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発達障害児の七五三は難しい?お参りから着物の着付け・写真撮影までのサポート方法を解説

発達障害児の七五三は難しい?お参りから着物の着付け・写真撮影までのサポート方法を解説
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七五三は、子どもの健やかな成長を祈る大切な行事です。しかし、発達障害のある子どもを持つ保護者のなかには、

うちの子でも七五三をできるだろうか

と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、発達障害があっても七五三は十分に楽しめる行事です。とはいえ、発達障害のある子どもにとって刺激が多い特別な行事ともいえます。

この記事では、発達障害の子どもの七五三について、お参りを検討する際のポイントから具体的な対策、そして着付けと写真撮影のポイントまで詳しく解説します。「みんなと同じようにお参りや写真撮影ができるか心配」とお悩みの方は、ぜひお読みください。

目次

七五三のお参り「する・しない」はどう決める?

発達障害の子どもにとって、神社へのお参りは感覚過敏による音や触覚の刺激、慣れない環境での緊張、決められた作法への対応など、さまざまな困難を伴う行事です。しかし、子どもの特性を理解して適切に準備すれば、家族で安心して参加できます。

ここでは、七五三の「お参り」を検討する際のポイントや対策に触れていきます。

お参りを検討する際のポイント

お参りをするかを検討する際には、日常生活での以下のポイントを参考にしてください。

  • 外出に慣れているか
  • 短時間なら人混みにも対応できるか
  • 家族との外出を楽しめるか
  • 新しい体験に比較的柔軟に対応できるか

普段から外出を楽しめる子どもなら、神社という新しい環境にも比較的適応しやすいでしょう。また、短時間なら人混みに対応できる子どもの場合、混雑を避けた時間帯を選ぶとお参りがしやすくなります。

お参りすると決めたらどんな対策をしたらいい?

お参りをする場合には、事前準備と当日の配慮を丁寧に行うと、子どもにとって安心できる七五三にできます。

事前準備

  • 神社を下見し、境内の様子を確認する
  • 休憩できる場所を確認しておく
  • 混雑する時間帯を避け、平日や早朝の参拝を検討する
  • 七五三の意味と当日の流れを子どもへ事前に説明する
  • 家族全員で対応方法を共有する

当日の配慮

  • 参拝時間を短くする
  • お守りや普段使っているおもちゃなど、安心できるアイテムの持参する

下見では、参拝ルートや混雑具合を確認しましょう。参拝はできるだけ効率的に済ませたり、普段使っているおもちゃを持参して安心させてあげたりするのも大切です。

ライターMizuki

自閉スペクトラム症の娘と暮らす筆者は、子どもと一緒に神社に足を運び「ここで七五三をするんだよ」と具体的にイメージできるようにしました

成功させたい!安心して着物の着付けに臨めるコツは?

着物の着付けは、感覚過敏のある子どもにとって特に大きなチャレンジです。しかし、以下のような準備と配慮があれば、子どもも家族も安心して着付けに臨めます。

着付け前は「準備」が大切

着付け当日をスムーズに迎えるためには、準備が不可欠です。子どもが着物に慣れ、着付けの流れを理解できるよう、以下の準備を行いましょう。

  • 衣装の試着
  • 着付けの練習
  • 着付け順の共有

試着の際は、実際に着物を身に着けて、どのような感覚かを確認します。「思ったより重くないね」「きれいな色だね」など、ポジティブな声かけをしながら進めましょう。

また、着付けの手順を写真や絵で示し「最初に下着を着て、次に着物を着て…」と視覚的に説明すると、子どもの不安を軽減できます。

着付け当日は「リラックス」を心掛ける

着付け当日は、子どもがリラックスできる環境づくりと、丁寧なコミュニケーションが重要です。急がずに子どものペースに合わせて進めていきましょう。また、時間に余裕を持ったスケジュールを組むと、子どもも保護者も焦らず着付けに臨めます。

  • 着付けは段階的にゆっくり行う
  • 「今から帯を締めるね」「あと少しで完成だよ」など、次に何をするかを事前に伝える

流れの見通しが立つように「まず上半身から」「次に帯を締める」「最後に小物をつける」と段階的に着付けを進めます。その都度で子どもの様子を確認し、嫌がる素振りがあれば一旦休憩を取るのも大切です。

声かけでは、次に何をするかを必ず事前に伝え、子どもが心の準備をできるよう配慮しましょう。

感覚過敏への対策も忘れずに

感覚過敏のある子どもにとって、着物の素材や締め付け感は大きなストレスです。以下のような対策で、快適に着物を着用できるようにしてあげましょう。

  • 縫い目が肌に当たらない肌着にする
  • チクチクしない着物にする
  • 帯を通常より少し緩めに締める
  • 足首にゆとりのある足袋を選ぶ

特に、肌に直接触れる肌着は重要です。縫い目のないシームレスタイプや、肌触りのよい素材を選ぶことで、着物を着ている間の不快感を大幅に軽減できます。

また、帯の締め方は通常よりも緩めにし、子どもが「苦しい」と感じない程度に調整するのが大切です。

七五三での写真撮影で素敵な一枚を残すには?

