癇癪のある子供との暮らしってすごく大変!
本当は子どもの癇癪に落ち着いて向き合いたいけれど、物を投げたり家具を叩いたりして壊すから冷静に向き合えない
発達障害児と暮らすご家族で、このように子どもの癇癪で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は筆者の経験も踏まえ、癇癪がある子どもと暮らす際にできる家具やインテリアの工夫をご紹介します。
癇癪がある子どもの悩み
我が子の癇癪について、筆者は特に次のようなことで悩んできました。
ものを投げる
子どもによって投げる物は様々ですが、おもちゃや食器、時には大きな物をひっくり返すという場面もあります。固いものや重たいものを投げると大変危険です。
ものや人を叩く
感情を抑えられずにものや人を叩くことがあります。固いものを握って叩いたり、大人やきょうだいを叩いてしまう場面もあります。
ものが壊れる
叩いたり投げたりした結果、ものが壊れてしまうことも。特にテレビやPCの液晶、電子機器等は衝撃で壊れやすいうえ、投げると壁に穴が開くことも。
テレビを2回壊されたときは膝から崩れ落ちました。
暴れて本人やきょうだいが怪我をしないか心配
激しい動きで、本人が家具等にぶつかってしまう可能性があります。本人は傷付けるつもりがなくても、きょうだいに当たって怪我をさせる危険性もあり目が離せません。
家具やインテリアでできる対策や工夫8選
悩みごとの対策や工夫として、まずは安全を守ることが最優先事項です。家具や物の配置、子供が触れることのできるアイテムなどに注意を払い、危険を防ぐようにしましょう。
角のある家具にはコーナーガードやクッションを
角のある家具にはあらかじめ保護用グッズを付けて、できるだけ安全を確保しましょう。
食器棚や引き出しを開けられないようにロックする
棚を開けて中身を出したり、引っ張り出したものを投げたりしてしまうと危険です。そのため、外付けのロックを装着するなど工夫し、棚が開かないように対策しましょう。
食器を木製のものにする
癇癪で万が一食器を投げてしまったり食事中に癇癪が始まって食器をカチャカチャ鳴らし始めたりしても、木製のものであれば割れて怪我をするリスクが軽減できます。さらにポジティブに考えるなら、傷が味になりやすいのも木製食器の魅力です。
▼木製カトラリー
家具の配置を工夫する
癇癪が起きると怪我をしてしまうかもしれないと予想できる家具は、あらかじめ配置を変更し、できるだけ広いスペースを確保しておくとよいでしょう。
とはいえ生活しているわけですので、極端に家具を減らしたり移動させたりするのは難しいですよね。あくまで「無理せずできる範囲で」を心掛けます。
なお、変化が苦手な子どもの場合は、急に家具の場所が変わると混乱してしまうことも。そのため「明日この家具をこっちに移動するよ」など事前に伝えたり、変更後の配置をホワイトボードなどにざっくりと描いて可視化してあげたりするとスムーズです。
壊れやすいテレビ等の家電やパソコン等の電子機器類はガードする
テレビの液晶が割れた場合の修理代はとても高額です。割られてしまう前に取り付けることを筆者は強くおすすめします。
▼液晶テレビ保護パネル
ご自宅のテレビに合ったサイズのパネルを購入しましょう。こちらのパネルは、厚さを2~5ミリまで選択可能です。取り付けもワイヤーを使って一人で簡単に出来ます。
装着した様子を横から見ると写真のような感じです。反射や見えづらさも特に無く、快適に使えています。そして何よりも強い…!
タクシー等の防犯用アクリルパネルが3ミリと聞いたので3ミリにしました(笑)
テレビを押したり揺らしたりする場合は耐震ポールで固定する
テレビ自体を押したり揺らしたりすることも故障の原因になります。また、テレビが落ちて怪我をする危険もあるのでしっかりと固定しましょう。
▼液晶テレビ耐震ポール
紐性商品も多くありますが、癇癪対策の場合は、ポールで強く固定するのがおすすめです。落下を防げるだけではなく、押したり揺らしたりの衝撃を和らげることができます。
タブレットには子ども用のカバーの装着やキッズ用タブレットの使用が丈夫で安心
キッズ用のカバーがついていると、投げてもタブレット自体の衝撃を和らげてくれます。
筆者の息子はFireHDキッズモデルを4年程愛用しています。もちろん何度も投げられていますが、今のところ無傷です。
倒れたら危険な家具はしっかりと固定できる物を選ぶ
全身鏡を置く場合は、突っ張り棒タイプがおすすめです。壁にかけるタイプのものは、引き落とす危険があります。
その他にも、不安定で子どもが倒せてしまう家具(スタンドライトやポールハンガー等)は基本的に置かないのが無難です。
我が家では家具の高さを全体的に低くし、重いものや金属製のものは置かないようにしています。
子どもと一緒にできる対策や工夫2選
投げて良いものを用意する
やわらかいボールやクッションを用意して、物を投げたい時はこれを投げようねと教えてみましょう。
クールダウンができるスペースを作る
癇癪が起きている最中に「やめなさい」「落ち着きなさい」と声を掛けても、収めることはほぼ困難です。そのため、気持ちが高ぶっているとき用に「一旦心を落ち着かせるための場所」があるとよいでしょう。
かならずしも個室を用意する必要はありません。子どもが落ち着けるようなら、市販のテントを設置したり、段ボールで手作りをしたりする方法があります。
筆者の家では小さめのクローゼットの中にすっぽり入り込んでいます。
家や物が壊れてしまった時の対処法
穴が開いた壁をどうするか
筆者の息子は、興奮すると壁に頭をゴンゴンと打ち付ける傾向があります。そのため、我が家の壁は穴だらけです。開いた穴をどのようにしたらよいか、また穴があかないようにするためにどうしたら良いのかをご紹介します。
丈夫で柔らかい壁紙やクッションを貼る
さらに頭を打ち付けたりぶつかっても怪我をしないように、壁紙でカバーしましょう。
こちらは壁紙というよりもむしろ壁ですが、イライラしたらここを叩いてね!といったお約束をする場所として使う方法もあります。
そのままにする
壁については、正直キリがないという気持ちもありますよね。まずは安全第一です。見た目については目をつぶるというのも一つの手だと思います。
我が家は息子が穴を開け、下の子が壁紙をめくるという悪循環。我が家は賃貸なので切実に「ヤメテ…」と思ってしまいますが、家族みんなが元気で安全ならいっか!と開き直りました。退去時の修繕が敷金の範囲で収まることを祈っています…
きょうだいがいる場合の対策
子どもが癇癪を起こすと、投げたものがきょうだいに当たって怪我をしたり、叩いてしまうことがあります。そんな時は、クッション等のやわらかいものをきょうだいに持たせて防御したり、可能であれば別の部屋に移動するなどして物理的に離しましょう。人手がないと難しい対策かもしれませんが、きょうだいの安全を守ることは非常に大切です。
筆者はきょうだいの安全確保について悩み、色々な支援者へ相談しました。対話せずに物理的に離すのはきょうだいの関係性としてどうなのだろうと思ったのですが、特に低年齢の子ども同士の場合は、やはり安全を守ることや離れることが大切とのことでした。
子供が安心して感情を表現できる環境を作ろう
今回は、家具やインテリア等の“環境”に焦点を当てた子どもの癇癪対策でした。
癇癪の対応は本当に本当に大変ですよね。そんな中でも、子どもと家族がおうちの中で少しでも安心して過ごせるように環境を整えましょう。そして、癇癪を含めた子ども自身との向き合い方を模索していきましょう。
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