持続的に口の中の唾液を吸引をする低圧持続吸引器。
今回は、実際に口腔内持続吸引を必要とする息子を育てる筆者が、低圧持続吸引器とは何かややり方と手順、低圧持続吸引器の種類、購入できる場所を紹介します。
医師 おkら先生
呼吸器専門医、がん薬物療法専門医、総合内科専門医。嚥下機能評価研修会修了、医療型児童発達支援/放課後等デイサービスの嘱託医。仕事大好き、2児の母。長男がダウン症、気管切開をしている医療的ケア児。障害児を育てる環境が優しくなって欲しい。その為に自分に何か出来る事はないかと日々考えています。
X:@oke_et_al,ブログ:じょいく児。
低圧持続吸引器とは
口腔内持続吸引とは、低圧持続吸引器を使って持続的に口の中の唾液を吸引することです。持続ではない口腔内吸引はよだれやたんが溜まった時などに吸引をしますが、低圧持続吸引器では口の中に吸引カテーテルの先端を入れたままにして持続的に吸引します。
低圧持続吸引器を使用するのは、唾液を上手に飲み込むことがことが難しい子どもです。
筋力が弱い疾患や嚥下障害がある子どもが特に低圧持続吸引器を使う場合が多いです。
息子は唾液を飲み込む力が弱いため唾液が飲み込めません。口から唾液があふれないように持続的に吸引しています。
低圧持続吸引器はこんなもの
低圧持続吸引器は、口から吸引された分泌物がペットボトルに溜まる仕組みになっています。ペットボトルが1本だけだと水滴が吸引器に流れ込んでしまい故障につながる可能性が高くなるため、もう1本ペットボトルを挟んで故障を防いでいます。
本体はコンセントに繋がっており、自宅では一般的なコンセント口に差し込み、移動中はモバイルコンセントバッテリーに差して使用しています。モバイルコンセントバッテリーは充電式なので、自宅にいる時に充電しておきます。
低圧持続吸引器の種類
低圧持続吸引器には電池式のものとコンセント式のものがあります。
機器の種類にもよりますが、電池式のものは軽い反面、音が大きくなりやすくなっています。
一方、コンセント式のものは、モバイルコンセントバッテリーが必要になりますが、音が静かで、充電式で使用できるので便利です。
電池式の低圧持続吸引器器の「ブー」という大きな音が気になり、途中からコンセントをさせるモバイルバッテリーを購入し、コンセント式の低圧持続吸引器に変えました。モバイルコンセントバッテリーが必要になりますが、音が静かで使いやすく問題なく使えています。電池式の低圧持続吸引器は、コンセント式の低圧持続吸引器の予備として持ち歩くようにしています。
低圧持続吸引器を購入できる場所
乾電池式の低圧持続吸引器やコンセント式の低圧持続吸引器、モバイルコンセントバッテリーのすべてをインターネットで購入することができます。
乾電池式の低圧持続吸引器とモバイルコンセントバッテリーはAmazonで、コンセント式のものは楽天で購入しました。
口腔内持続吸引のやり方と手順
使用手順1:低圧持続吸引器を作動させる
低圧持続吸引器を家のコンセント口またはモバイルコンセントバッテリーに繋いで作動させます。
圧力はダイヤルで調整できます。多くの低圧持続吸引器は一番高い圧力でも圧力は強すぎないので、一番高い圧力で使用しても問題ありません。
使用手順2:カテーテルを口の中に入れる
低圧持続吸引器のチューブに吸引カテーテルをつなぎ、カテーテルを口の中に入れます。
低圧持続吸引器の注意点
吸引カテーテルが抜けないように見守る
口に入っている吸引カテーテルが抜けてしまうと、口から唾液が溢れてきます。
発達や子どもの性格によっては自分で吸引カテーテルを抜くことがあるので、その時はすぐに入れ直すようにしましょう。
吸引カテーテルを噛みちぎらないようにする
お子さんの発達によっては、吸引カテーテルを噛みちぎり誤飲してしまうケースもあります。物を噛める場合、注意が必要です。
先端を深く入れすぎない
先端を深く入れすぎると喉をついたり、咽頭や声門下に迷入するので注意が必要です。
同じ位置に入れっぱなしにしない
同じ位置にずっとカテーテルがあると、低圧とはいえそこが潰瘍のようになってしまう可能性があるため、位置をずらしながら使うと安心です。
発達とともに口に入っているカテーテルが邪魔であり、また遊び道具になることに気づいたのか、最近息子は持続吸引のカテーテルを出し入れしたり、歯で噛んだりすることを覚えました。嫌がってなかなか入れさせてくれない時もあり、その点は苦労しています。
唾液を飲み込む力が弱い子どもは低圧持続吸引器を使用してみよう
持続的に口の中の唾液を吸引する低圧持続吸引器。
乾電池式のものとコンセント式のものの2種類あります。それぞれ特徴があり、乾電池式は軽いが音が大きい、コンセント式のものはモバイルコンセントバッテリーが必要だが音が静かです。
筆者は音の大きさが気になったのでコンセント式の低圧持続吸引器を使用していますが、自分たちに合ったものを使用することをおすすめします。
低圧持続吸引器は簡単に口から抜くことができるものです。子どもの年齢が上がっていくにつれ、低圧持続吸引器を不快に思ったり、おもちゃとして遊んだりするようになったりすることもあります。抜けてしまうと唾液が溢れてしまうので、たまたま抜けてしまったり、子どもが故意的に抜いた場合は、すぐに入れ直すようにしましょう。
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