくなります。

とはいえ、不登校は保護者だけではなく、子ども本人のデリケートな課題でもあります。やみくもに話を広げるのではなく、家族をはじめ、信頼できる周りの人、専門機関などで相談してみましょう。筆者は、お世話になっている精神保健福祉士さんに打ち明けていましたよ。

▼ 不登校に関する主な相談窓口

  • 担任の先生
  • スクールカウンセラー
  • 教育支援センター(適応指導教室)
  • 特別支援教育コーディネーター
  • フリースクール
  • 学習塾
  • 親の会やNPO団体

▼ 不登校の相談が可能な公的機関についてはこちらからご覧いただけます

こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省
URL:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/window/window_02.html

子どもの特性に寄り添った過ごし方を

今回ご紹介した内容は、筆者の経験に基づいた一例です。子どもの性格や特性、家庭の環境や学校の環境などで、取るべき対応も少しずつ変わってきます。

共通して言えるのは「一般的な正しい過ごし方」を探すのではなく、学校や支援機関と連携しながら「我が子に合わせた過ごし方」を模索していくことです。子どもの気持ちに寄り添って存在そのものを認め、支援者と力を合わせたり同じ悩みを持つ方と交流したりすることで、親子ともに気持ちが軽くなるかもしれません。

専門機関はハードルが高く感じて、どう相談したらいいか…

そんなときは、ファミケアのSNSやアプリをあなたの一つの居場所にしてみてくださいね。

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発達障害児の娘の「学校行きたくない」にどう対応した?

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この記事を書いた人

日本心理学会認定心理士、サービス介助士。「自分らしさを忘れない」をコンセプトに、自閉スペクトラム症の娘との暮らしをゆるりと楽しむママです。フリーライターとして臨床心理・介護・児童福祉・療育関連のコンテンツ制作および書籍編集などに携わりながら、児童福祉施設へも訪問しています。

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