新幹線の障害者割引は普通乗車券が半額になります。条件によっては付き添い者も割引対象となるため、大きく費用を抑えることができます。

筆者の娘は障害者手帳の第1種を保有しており、先日県外の病院へ検査入院へ行った際に、新幹線を障害者割引で購入しました。
今回はその際の実体験も交えながら、新幹線の障害者割引の料金や対象者や付き添い条件、実際の料金例と購入方法を【2025年最新情報】でご紹介します。
新幹線に障害者割引はある?
JRでは普通乗車券が半額になるの「障害者割引」があります。新幹線に乗車するには、特急券と乗車券が必要になりますが、割引の対象になるのは普通乗車券のみです。



東日本・西日本・東海などすべてのJRで障害者割引を利用できます。利用方法は各線によって異なるため、後ほど紹介する利用方法をよくチェックしてくださいね!
新幹線の障害者割引の対象は?
新幹線の障害者割引の対象となる人は、各自治体で発行する身体障害者手帳または療育手帳、精神障害者保健福祉手の交付を受けており、かつ「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄」に第1種または第2種の記載がある方です。
2025年4月1日から、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方も対象になりました。ただし、「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄」に第1種または第2種の記載があることが条件です。旅客運賃割引区分の記載についてはお住まいの自治体へご確認ください。
また、顔写真の貼付がないと割引が受けられない場合もあるので、注意が必要です。
【参考】
JRおでかけネット│割引制度のご案
URL:https://www.jr-odekake.net/railroad/service/barrierfree/discount/
精神障害者に対する旅客鉄道株式会社等の旅客運賃の割引について│東京都福祉局
URL:https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shougai/nichijo/seishintetyou/ryokakuunchinwaribiki
新幹線の障害者割引はどのくらい安くなる?
新幹線の障害者割引の料金は、乗車券の料金の半額です。特急券は割引の対象にはならないので注意しましょう。
新幹線の障害者割引の割引金額
新幹線の障害者割引の内容は、以下のとおりです。
旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄 | 割引となる乗車券の種類 | 割引率 |
第1種とその介護者 | ・普通乗車券 ・回数乗車券 ・普通急行券 ・定期乗車券(小児定期乗車券を除く) | 50% |
12歳未満の第2種障害者とその介護者 | 定期乗車券(小児定期乗車券を除く) | 50% |
第1種、第2種障害者の単独利用(※片道の営業キロが100キロを超える場合(私鉄など、JR以外の鉄道会社にまたがる場合を含む)) | 普通乗車券 | 50% |
出典
- JR東日本「障害者割引制度のご案内」:https://www.jreast.co.jp/equipment/waribiki/
- JR西日本「割引制度のご案内」:https://www.jr-odekake.net/railroad/service/barrierfree/discount/
実際の金額はどのくらい違う?主要区間料金一覧
では、実際に新幹線の障害者割引を利用するとどのくらい料金が安くなるのか、以下の例で紹介します。
主要区間料金一覧表(大人1名普通車指定席の場合)
区間 | (乗車券+特急券) | 通常運賃(乗車券半額) | 障害者割引後割引額 |
東京-仙台 | 10,890円 | 7,865円 | -3,025円 |
東京-名古屋 | 11,300円 | 8,110円 | -3,190円 |
東京-新大阪 | 14,720円 | 11,570円 | -3,025円 |
東京-博多間 | 25,480円 | 18,440円 | -7,040円 |



障害者割引で半額になるのは乗車券だけだけど、具体的な金額をみるとかなり費用を抑えられるね!
付き添い者は割引の対象になる?
付き添い者が割引対象になるのは、以下の条件です。
付き添い者が割引対象になる場合
・障害者手帳の旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄が第1種
・障害者手帳の
旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄が第2種で12歳未満新幹線の障害者割引を使用する時はどこで切符を買えばいい?
障害者割引を利用して新幹線のチケットを買うには、みどりの窓口で購入する方法と、インターネットで購入する方法があります。
みどりの窓口で購入する場合
障害者割引が適用された新幹線のチケットを、みどりの窓口で直接購入する際の流れを紹介します。
障害者割引での購入希望の旨と、行き先・どの新幹線に乗るかを伝えます。
みどりの窓口は駅によっては非常に混み合うため、時間帯や場所を選ぶのがおすすめです。
多目的室利用のための手書きの申込書を渡されるので必要事項を記入します。
障害者手帳の確認や車椅子のタイプ(電動・手動等)、当日の乗車に駅員の介助が必要かどうかなども確認されます。



なお、多目的室の申し込み後は、空き状況の確認のためにしばらく待ち時間が発生するので注意しましょう。
希望する新幹線が空いていれば、障害者割引が適用された金額を支払ってチケットを発券してもらいます。
▼新幹線の多目的室利用についてはこちらの記事で詳しく解説しています


