児童発達支援や放課後等デイサービスなどがお休みの日、発達障害のある子どもとどこへ遊びに行ったらいいのか…
発達障害のある子どもとの遊び場、どう探したらいい…?
そう悩まれている方は少なくありません。自閉スペクトラム症の娘と暮らす筆者も、癇癪や感覚過敏に配慮しながら日々の遊び場を探している一人です。
今回は、発達障害のある子どもの遊び場を探す方法や気を付けたいポイントなどをご紹介します。
発達障害のある子どもと遊びに行く場所の探し方
発達障害のある子どもと遊びに行く場所は、以下のような方法で探せます。
1. オンラインでの情報収集
地域のホームページをチェック
お住まいの地域のホームページに、都道府県内の子どもの遊び場が一覧でまとめられている場合があります。バリアフリー対応の公園や発達を引き出す遊具が備わっている施設など、情報を収集するための手段としておすすめです。
専門サイトの活用
発達障害児をはじめ、障がい者のお出かけに特化したサイトで情報を得るのも一つです。経験談に基づく取り組みや発達障害児の保護者のブログは、実際に遊び場を見つける際に気を付けたポイントや大変だったこと、今後気を付けたいことなど「生の声」を得るのに適しています。
▼障がい者のお出かけに役立つサイト
障がい者とその家族のためのおでかけサイト「enjoy with」
介護旅行・障がい者旅行の専門サイト「バリアフリー旅行.com」
SNSでの情報収集
SNSは、情報の“発信”だけではなく“収集”するツールとしても有用です。InstagramやX(旧Twitter)など、SNSで地域や障がい児関連のハッシュタグを検索すると、遊び場の情報や実際に遊びに行った発達障害児のご家族の投稿にヒットする場合があります。
また、Facebookなどの地域コミュニティグループに参加して情報交換をするのも一つです。
2. 地域のサポート団体への相談
お住まいの地域の支援センターなどに問い合わせ、直接相談してみるのもいいでしょう。また、親の会や障がい児サークルなど、地域のコミュニティで「どんなところで遊んでる?」と情報交換を試みるのもおすすめです。
▼全国の発達障害者支援センターの一覧はこちら
http://www.rehab.go.jp/ddis/action/center/
3. 地域のイベント情報をチェック
地域の広報誌や街の掲示板には、発達障害者をはじめさまざまな方が平等に楽しめるバリアフリーイベントのお知らせが掲載される場合もあります。発達障害児向けの行事や体験会などにお住まいの地域で参加したい方は、定期的にチェックしてみると情報が得られるかもしれません。
発達障害のある子どもの遊び場を探す際のポイント
発達障害のある子どもと遊びに行く際は、特性に合わせた配慮を心掛けておきたいもの。そこで、遊び場所を探す際に留意しておきたいポイントをご紹介します。
安全性の高い環境を意識してみる
第一に、予測可能で安全な環境かを必ず確認しておきましょう。前述したように、子どもが不意に走り出した際に止めるのは大人でも困難です。遊び場の周りに囲いがあるなど、外や道路、危険な場所への飛び出しを予防できる場所が安心です。
感覚刺激への配慮をする
こちらも前述しましたが、音や光、触覚などの感覚刺激に敏感な子どもの場合は、刺激が適度に調整できる遊び場かも確認しておくとよいでしょう。音の少ない時間帯がある、または静かなエリアや休憩スペースが設けられている遊び場などはリラックスして遊べます。
インクルーシブな設備かどうかをチェックする
さまざまな能力レベルの子どもが一緒に遊べる設備があるかどうかもチェックポイントです。車椅子でもアクセスしやすい遊具があるか、異なる年齢層や発達段階に対応した遊具があるかなどを確認しておきましょう。
また、トイレの際にお手伝いが必要な子どももいるはず。多目的トイレはあるか、ズボンを全部脱げるような折り畳み式の着替え台があるか、おむつ交換シートがあるかなども把握しておくと安心です。
障害者用駐車スペースの有無、エレベーターや段差の状況なども確認しておくのがおすすめです
口コミやレビューのチェックをする
