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副次的な学籍の利用が決まったら何をすべき?先輩ママが教えるスムーズに利用するための4つのポイント

副次的な学籍の利用が決まったら何をすべき?
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子どもに障がいや疾患、医療的ケアなどがあっても、さまざまな理由や考え方から地域の学校に通わせたいと思っている方にとって、一つの解決策となる「副次的な学籍制度」

特別支援学校に在籍する児童生徒が居住地を通学区域とする小中学校にも副次的に学籍を置くことができ、地域のお友達と生活ができるメリットがあります。

しかし、利用するにあたって不安を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

副次的な学籍を置くと、本当にクラスの一員になれる?

同じ学校に通うきょうだいはどう感じる?

学校や担任の先生に負担をかけたくない。

クラスにどうやって関わればいいかわからない…

このような不安のある方に向けて、この記事では、実際に副次的な学籍制度を利用した筆者が経験したつまづきを踏まえ、安心して制度を利用するためのポイントをお伝えしていきます

▼副次的な学籍の利用手順ついてはこちら

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目次

副次的な学籍とは

副次的な学籍とは、主に特別支援学校に在籍する児童生徒が保護者からの申請により、居住地を通学区域とする小中学校に置くことができる制度のことです。

特別支援学校で特別支援教育を受けながらも、地域の小学校で地域のお友達と共に学んでいくことができます。

▼副次的な学籍について詳しくはこちら

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副次的な学籍制度を利用する時に何に気をつければいい?4つのポイントを紹介

副次的な学籍制度は魅力的な制度ではありますが、まだ多くの方に知られていないこともあり、いざ利用を始めるとなると情報がなく不安になることもありますよね。

ライター座光寺

実際筆者がいざ制度を利用してみると、学校側と認識が食い違ってしまうことや、学校側の戸惑いを解消できないことなど、思うようにいかないことがありました。

そこでここからは、副次的な学籍制度をスムーズに利用するための4つのポイントをお伝えします。

ポイント1:副学籍校に思いやイメージを伝えよう

副学籍校の担当者に連絡する【入学前】

利用申請をして副学籍校が決まったら、入学前に一度副学籍校の担当者(たいていは教頭先生)とお話しすることをおすすめします。

就学前相談等で教育委員会に伝えたことは事務的にしか伝わっていないので、副学籍制度を利用したい理由や思いと共に、どの程度の頻度でどのように関わっていきたいか、できれば対面でお話しする場の設定ができると、学校側も準備がしやすいかと思います。

副学籍校の担任との目線合わせ【入学後】

入学した後に担任の先生と目線合わせをすることも大切です。

学校の仕組みとして4月にならないと担任を公表できないという事情があるため、入学前に学校との打ち合わせはできても担任の先生との打ち合わせは入学後にしかできないことが多いです。4月になったらできるだけ早い段階で保護者側から積極的にコミュニケーションを図ることをおすすめします。

ライター座光寺

筆者は、入学前に教頭先生とお話ししていたにも関わらず、新年度、つまり入学する年の4月になってもPTA会費についての連絡のみで、所属クラスもわからない状態でした。こちらから問い合わせをして初めて所属クラスの検討が開始され、1ヶ月ほどでクラスが決まったという経験があります。

できれば一度担任の先生とお会いして、副学籍をどのように活用していきたいのか、どのくらいの頻度で通いたいのかなど、具体的にお話をしましょう。入学前に教頭先生にお伝えした内容であっても、担任の先生には直接お伝えしておいた方が確実です。

ライター座光寺

筆者は娘の特徴をまとめた資料を準備して説明しました。学校や地域によってはもっと早く相談できるところもあるかもしれないので、相談のタイミングは学校に一度問い合わせてみるのがよさそうです。

ポイント2:配慮が必要な場面について、事前に先生に相談しておこう

設備に不安がある場合は、事前に対策案を相談しておく

子どもの状態によっては、学校で過ごすにあたり、エレベーターやスロープなどの設備が必要になることもありますよね。事前に学校を見学し、生活に必要な設備があるかどうか確認しましょう。もし必要な設備がなく不安がある場合には事前に相談しておくと安心です。

ライター座光寺

筆者の娘が利用した副学籍校では、エレベーターがありませんでした。しかし通学するクラスの教室は2階。相談の結果、担任の先生からは1階のスペースを使う提案をしていただきました。実際に登校してみると、子どもたちがみんなで車椅子を運んでくれたため、場所の制約がなくなったことは、嬉しい誤算でした。