インターネットで購入する
ここからはインターネットでの購入方法について解説します。現在、障害者割引を適用したJRの乗車券をインターネットで購入できるのは、2025年現在JR東日本・JR西日本・JR北海道・JR九州です。
以下にそれぞれの特徴をまとめました。
会社名 | 利用サービス | 対応している手帳 | 条件・注意点 |
JR東日本 | えきねっと | 身体障害者手帳、療育手帳(第1種・第2種) | マイナポータルに手帳情報登録+ユーザーID連携必須。精神障害者手帳は対象外。 |
JR西日本 | e5489(いーごよやく) | 身体障害者手帳、療育手帳(第1種・第2種) | マイナポータルに手帳情報登録+WESTER ID連携必須。 |
JR九州 | ネット予約 (2025年4月開始) | 身体障害者手帳、療育手帳(第1種・第2種) | マイナポータル連携+JR九州Web会員IDが必要。精神障害者手帳は対象外。 |
JR北海道 | 新幹線eチケット (※えきねっと経由で購入) | 身体障害者手帳、療育手帳(第1種・第2種) | マイナポータル登録+えきねっとID連携が必要。対象は新幹線利用に限定。 |



予約したチケットは駅の券売機や窓口での受け取りが必要だから注意しよう!
次に、JR東日本を例に、インターネットでの購入方法を解説します。
JR東日本(えきねっと)での購入方法
えきねっとで「ユーザーID」を作成(無料)
マイナンバーカードと暗証番号(4桁)を用意し、「マイナポータルアプリ」からログイン。自治体が発行している手帳情報を「マイナポータル」に登録する。
えきねっとにログイン し 「会員情報」 → 「障害者手帳情報」ページを開く。
「新規情報登録」からマイナポータルへ遷移。マイナンバーカードをかざし、暗証番号を入力する。
※マイナポータルから手帳情報がえきねっとに送信され、ユーザーIDとひもづく
「えきねっと」の場合「利用きっぷ申込」をクリックする。経路・列車・座席を指定すると、自動で割引運賃が反映される。
※購入完了後、予約情報に「障害者割引適用済み」と表示される


これで障害者割引料金でチケットを買うことができます。ただし、予約したチケットは乗車前に「指定席券売機」や「みどりの券売機」で受け取る必要があるので注意してください。
▼JR西日本・JR東日本の障害者割引乗車券のオンライン購入の方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています


チケットを購入する際に証明書は必要?
みどりの窓口で購入する場合には、チケット購入時に障害者手帳の提示が必要です。また乗車時にも手帳の提示を求められることがあるかもしれないので、乗車する際にも手帳の原本は必ず持参するようにしましょう。
障がい児・者との移動に便利な設備
車椅子や障がい児用バギーを利用している場合、新幹線の多目的室や、車椅子に乗ったまま利用できる車椅子席、または大型荷物スペースを予約することでより快適に移動することができます。
多目的室


新幹線の多目的室は、身体が不自由な人や歩行が難しい人が優先的に利用できる新幹線内の個室スペースです。障害者手帳があれば事前予約が可能。当日でも、空いていれば利用することができます。
身体障がいではなくても、障がいや特性によって車両の座席で過ごすことが難しい場合には、事情を説明することで利用ができる場合もあります。まずは事前に問い合わせをしてみると安心です。
▼新幹線の多目的室利用について、詳しくはこちらの記事をご参照ください


車椅子対応座席




車椅子対応座席は、車椅子に乗ったまま利用できる「車椅子スペース」と、車椅子スペースと通常の座席が隣り合っている「車椅子対応座席(移乗席あり)」の2タイプがあります。
車椅子対応座席(移乗席あり)は、車椅子から隣の座席に移乗して使用することが可能です。また、付き添い者が座席を使用することも可能なため、子どもは車椅子スペースに座り、隣の座席に付き添い者が座って一緒に過ごすことができます。
多目的室と異なり、車椅子席はインターネットや新幹線予約アプリのスマートEXからも予約ができます。
特大荷物スペースつき座席
新幹線の車両の一番後ろには「大型荷物スペース」があります。車両の一番後ろの席(特大荷物スペースつき座席)を予約することで、利用が可能です。子どもがまだ小さく膝の上に座って過ごすことが出来る場合などは、大型荷物スペースを予約して、そこに障がい児用バギーやベビーカーを置いておくという選択肢もあります。



筆者は県外の病院へ検査入院に行った際、行きは大型荷物スペースを予約して、帰りは多目的室を利用しました。便利で快適なのは多目的室でしたが、チケットを購入するまでにとても時間がかかったので状況に応じて活用するといいと思います。
障害者割引を利用して新幹線に乗ろう!
帰省や行楽だけでなく、治療や検査入院のような目的で長距離移動が必要になることもある疾患児・障がい児。新幹線の交通費はなかなか高額なので、障害者割引が適用されるのはとても助かりますよね。
2024年からは障害者割引が適用されたきっぷをインターネット上でも購入できるようになるなど、利便性も向上してきています。
新幹線を利用する際には、ぜひ障害者割引を活用してみてください。
▼各種障害者割引についてはこちら!


▼障がい児とのお出かけに役立つ情報はこちら!


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