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訪問薬局とは?対象者やサービス内容、利用方法をわかりやすく解説

訪問薬局とは?対象者やサービス内容、利用方法をわかりやすく解説
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子どものケアで忙しくてなかなか薬を受け取りに行けない

経管栄養の栄養剤を処方してもらっているけど、重たくて薬局から家まで運ぶのが大変…

薬が複数あって管理がややこしい

障がい児を育てるママ・パパの中には、このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな時に頼りになるのが「訪問薬局」です。訪問薬局を利用すれば、薬剤師が自宅に薬を届けてくれるだけでなく、使い方や管理までサポートしてくれます。薬に関するご家族の負担が減り、安心感も高まるサービスです。

この記事では、実際に訪問薬局で勤務している筆者が、訪問薬局の対象者やサービス内容、利用の流れから費用までわかりやすく解説します。

目次

訪問薬局とは?

訪問薬局とは薬剤師が直接自宅に薬をお届けし、お薬の説明や服薬管理のサポートなどを行う薬局です。

自宅療養をしている本人やご家族が、安心して薬を使えるように支える仕組みです。

訪問サービスを行う薬局は増えてきているものの、その数は地域によって差があります。

在宅専門薬局とは?

在宅専門薬局とは、訪問サービスに特化した薬局のことです。

一般の薬局と同じように薬をその場で受け取ることもできますが、メインは訪問業務で、在宅医療に集中できる体制を整えています。

在宅専門薬局は少数派で、一般の薬局が通常業務のかたわら、訪問サービスを行っているケースが多いのが現状です。

訪問薬局の利用対象者

薬剤師が訪問できるのは、障がいや病気で自宅療養していて通院が困難な人が基本です。たとえば、寝たきり、医療機器で移動が負担、移動による疲労やリスクが高い方、などです。

その他、通院自体は可能であっても、内服薬の種類が多く管理の負担が大きかったり、介護や育児で薬局に薬を受け取りに行くのが難しかったりする場合に利用できるケースがあります。

ファミケアちゃん

医師が「薬局の訪問サービスが必要」と判断すれば利用できるよ。利用したい場合は、まずは主治医に相談してみよう!

訪問薬局のサービス内容

薬局の訪問サービスでは以下のことを行っています。

  • 薬の配達

薬剤師が自宅まで薬をお届けします。

経腸栄養剤イノソリッドの段ボール箱と、たくさんの内服薬が入った紙袋が床に置いてある
ライターKeiko

経管栄養で注入する栄養剤も届けます。薬局に行く手間や大量の荷物を運ぶ必要がなくなるので、忙しいご家庭の負担軽減になりますね。

  • 薬の使い方の説明

薬の使い方や使用上の注意点などの説明を行います。

ライターKeiko

自宅なので、ちょっとした疑問や不安も気軽にご相談いただけることが多いです。

  • 薬の整理、管理のお手伝い

薬剤師が患者さんやご家族と相談しながらお薬を整理したり、お薬の管理が楽になる工夫を一緒に考えたりします。

例えば、同じ時間に飲む薬を同じ袋に入れる「一包化」はもちろん、一包化したお薬のカレンダーやお薬箱へのセットもお手伝いします。

朝食後・夕食後に服用する粉薬を小分けにした袋に内服時間ごとに赤・青で色分けしたマーカーが引いてある。漢方と内服薬の小袋が一緒にホッチキス止めされている。の個包装を並べた写真
ライターKeiko

障がい児を育てているママから、「一包化が複数ありわかりにくい」と相談を受けて、一包化に色をつけてわかりやすくしたことがあります。あとは、夜に飲む一包化の薬と漢方薬をホチキス止めして忘れないようにしたことも。さまざまな工夫の方法があります。

  • 医師や看護師など関係者との情報共有

薬剤師は訪問して確認した内容を、必要に応じて医師や看護師、相談員、ヘルパーなどの関係者に情報共有しています。

ライターKeiko

例えば、この症状は副作用かもしれないので他の薬に変更してはどうですか?など、医師へ共有して処方調整につなげます。訪問看護師さんと連携して、よりよい服薬管理を考えることも。関係者の連携は見えないところで患者さんへのメリットになっています。

さらに、以下のサービスを行っている薬局もあります。

  • 点滴薬の調製

在宅で点滴治療を行っている場合に、点滴を安全に調製して自宅に届けてくれます。

  • 24時間対応の電話相談

24時間いつでも薬剤に関する電話相談ができます。

ファミケアちゃん

24時間対応だと夜間や休日に体調の変化や服薬について不安があっても、すぐに相談できるので安心だね!

なお、受け取りは必ず対面でしなければなりません。しかし、ご家庭の生活に合わせて訪問時間の調整を行ってくれることがほとんどです。

訪問薬局の費用

訪問の費用は健康保険の適応となります。

薬剤師に自宅を訪問してもらう場合、通常の薬局で支払うお薬代や調剤料などに加えて、在宅患者訪問薬剤管理指導料という保険点数が加えられます。

この点数は650点、医療費3割負担で1,950円です(2025年11月現在)。子どもの場合は自治体の子ども医療費助成制度が使えるため、無料または一定の上限額までで利用できます

ライターKeiko

子ども医療費助成制度の自己負担額は自治体によって異なりますので、詳細は自治体の窓口や利用予定の薬局に確認してみましょう。

訪問薬局の利用の流れ

訪問薬局を利用する流れは以下が一般的です。

STEP
相談、紹介

主治医や看護師、ソーシャルワーカーなどの病院スタッフに訪問薬局を利用したい旨を相談します。すると、小児の訪問に対応している薬局を紹介してもらえます。

既にかかりつけ薬局がある場合、その薬局で訪問サービスが可能なこともありますので、一度問い合わせてみるのがおすすめです。

STEP
処方箋情報を薬局へ送付

利用する薬局が決まったら、処方箋の情報を薬局に送ります。診察後、FAXやLINEなどで薬局に処方せんの情報を送りましょう。

訪問診療の場合は、医師が処方箋情報を薬局に送ってくれることが多いです。

STEP
薬の受け取り

薬局で薬を準備して、薬剤師が届けてくれます。

ライターKeiko

対面での受け取りが必要となるため、薬局と訪問時間の調整が必要です。時間調整のために薬局から連絡をするので、待っていてもらえば大丈夫です。

訪問薬局は家族を支える身近なサービスです

訪問薬局はあまり知られていないかもしれませんが、薬の受け取りや管理の負担を減らしてくれる、身近で頼れるサービスです。

利用したいと思ったら、まずは主治医や病院スタッフ、かかりつけ薬局などに相談してみましょう。お薬に関する負担でお悩みの方は、ぜひ活用してみてください。


ファミケアの掲載記事およびコラムに関しては、当事者および専門家によって作成しておりますが、全ての方に当てはまる情報ではございません。投稿された情報の利用により生じた損害について、ファミケア運営元では責任を負いかねますので、あくまでもご家庭での判断のもと参考情報としてご利用ください。また、特定の施設や商品、サービスの利用を推奨するものではありません。

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この記事を書いた人

2018年生まれの長女は希少遺伝子疾患あり、てんかんもちの重度心身障がい児です。2015年生まれの長男、2020年生まれの次女、夫の5人家族。薬剤師として働きながら、Webライターとしても活動しています。

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