プライベートな場所が必要な場合は、保健室利用などを打診する

おむつ替えスペースや特性に合わせプライベートな場所が必要な場合は、それも相談してみましょう。実際に登校をする前に相談しておけるとスムーズです。

ライター座光寺

筆者の娘の場合、おむつ替えスペースはもちろん、生活の変化で気分が不安定になった時に落ち着かせる場所が必要と考え、登校日の前までに、保健室をおむつ替えや一時避難的に利用させていただきたい旨を相談していました。保健室の先生は快く受け入れてくれました。

ポイント3:児童や保護者の疑問や不安を解消しよう

子どもたちからの質問を想定し、シミュレーションしておく

子どもたちは、他の子どもと違う障がいや病気のある子どもに対し、疑問に思ったことを素直にぶつけてきます。その時にどう答えるかのシミュレーションをしておけると安心です。

ライター座光寺

娘の場合は、何故車椅子に乗っているのか、何故目が見えないのか、どうして喋れないのか、どうやって遊ぶのか、などをよく聞かれることがあったので、事前にどのように答えるかなんとなく考えておきました。また先生が質問されることもあるかもしれないので、その場合にも先生ができるだけ事実に基づいて答えてくれるよう、担任の先生向けに娘の詳しい資料を渡しておきました。

きょうだいがいる場合は、不安がないか本人と話しておく

きょうだいが同じ学校に通っている場合、障がいや病気のある弟や妹が同じ学校に来ることを不安に思うこともあるかもしれません。

きょうだいのクラスメイトにどう説明するのがよいのか、きょうだい本人と一緒に確認しておくと、お互いに安心です。

保護者の方向けの資料を準備する

ほとんどの子どもたちと同じように、保護者の皆さんも、障がいや病気のある子や医療的ケア児に馴染みのある人は少ないと思います。知らないとどうしても恐怖心が生まれたり詮索をしたくなったりしてしまうので、可能であれば保護者の方向けにも簡単な紹介資料があると安心です。

ライター座光寺

筆者はできるだけ不安を取り除いてもらえるよう、保護者の方向けに簡単な紹介資料をつくって担任の先生から配布してもらいました。街中でクラスメイトやそのご家族と会った時も「○○ちゃんのお母さん!」と声をかけてもらえたので、知ってもらえて良かったなと思いました。

ポイント4:通学した時の関わり方について担任の先生と確認しよう

必要に応じて支援者会議を実施しよう

入学後、実際に学校生活が始まると、担任の先生の経験や知識によっては行事や授業への関わりに戸惑いがあったり、消極的だったりすることがあります。

その場合に解決策の一つとなるのが支援者会議です。保護者と副学籍校の担任の先生、さらに特別支援学校の先生など専門的な経験や知識のある第三者に参加してもらい、支援者会議を実施します。そこで情報の共有やすり合わせをすることで、納得の行く関わり方をしてもらえることがあります。

地域によっては「副学籍コーディネーター」という専門員が配置されていることもあるので教育委員会に相談してみるといいでしょう。

ライター座光寺

筆者の地域には該当する専門員がおらず、特別支援学校の先生に参加してもらいました。結果、学校の先生との話し合いでは難しいと言われた行事に無事参加することができました!

先生の負担に配慮しつつ、関わり方を希望を伝える

クラスの子とうまく関わりが持てる授業になるよう、特別なコンテンツを先生が用意してくださる場合もあれば、こちらからご提案することもできます。ただ、毎回特別なことをやろうとすると先生も付き添う保護者も疲れてしまうことも。

先生によって負担の感じ方は異なります。関わり方の希望はお伝えしたうえで、学校や先生、そして何より保護者自身にとっても無理のない方法を相談していくのがよさそうです。

ライター座光寺

筆者の場合、クラスに登校し、一緒に教室にいるだけでとても意味があることだと考えています。「普段の授業に混ざるだけでも十分。無理のない範囲で関わってもらえれば」とお伝えすると、先生も少しホッとしている様子でした。

大切なのは、学校との丁寧なコミュニケーション

以上、4つに分類しながら副次的な学籍制度を利用する際のポイントについてお伝えしてきました。学校や先生も親自身も、あまり身構えずに、「お客さん」ではなく「同じ学校の仲間」として関わっていけるようになると嬉しいですね。

そのために一番大切なのは、制度利用上必要な手順だけではなく、学校や担任の先生と積極的にコミュニケーションをはかっていくことです。

ポイントを押さえて副次的学籍を楽しくスムーズに利用してみましょう!


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副次的な学籍の利用が決まったら何をすべき?

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この記事を書いた人

4人の子どものうち3番目の次女ハルが生まれつき重度心身障がい児です。長野県佐久地域を拠点に、タイ・インド移住を経て、2021年からフィリピンとの2拠点生活。重心児の次女は現在フィリピンが拠点です。主な関心事はアートと健康、社会、教育、文化人類学。特技は心の露出狂。フィクションも書くライターです。

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