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【経験談】ABA療育の家庭での実践活用事例4選!自閉スペクトラム症の娘と実践中の内容をご紹介

ABA療育の家庭での実践活用事例4選!自閉スペクトラム症の娘と実践中の内容をご紹介
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発達障害児の子どもの療育に用いられている、ABA(応用行動分析)。放課後等デイサービスをはじめとする、通所療育などで実施されています。

ということは、専門性の高いスタッフがいる場所でしかできないっていうこと…?

そう思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はABAは、流れを掴めば自宅でも取り入れられるのが魅力です。この記事では、自閉スペクトラム症と診断されている9歳の娘と暮らす筆者が、実際に家庭内で実践しているABAの活用例をご紹介します。

子どもの自己肯定感をアップさせてあげたい

強すぎるこだわりや問題行動を少しでも減らしたい

子どもとコミュニケーションをスムーズに取れるようになりたい

そんな方は、ぜひ読んでみてくださいね。

目次

ABA(応用行動分析)とは?

ABA(応用行動分析)とは、1930年代にアメリカの心理学者スキナー(B.F.Skinner)によって生み出された心理技法です。「Applied Behavior Analysisno」の頭文字を取ってABAと呼ばれています。

考え方としては「子どもの問題行動をよく観察して要因を理解し、望ましい行動を増やしたり望ましくない行動を減らしたりする」ものです。発達障害の子どもの早期療育にも用いられています。ABAを早期療育に取り入れることで、言語能力や社会性の向上などが期待できるのが魅力です。

▼ABAを療育に取り入れるメリットや具体的な方法は、こちらの記事をご覧ください!

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自宅でABA療育、このように実践しています

前述しましたが、筆者は自閉スペクトラム症と診断されている9歳の娘と暮らしています。こだわりや癇癪が強く、予定通りに進まないイレギュラーなことが苦手な娘にとって、行動をパターン化して学べるABA療育はぴったり

「できた」をコツコツ増やしていくために、自宅でも次のようなABA療育を実践しています。

事例1:宿題の際に机を蹴ったり勉強道具を投げたりする

「宿題をしたくない」「問題が解けない」など、さまざまなことが癇癪のきっかけになり、机を蹴ったり勉強道具を投げたりするなどの問題行動が見られました。

▼実践したABA

  1. 宿題を小分けにし、1つ終わるごとにご褒美(好きなおやつ)を与える強化
  2. 勉強中は好きな音楽を流せるようにする先行条件操作
ライターMizuki

小さな目標を示してあげる「強化」とリラックスできる環境を提供する「先行条件操作」を組み合わせることで、比較的落ち着いて宿題に取り組めるようになってきました。

事例2:歯磨きを嫌がりうまく磨けない

もともと感覚過敏があり、歯ブラシの感触自体が得意ではない娘。それに加えて「磨くのが面倒」との理由で歯磨きを嫌がり、筆者が仕上げ磨きをする日々が続いていました。

▼実践したABA

  1. 娘の前で、筆者が楽しそうに歯を磨く
  2. 娘に少しずつ磨かせ、上手にできた部分から強化(賞賛)
  3. 徐々に磨く時間を延ばす
ライターMizuki

まずは自然な形で見本を見せることで歯磨きのイメージを少しずつポジティブにしていき、娘が上手に磨けた場合に「できたね〜、ピカピカで綺麗」と賞賛。自信がついてきた時点で少しずつ磨く時間を延ばすことで、歯磨きを楽しめるようになってきました。

事例3:食事中に箸を投げたり口に手を入れたりする

食事中に自分の箸を投げたり口に手を入れたりする問題行動が見られることも。じっくり話を聞くと「注目を引きたい」との理由だと分かったため「注目を引きたくなってしまうメンタル面の理由」を探りつつ、ABA療育も取り入れていきました。

▼実践したABA

  1. 正しく箸を使えたら「上手にできたね」と賞賛
  2. 1.とは反対に、問題行動が見られた際には一切反応しない

せっかく作ったご飯の最中に箸を投げたり手で遊んだりする光景を見ると、たとえ試し行動だとしてもつい落胆してしまう…この記事を読んでいるなかにそんな経験をされた方もいるのではないでしょうか。

「叱る」をしたくなる行為を「反応しない」に置き換えることで、子どもは“これをしても反応してもらえないんだ”と徐々に学習していきます。

ライターMizuki

「褒める」と「無反応」のメリハリを付けることで、筆者の娘も少しずつマナーを学んでいるところです。

事例4:着替え後やおもちゃで遊んだ後にお片付けができない

着替えた後に脱いだ服は脱ぎっぱなし、遊んだ後におもちゃは出しっぱなし…娘は、いわゆる「お片付け」も得意ではないようでした。単純にお片付けを面倒くさがっているのではなく、脳機能の関係ともいえるため、サポートのひとつとしてABAを取り入れました。

▼実践したABA

  1. 「出したら片付ける」の工程を、ホワイトボードなどを使って説明
  2. 説明をもとに、筆者が実際に見せながらお片付け
  3. 上手に片付けられたら強化(ご褒美シール)をあげる

ホワイトボードでお片付けの流れを可視化し、最初は筆者が目の前で見せながら実践。その後、娘が真似をして上手に片付けられた日に好きなシールを渡し、一日の終わりにカレンダーへ貼っていく作業をしました。その結果、一人で完璧にできる段階ではないものの、少しずつ習慣が身についてきています。

ライターMizuki

上記でご紹介したのは、筆者の娘の特性に合わせたABA活用例です。療育機関以外の場所でABAを取り入れたい場合は、通っている専門機関(通園先の先生や放課後等デイサービスなど)へ事前に連絡して、我が子に適した活用法を相談してみてください。

障害児育児に寄り添う家庭でのABA療育

専門家の指導は欠かせないものの、子どもの特性に合わせたABAの手法を家庭で取り入れることは、問題行動の減少や望ましい行動の定着が期待できます。もちろん自閉スペクトラム症だけではなく、こだわりが生活に支障をきたしている場合や、困る行動がある場合も効果的です。

子育てをしていて育てにくさを感じたりご家族が大変だと悩んだりしてしまった場合は、ABAの活用が緩和への糸口になるかもしれません。過ごしやすくなる方法をぜひ試してみてくださいね。

ファミケアちゃん

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この記事を書いた人

日本心理学会認定心理士、サービス介助士。「自分らしさを忘れない」をコンセプトに、自閉スペクトラム症の娘との暮らしをゆるりと楽しむママです。フリーライターとして臨床心理・介護・児童福祉・療育関連のコンテンツ制作および書籍編集などに携わりながら、児童福祉施設へも訪問しています。

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