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日帰りショートステイとは?利用の流れや費用などを紹介

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毎日続く育児や医療的ケアの疲れがたまっていませんか?

レスパイトを利用したいけれど、入院の準備や手続きは大変

短期入所で数日子どもを預けるのは環境の変化で体調をくずさないか心配

と思っている方に知ってほしいのが、日帰りショートステイです。

今回は日帰りショートステイの対象者や利用の流れ、費用などを紹介します。

\この記事を監修してくれた先生/

相談支援専門員・看護師 井上悠貴(いのうえゆき)先生

井上悠貴先生のプロフィール写真

岡山県立倉敷中央高等学校専攻科を卒業。看護師免許を取得し、小児科病棟や保育園に勤務する。現在2児の母であるが、上の息子が3歳の時に発達障害と診断される。その中で相談支援専門員の方にお世話になり、その経験から自身も相談支援専門員の資格を取得。現在相談支援事業所うえまつで相談支援専門員として活動中。

Instagram:@fukushinail_mikan

目次

日帰りショートステイとは

日帰りショートステイとは、在宅でケアを受けている障がい児を1日の内数時間、病院や施設で預かってくれるサービスです。親の冠婚葬祭や就労等の他にもレスパイト(休息)目的などで利用できます。

預かり先は、短期入所施設クリニックなど、日帰りでの短期入所(ショートステイ)を受け入れている施設です。

なお、日帰りショートステイは短期入所の制度を使い、1日のうちの決まった時間だけ子どもを預かってくれるレスパイトとなっています。「日帰りショートステイ」は通称で、実際には障害福祉サービスの短期入所(ショートステイ)を日帰りで利用するという意味です。

また、市区町村によってはショートステイ事業や子どもショートステイ事業といった名称の似ている事業を行っていますが、こちらとは異なります。

ライター侑里子

筆者は医療型短期入所施設のクリニックで日帰りショートステイを利用しています。その施設では1日5名まで預かっているようです。

▼短期入所についてはこちらをCheck!

レスパイトとは?

レスパイトとは、介護者の休息を意味し、介護や医療的ケアで疲れた時に一時的に休める時間を作ることです。

▼レスパイトの詳細についてはこちらの記事をCheck!

日帰りショートステイができる場所や施設

日帰りショートステイができる場所や施設についてご紹介します。

日帰りショートステイができる場所はどこ?

日帰りショートステイができるのは、短期入所を行っている施設です。具体的には医療型では病院やクリニック、福祉型では福祉型短期入所施設などです。宿泊を伴う短期入所と同様に医療型、福祉型によって対象者が異なります。

他にも、專門の医療型短期入所施設で日帰りショートステイをやっている施設もあります。そこは短期入所(レスパイト入院)も利用できます。

ライター侑里子

筆者が利用しているのは、一般的なクリニックなので、併設するクリニックでは医師は一般の子どもから大人まで診察を行っています。レスパイト専用の建物がクリニックに併設しており、そこで看護師が医療的ケアをしたり遊んだりしてくれながら見守ってくれています。

日帰りショートステイできる場所の探し方

日帰りショートステイの場合、利用できる施設一覧のようなものがないことも多く、支援者や当事者ご家族の口コミ、施設への問い合わせで探していくことが多いのが現状です。

筆者の場合は、レスパイト先を探していると訪問医に相談したところ、レスパイト入院(短期入所)の他にも日帰りで預かってくれるレスパイト先があると紹介してもらいました。

市区町村で短期入所ができる施設の一覧などを発行していることもあるため、こちらから日帰りショートステイを受け入れている施設を探す方法もあります。

ライター侑里子

市区町村の役所でもレスパイト先の一覧をもらいましたが、載っているのはレスパイト專門の医療型短期入所施設だけで、日帰りショートステイは掲載されていませんでした。

日帰りショートステイが利用できる対象者

日帰りショートステイが利用できる対象者は、短期入所の対象者と同様、障がいのある子どもとなっています。障害福祉サービスの短期入所の支給決定を受けていることが必要です。(一部施設によって例外もあります)

▼詳しくは、こちらの記事の「短期入所の利用対象者」をご参考ください。

日帰りショートステイが利用できる時間・頻度

日帰りショートステイが利用できる時間・頻度は市区町村から受給者証で認定されている短期入所の支給量(日数)内です。施設のルールに基づいて支給量の上限まで利用できます。

たとえば、筆者が利用している日帰りショートステイのクリニックでは、障害福祉サービスの受給者証で支給されている日数内であれば、使える日数の上限はありません。時間はだいたい決まっており、10時〜16時、11時〜15時と送迎の時間込みで最低4時間は預かってもらえています。

また、別施設での短期入所を利用している人は、全施設での合計利用日数が支給日数の上限を超えないように注意して日程を調整しましょう。

日帰りショートステイの利用の流れ

日帰りショートステイをはじめて利用するまでの手続き

STEP
「短期入所」の支給決定を受ける

日帰りショートステイを利用する上で、市町村等から障害福祉サービスの受給者証が交付されている必要があります。自治体で短期入所の支給が受けられるよう手続きをしましょう。

障害者福祉サービスの受給者証は、障がいのある子ども一人ひとりの障がいの度合いや状況を踏まえて交付されます。宿泊の短期入所をすでに利用している場合は、同じ制度内で利用できるため、追加で申請する必要はありません。