写真撮影は七五三の大切な思い出作りの一環ですが、慣れない環境での撮影は子どもにとって負担になるケースもあります。事前の環境整備と適切なコミュニケーションで、自然で素敵な写真を残しましょう。

スタジオは「配慮」で選ぶ 

写真スタジオ選びでは、技術力だけではなく、発達障害への理解と配慮があるかを重視しましょう。事前のお問い合わせで、以下のポイントを確認するのがおすすめです。

  • 事前見学や相談が可能か
  • 「怖い」や「苦手」に配慮していただけるか
  • 衣装の種類が豊富か
  • 子どもに優しいスタッフがいるか

理想的なスタジオは、子どものペースに合わせて着付けを進め、途中で嫌がった場合も柔軟に対応してくれる場所です。また、感覚過敏に配慮した素材の着物を用意していたり、段階的な着付けに対応してくれたりするスタジオを選ぶと、子どもの負担を大幅に軽減できます。

撮影環境を整える

写真撮影を成功させるためには、子どもがリラックスできる環境が重要です。スタジオスタッフと事前に相談し、以下の点を配慮してもらいましょう。

  • 照明の調整
  • 背景音の配慮
  • 温度管理
  • 休憩スペースの確保

強すぎる照明やフラッシュは、感覚過敏のある子どもにとって大きなストレスになります。自然光を活用したり、柔らかい照明に調整したりして、子どもの負担を軽減するのがおすすめです。

また、撮影中に疲れた場合にすぐに休憩できるスペースを確保しておくと、子どもも保護者も安心して撮影に臨めます。

撮影中は「子どもとのコミュニケーション」を徹底

撮影中は、子どもの気持ちに寄り添いながら、楽しい雰囲気づくりを心がけましょう。無理強いをせず、子どもの自然な表情や動作を大切にすると素敵な写真につながります。

  • 好きなキャラクターやおもちゃを活用する
  • 歌や手遊びを取り入れる
  • 短時間で効率的に撮影を進める
  • 最初は家族全員で撮影し、徐々に個人撮影に移る

子どもの注意を引くために普段から親しんでいるキャラクターグッズを活用するのは、非常に効果的です。また、最初から個人撮影をするのではなく、家族全員での撮影から始めると、子どもの緊張を和らげられます

ポーズと表情の工夫

発達障害のある子どもの撮影では、決められたポーズよりも、その子らしい自然な表情や動作を写真に残すのを重視しましょう。

  • 多動が見られる場合は、歩いているシーンや遊んでいるシーンを撮影
  • 子どもの特性について事前にカメラマンへ相談し、撮影方法を検討する

じっとしているのが苦手な子どもの場合、歩いていたり何かに興味を示していたりするシーンを撮影すると、生き生きとした表情を捉えられます。カメラマンには子どもの特性を事前に伝え、柔軟な撮影スタイルで対応してもらうよう相談しましょう。

写真撮影中にもしもトラブルが起きたら?

もし、写真撮影中にトラブルが起きたらどうしよう…

そう心配されている方も多いでしょう。しかし、以下のように適切な対応方法を知っていれば慌てる必要はありません。

  • パニックを起こしたら、無理に続けずに一旦休憩する
  • 動きが多い子どもで着物が崩れた場合は、自然な姿を受け入れる
  • 洋装での撮影も準備しておく

大切なのは、子どもに無理をさせないことです。パニックが起きた場合は、撮影を一旦中断し、子どもが落ち着くまで十分に時間を取りましょう。

また、着物での撮影が難しくなった場合に備えて、洋装での撮影という代替プランも用意しておくと安心できます。「完璧な七五三」よりも「家族みんなが笑顔で過ごせる七五三」を目指すのが大切です。

発達障害の特性を活かした七五三で最高の思い出作りを

発達障害のある子どもの七五三は、特性を理解して準備とサポートを心掛けると、家族みんなにとって素敵な思い出になります。

お参りも撮影も、必ずしも七五三の時期に合わせなければならないわけではありません。子どもの調子のよい時期や家族のスケジュールに合わせて、それぞれの家庭のタイミングで臨んでも全く問題ありません。

この記事でご紹介した方法を参考に、ぜひわが子らしい七五三を実現してくださいね。


ファミケアの掲載記事およびコラムに関しては、当事者および専門家によって作成しておりますが、全ての方に当てはまる情報ではございません。投稿された情報の利用により生じた損害について、ファミケア運営元では責任を負いかねますので、あくまでもご家庭での判断のもと参考情報としてご利用ください。また、特定の施設や商品、サービスの利用を推奨するものではありません。

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この記事を書いた人

日本心理学会認定心理士、サービス介助士。「自分らしさを忘れない」をコンセプトに、自閉スペクトラム症の娘との暮らしをゆるりと楽しむママです。フリーライターとして臨床心理・介護・児童福祉・療育関連のコンテンツ制作および書籍編集などに携わりながら、児童福祉施設へも訪問しています。

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