我が子がNICUに入った場合、子どもの体調のことはもちろんですが、費用のことも心配になりますよね。
普段私達が病院を受診する際は、健康保険証を提示することで医療費を3割負担におさえることができます。しかし、生まれたばかりの子どもはもちろん健康保険に入っておらず、保険加入手続きをしても、保険証が手元に届くまでは2〜4週間程度かかります。
保険証が手元にないけど、全額実費になるの?
保険証が間に合わない場合の対処法にはどんなものがある?
などの不安や疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、NICUに入院して保険証が間に合わなかった場合の対処法について紹介していきます。
▼NICUの情報がまとまっているサポートガイドはこちら
NICUに入院して保険証が間に合わないとどうなる?
退院時までに保険証の提出が間に合わない場合、基本的には医療費全額(10割)の支払いが必要です。
一度全額支払いをしても、保険証が手元に届き次第払い戻しの手続きをすることで、健康保険適応分の差額を返金してもらうことができます。
しかし、NICUの入院費用は実費だとかなり高額になりますので、一時的とはいえ全額支払うのは現実的ではありません。前述のような原則はありますが、実際は保険証が提出できるまで、支払いを保留にしてくれる病院がほとんどです。
筆者の子どものかかりつけ病院に問い合わせてみたところ、全額実費の原則はあるものの、実際は後日払いとしている医療機関がほとんどであろうとのことでした。また、筆者の周りやファミケア編集部内のメンバーに聞いてみても、NICUの費用を全額実費で支払った方はいませんでした。
では、保険証が間に合わない場合に患者はどんな手続きをしたらいいのでしょうか。
保険証が間に合わない場合に必要な手続き
子どもの保険証が支払い時までに間に合わない可能性がある場合、まずは病院の診療費支払い窓口やソーシャルワーカーなどに相談しましょう。前述のように、保険証ができてからの後日払いとしてくれる可能性が高いです。
後日払いにする場合、誓約書が必要になったり、連帯保証人の署名が必要になったりすることもあります。病院によって手続きが異なりますので相談した際に確認しておくと安心です。
後日払いにした際には、保険証が手元に届き次第、速やかに病院窓口に提出することをお忘れなく!
また病院によっては、加入手続き中の健康保険を仮登録して支払うという方法を取る場合もあります。
子どもが加入予定の健康保険を仮登録し、支払額を計算する方法です。患者は一旦健康保険を適用した2割の負担額+自己負担金(ミルク代やおむつ代)を支払い、子ども医療費助成など各種制度が利用できるようになったら差額の払い戻しを受けます。
この場合、被保険者の健康保険証を提出する必要があります。つまり、子どもがパパの扶養となり健康保険に加入するのであれば、パパの健康保険証が必要ということです。
仮登録の場合の計算方法は病院によって異なるため、どの程度自己負担が発生するのか、子ども医療費助成制度などがどのタイミングで適用されるかなどはかかりつけの病院に確認いただくのが確実です。
NICUの費用
NICUは高度な医療、集中管理が行われる病棟です。医療費は、重症度による違いはありますが1日あたりおよそ8〜10万円程度かかります。また、医療費とは別に、ミルク代やおむつ代などの自己負担金があります。
【参照】
中央社会保険医療協議会 総会(第569回)議事次第 個別事項(その9)P25|厚生労働省
通常ではかなり高額になりますが、健康保険証を利用することで医療費の支払いが2割におさえられます。つまり、2割の医療費+自己負担金の支払いで済むということです。
更に「乳幼児医療費助成制度」や「未熟児養育医療制度」など、各種制度を利用することで更に医療費をおさえることができます。
ファミケア編集部のNICU卒メンバーに聞いてみると、医療費の自己負担はなく、おむつやミルク、リネン代のみかかったという人が多かったです。
▼NICUの費用や各種制度についてはこちらの記事で詳しく解説
保険証を支払い時までに間に合わせるためにできること
手続きを早めにする
基本的なことですが、まずはできるだけ早く手続きを行うことが大切です。
健康保険の手続きをするには、子どもの住民票が必要です。住民票を発行するには、出生届を提出し、戸籍に登録しなければなりません。健康保険の加入にかかわらず、様々な手続きをスムーズに行うためにも、まずは出生届を早めに提出することが最重要です!
その後、速やかに健康保険加入の手続きをしましょう。
健康保険被保険者資格証明書を発行してもらう
健康保険被保険者資格証明書(以下、資格証明書)とは、健康保険に加入していることを証明する証書のことです。資格証明書があれば、保険証が手元に届いていなくても、保険証の代わりとして使用することができます。
資格証明書は、健康保険加入の手続きの際に申請すれば発行できます。基本的には当日交付が可能な証書ですが、新生児の場合は新規での加入なので数日かかる可能性があります。
支払いに関する不安や困りごとは早めに相談しよう!
NICUの医療費は高額ですが、健康保険や各種制度の利用により、支払額をおさえることができます。また、保険証が間に合いそうにない場合は、事前に病院へ相談すれば柔軟に対応していただけることもあります。
しかし、支払いの保留はあくまで病院の厚意ですので、保険証が手元に届き次第、速やかに支払い手続きを行いましょう!
生まれるのを待ち望んでいた我が子がNICUに入り、不安なママやパパも多いと思います。さらに金銭面の心配が重なるとなると、本当につらいですよね。
費用に関する問題は、専門のスタッフに相談することで対処できたり、不安な点を解消できたりすることも多いです。各種制度についてはソーシャルワーカーに、入院費の支払いについては診療費支払い窓口に相談しましょう。具体的な相談先がわからない場合は、NICUの看護師に相談すれば、専門のスタッフに取り次いでくれます。
この記事を読んで、ママやパパの金銭的な不安が解消し、心の負担を少しでも軽くできたら嬉しいです。
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