前期の終了式を迎え、特別支援学校に通う娘の初めての通知表を受け取ってきました。

正直に言えば、知的障害が重い娘の通知表なんて、形だけのものだろうと思っていました。自分が知っている通知表といえば、数字や評価が並ぶもので、そうした基準では測れない娘には、当てはまらないし、もらってもあまり意味がないものだろうと。
でも、実際に開いてみると、そこには点数はひとつもなく、先生が教科ごとに前期に娘が取り組んだこと、その成果を丁寧に書き綴ってくださっていました。一つひとつの言葉に、この半年間の娘の歩みが映し出されていました。

私自身はどちらかというと、成績などの評価を強く意識せざるを得ない環境で学生生活を送ってきました。通知表は順位や比較の象徴であり、「できるかできないか」「ある一定の基準より上か下か」を突きつけられる存在でした。
娘が生まれ、病気がわかってから、「普通」や「一般的」という言葉で表されることがことごとく崩されていき、私自身の「当たり前」「こうに違いない」を変えていく必要がありました。
最初は戸惑いもあったけれど、その価値観の変化を受け入れざるを得ない日々を重ねるうちに、それが今では心地よく感じられるようになりました。むしろ、昔あんなにこだわっていたことや「こうあらねば」と思っていたことは何だったのだろうかと、笑ってしまうくらいに。
数字ではなく言葉で綴られた通知表。
それは娘にとっての「成長の証」であると同時に、私自身の価値観が大きく変わったことを実感させてくれる一枚でした。
そんなスペシャルな通知表を作りあげてくれた娘と特別支援学校の先生に、心から感謝しています。

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