口コミやレビューなど、遊び場に関する評価をチェックしてみるのも大切な工程です。とはいえ「良い・悪い」は個人差があるもの。あくまで「どんな場所?」「どんな設備がある?」「スタッフの雰囲気は?」などを参考にするイメージで検索するとよいでしょう。
発達障害がある子どもの特性に合わせたおすすめの場所
遊び場の探し方やポイントはなんとなく掴めたけど、特性があるからそもそもどんな場所で遊んだらいいのか…
そのような方に向けて、発達障害のある子どもの遊びやすい場所を特性ごとにご紹介します。
感覚過敏がある場合
大きな音や周囲の声が気になったりする「聴覚過敏」や、光や色、物の動きといった目から入る刺激が過剰に感じられる「視覚過敏」などの感覚過敏がある場合、子どもにとって不快な刺激が少ない遊び場を選ぶとよいでしょう。
例えば、静かな公園や図書館は、音や光が控えめでゆったりと過ごせるかもしれません。また、五感への刺激が少ないセンサリールームのある児童館や療育施設も安心して過ごせます。
多動性がある場合
体を常に動かし続けたり離席したりする、順番を待てないなどの多動性がある子どもと遊びに行く場合は、広々とした公園や運動施設がおすすめです。また、療育現場のOT(作業療法)でも用いられているトランポリンやボールプールのある室内遊戯施設も、体を動かしたい気持ちを満たすには適しています。
ただし、子どもが衝動的に走り出した場合に大人が追いかけて止めるのは困難。安全面を考慮して、大人の目の届きやすい規模の場所を検討してみてください。
こだわりや特定の興味がある場合
子どもの関心がある程度特定できている場合、そのテーマに沿った科学館や博物館などへ出向くと、興味を深掘りする楽しさが発見できるかもしれません。
▼手話や日本語文字通訳つきのレクチャー、視覚障害のある方とない方がともに楽しむ鑑賞会、おしゃべりOKの美術館などが掲載されている「国立アートリサーチセンター」
発達障害のある子どもとはじめての場所に遊びに行く時の流れ
今度の遊び場所、初めて行くから少し不安…
どのような場所か、子どもが楽しめるか、周囲に迷惑はかけないか…
子どもがいろんな出会いや体験をできる機会として本当は気軽に遊びに連れて行ってあげたいものの、初めて行く場所ではさまざまな心配がよぎりますよね。
筆者は、娘と初めての場所に遊びに行く際に以下のことを実践してみています。
1. 場所を探す・情報をリサーチする
関心や興味、特性に合わせて遊ぶ場所を決めたら、混雑状況や場所の詳細などの情報を事前に集めます。音や光など苦手な刺激がないか、緊急時の対応はどうかなど、細かい点まで調べておけると安心です。
筆者の娘は癇癪を起こしてしまうことがあるため「途中で抜けても再入場はできるのか」などを事前に確認するようにしています。施設のウェブサイトで調べてもわからないことは、必要に応じて電話でお問い合わせしてみるのもおすすめです。
2. 実際に下見をする
情報を収集した後は、できる範囲で現地へ下見へ行くこともあります。
▼ 下見のポイント
- 静かな時間帯や空いている日はいつか
- 施設や会場の雰囲気
- 音や光などの刺激の程度
- トイレの位置や使いやすさ
- 休憩スペースの有無
- 子どもが興味を持ちそうな場所や苦手そうな場所
スタッフの方に事前に許可をいただいたうえで、写真や動画を撮影して子どもに事前に見せれば、新しい環境への不安軽減に繋がりやすくなります
欠かしたくないポイントを定めて発達障害児の遊び場をスムーズにリサーチ
子ども一人ひとりの特性にぴったり寄り添った設備が備わっている遊び場を探すのは、なかなか難しいですよね。しかし、欠かしたくないポイントを事前に決めれば、手あたり次第に探すよりもスムーズにリサーチできます。
おうち以外の場所でたっぷり遊ばせてあげたい
そんなときは、この記事のポイントなども参考にしながら探してみてくださいね。
▼こちらの記事では、自閉スペクトラム症の娘との公園遊びについて実体験をお伝えしています
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