STEP
かかりつけ病院の医師に診療情報提供書をもらう

かかりつけの病院の医師から診療情報提供書をもらいましょう。子どもがどんな病気なのか、どんな介助や医療的ケア、配慮が必要なのか、レスパイト先で共有できるようにすると安心して預けられます。利用する施設によって提出が必須の場合と、必須ではない場合があります。

STEP
日帰りショートステイ先で診察をし、レスパイトの可否を判断してもらう

実際に日帰りショートステイ先に行って、診療情報提供書を提出し、診察をしてもらいます。診察してもらうことで、預かってもらえる状態なのかを判断してもらいます。

利用の手続き

STEP
予約を取る

施設のルールに従って、日帰りショートステイの予約をとります。筆者が利用している日帰りショートステイでは、前月の5日までに翌月の利用希望日を伝えます。その後、利用できる日が決定します。

STEP
[初回のみ]子どもの状態や手技などの共有をする

初回は子どもの状態や医療的ケアの手技などを日帰りショートステイ先のスタッフの方へ共有する時間を持つことが多くなっています。

筆者の利用しているクリニックの場合では、実際に利用開始する前に1日だけ親が付き添い、手技の共有をします。吸引器の使用方法や注入量の確認とポンプの使い方、持続吸引器の扱い方など、一通りの医療的ケアのやり方をお伝えしました。

預かってもらえる時に心配がないよう、丁寧に伝えるようにしましょう。

STEP
子どもを預ける

準備ができたら、子どもを預けます。子どもを自分で送っていくこともあれば、施設によっては送迎を行ってくれることもあります。

ライター侑里子

筆者が利用する日帰りショートステイでは、送迎をしてくれています。時間になると迎えにきてくれるので、それまでに荷物の用意をしてお迎え先に子どもを連れていきます。
大きなバンで迎えに来てくれるときは、ベビーカーのまま車に乗せてもらい、一般車の場合は、ベビーカーから降ろしてチャイルドシートに乗せてレスパイト先まで送ってもらいます。

STEP
子どもが帰ってくる

時間になったら子どもを迎えにいきます。送迎の場合は、車で子どもを連れて帰ってきてくれます。

1日どんな風に子どもが過ごしていたか、など共有してもらうようにしましょう。

ライター侑里子

1日の過ごし方の詳細は冊子に記入してくれていますが、簡単に口頭でもどんな風に過ごしていたのか伝えてくれます。

日帰りショートステイでの持ち物

我が家が日帰りショートステイを利用するときに持っていっているものを紹介します。持ち物は利用施設や子どもの状況によって異なりますので、必要なものを調整して持っていきましょう。

医療的ケアに必要なもの

  • 人工呼吸器
  • サチュレーションモニター
  • 在宅用の人工呼吸器の回路と加湿器
  • 移動用吸引器
  • 注入ポンプとボトル
  • 必要な量の栄養剤
  • アンビューバッグ
  • カニューレ
  • 酸素ボンベ
  • 予備のカテーテルやテープなど

お世話に必要なもの

  • おむつ5〜6枚
  • おむつ袋5〜6枚
  • ガーゼハンカチ数枚
  • 着替え(汚れた時用)
  • 保冷剤(夏のみ)
  • おもちゃ

普段お出かけするときの荷物に加え、サチュレーションモニターや在宅用の人工呼吸器の回路と加湿器を加えた量の荷物です。病院や專門の医療型短期入所施設でのレスパイト入院時よりは荷物が少なくて済んでいます。

▼病院での短期入所についてはこちらの記事をCheck!

日帰りショートステイの費用

日帰りショートステイの費用は、短期入所の制度を利用する場合、市区町村の受給者証発行時に定められた金額となります。また、自己負担以外に利用する施設によって食費などの実費が必要な場合もあります。

自己負担は、他の障害福祉サービスと合わせて上限が設けられており、具体的な金額は下記の通り、所得に応じて決定されます。

区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯0円
一般1市町村民税課税世帯通所施設、ホームヘルプ利用の場合4,600円
入所施設利用の場合9,300円
一般2上記以外37,200円

児童発達支援や放課後等デイサービス、居宅介護などの障害福祉サービスを複数利用している人は、そのままだと重複して費用を払わないといけなくなるため、1番利用回数が多い障害福祉サービスの業者に「上限額管理」をお願いして役所に提出する必要があります。

レスパイト入院が心配な人はまず日帰りショートステイを利用してみよう

1日のうち数時間だけ預かってもらえる日帰りショートステイ。

入院より荷物や手続きが少ないので、気軽に利用できるのが嬉しいポイントです。筆者が利用している日帰りショートステイでは、看護師が子どもをみていてくれるので、安心して利用できます。

障害福祉サービスの受給者証で支給されている日数内であれば何回でも利用できるので、日頃の疲れをとり、自分の時間をつくるためにも利用してみることをおすすめします。


ファミケアの掲載記事およびコラムに関しては、当事者および専門家によって作成しておりますが、全ての方に当てはまる情報ではございません。投稿された情報の利用により生じた損害について、ファミケア運営元では責任を負いかねますので、あくまでもご家庭での判断のもと参考情報としてご利用ください。また、特定の施設や商品、サービスの利用を推奨するものではありません。

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この記事を書いた人

大学卒業後福祉の仕事に携わり、結婚を機に在宅勤務のライターやSNS運用の仕事をしています。1歳のミオチュブラーミオパチーの息子のママ。夫と息子と平和に楽しく暮らしてます。

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