障がいのあるお子さんの就学は、多くの親御さんにとってさまざまなことを考えたり準備が必要だったりするイベントですよね。
正解がない選択だからこそ、先輩ママ・パパたちがどんなことに気をつけて、どんなふうに考えて決められたのか、準備されたのか、ということが知りたい方もいるのではないでしょうか。
そこでファミケアでは、就学を経験されたアンバサダーのみなさんに、ご自身の経験をインタビューしました。
今回は、地域の学校の特別支援級に通う子どもがいるあやこさんへのインタビューです。
お子さんの基本情報

・通学している学校:地域の学校の支援級
・今の子どもの学年:2年生
・疾患・障がいの種類や程度:腎不全、口唇口蓋裂、重度知的障害
・医療的ケア:あり(胃ろう)
・通学方法:徒歩
就学準備について
ここからはあやこさんに実際におこなった就学準備について質問していきます。
まずは何から始めましたか?
準備を始めたのは年中の夏頃からです。地域の教育委員会との面談や特別支援学校の見学を2年前から入れました。
就学先が決まったのはいつですか?
年長の秋です。
学校に入学するまでの間に、どのように学校と情報共有をしましたか?
保育園の担当看護師と本人を連れて学校で面談を行いました。入学の前には医療行為に関するカンファレンスとして、教育委員会や市民病院医師、現場の教職員とのカンファレンスが実施されました。
就学先を決める時にどんなことを大事にしましたか?
看護師の配置がどのようにされているか、特別支援教育はどう実施されているか、介助員等の人員はどの程度でどのような配置になっているかを聞いて、複数地域や小学校を比較しました。
就学先を決める時に迷ったことや大変だったことはありますか?
まずは特別支援教育か小学校かで大きく悩みました。その後小学校と決めた後は、看護師の配置が安定している小学校か特別支援教育で先進的な小学校かの2択になりすごく悩みました。選択肢があるという部分においては贅沢な悩みかもしれませんが、就学活動全体を通して、子どもと家族の未来を決めるキーポイントなのでは…というプレッシャーがずっとありました。
放デイはいつから探し始めましたか?
前の年の秋頃から電話問い合わせを始めました。でも本格的に始めたのは入学後2ヶ月経った頃からです。転居を伴う就学だったので、スローステップでいきました。
就学後の生活について
つぎに、就学後の生活について質問しました。
通学日の1日のスケジュールを教えてください
7:30 子ども起床
8:20 母子で小学校へ登校
8:30〜14:20 小学校
14:20〜17:00 放課後デイ
17:00 帰宅
※放デイは5日間利用
学校への付き添いはありましたか?
ありました。全部で2週間でした。
就学について振り返って思うこと

最後に、就学時期を振り返り、今だから思うことをお聞きしました。
学校に入るまでの準備で工夫したこと、やってよかったことはありますか?
就学準備の療育プログラムを受けました。そこで心理士の先生から、本人の苦手な部分や準備物の工夫のアドバイスをいただきながら本人の使いやすい道具を揃えていきました。就学前から道具は使うようにして、入学して全部が新しい!という状態を避けました。
▼就学の際に用意したアイテムはこちらに掲載しています

学校に入るまでの準備でもっとこうしておけば、と思うことはありますか?
やれることはやったんだと、思うようにしています。当時はずっとどこか不安で、そう思えなかったので「大丈夫だよ」と過去の自分に伝えたいです。
就学準備で印象的だったこと
当時通っていた療育センターの小児科医師に、就学にあたっての相談をしていたところ言われた言葉が印象的でした。
「選択に困るということは『どちらも良い』ということでもありますから。お母さん、大丈夫よ。ご本人はどっちでも健やかに幸せに暮らしていけるよ」
なんでこんなにたくさんの選択に迫られるんだ…と頭を抱えていたので、フッと肩の力が抜けた瞬間でした。
さいごに、これから就学を迎えるママ・パパへのアドバイス
問い合わせや交渉ごとは、どうしても精神的な負担が大きくなりがちです。必要以上に気持ちをすり減らさないためにも、ある程度は「業務」と割り切って、淡々と数をこなすことに集中するのがおすすめです。そのうえで、心のガス抜きも忘れずに。誰かと話したり、SNSで思いを発信したりして、気分転換を大切にしてください。
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